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くだらないルールが多過ぎるのは常識


「ルールと言えば、魔王城にもくだらないルールがたくさんありますね」

「あるある!」

 笑いながら答えないで。あんた、まだ魔王妃になって数か月しか経ってないんだから。


「トイレットペーパーは使い終わったら新しいのをセットしておけとか」

「うんうん」

「お風呂は掛け湯してから入れだとか」

「うんうん?」

「門限は一時とか」

「うん……うん」

「外靴と内履きは履き替えろだとか」

「うんうん」


 それって、全部常識じゃないの――! 魔王妃はそれすら煩わしいと思っているのか。


「チッチッチ、古いわねえデュラハン。自分の常識は他人の非常識なのよ」

 ――自分の常識は他人の非常識だと――!

「はあ?」

 パイプ椅子に座って偉そうに足を組み直さないでほしい。

「お尻を手で拭く文化もあれば、お風呂じゃなくて川に入る文化とか、靴を履いたままベッドに横になる文化とか、それを知らずに常識を当てはめてはいけないわ」

 そんな常識があるのか? ――魔王軍のモンスター達に。

「魔王妃の言う通りぞよ。人間であれモンスターであれ、多文化を認め合ってこそ共存が可能ぞよ」

 多文化か……聞こえのいいお言葉でございます。

「ですが魔王様、手で尻を拭いたモンスターが握手しにきたらどうしますか」

 ガッツリと両手で。手も洗わずに。いや、水洗いだけは許可とする。

「握手するぞよ」

「――おお!」

 さすが魔王様だ。それでこそ全魔王軍を指揮するにお相応しい。

「この無礼者~と罵って、思いっきりパチンと手で叩いてやるわ。顔を」

 魔王妃がフルスイングで腕を振る仕草をする。さすが魔王妃だ。敵にも味方にも容赦がない。


「では、大浴場に自分が浸かっているときに、掛け湯もせずにグールやスケルトンやミイラ男が浸かって来たらどうしますか」

 アソコモナニモ洗わずに入ってくるのですぞ。グールやスケルトンやミイラ男に恨みは無いが、咄嗟に浮かぶのが彼達だった。ごめん。

「浸かりやすいように横にずれて場所を開けるぞよ」

 ……。魔王様は寛大でございます。私以外には。

「湯船はみんなの物ではないわ。今はわたしだけの物なのよと説教して追い返すわ。絶対にわたし以外浸からせない」

 追い返すな。そもそも大浴場を独占すな。


「自分のお布団に誰かが靴のまま寝そべって土が付いていたらどうしますか」

「パンパンと土を床に払い落とすぞよ」

 普通すぎます。

「誰の仕業か必ず見つけだして魔王様に『極刑に処す』してもらうわ」

 ……。土を付けただけで極刑に処すすな。さすが魔王妃だ。むしろ、魔王様よりも魔王っぽいのかもしれない。

「たとえそれがデュラハンでもよ」

 ニッコリ微笑んで言う言葉ではあるまい。っていうか、別にそんなこと言わなくてよくない? 魔王軍四天王であるこの私でさえ、極刑に処すされるの? 毎日、ドレスやドレス以外の洗濯物まで洗濯しているのだぞ――。


 ペロッと舌を出しても駄目だ。可愛くない!


読んでいただきありがとうございます!


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