急襲:前
3話
「「「「「オオオオォォーーーーーー‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」」」」」
パキラの悩みであった魔族の食い散らかしである原因を蹴散らしたことにより、俺とスレンは、国の人々に称賛されていた。
「国を救ってくれてありがとう‼」
「君たちは国の英雄だよ‼‼」
……って、こんな感じに
そんな盛り上がりのあった次の日、俺は、パキラに迫ってきている魔族の強い気配に目を覚ました。魔力が低い今の俺でも一応、国付近までにいる奴の気配なら、感じることができる。
スタァァーー……スタスタスタッッ‼‼‼‼‼‼‼
「遠距離光眼弾……散‼‼‼‼‼」
ピュッ‼‼ピュピュピュゥゥゥゥーーーーン……
とりあえず俺は、暗いところでも遠くを視認することができる光眼弾を東にあった平たい山から、四方八方に散らし投げた。
「なるほど、強い魔力の原因はあいつか。」
山から頭が出るほどの大きさと蛇髪。そして、奇抜な格好の少女が見えた。タイターンゴルゴーンか、しかも多分メドゥーサ。
……はぁ~、魔王の幹部とはいえ、弱体化しきった俺が勝てるのか、正直分からない。
とりあえず、この状況をスレンにテレパシーで伝えた。
(今すぐ起きろ、スレン‼‼)
「……むにゃぁぁ、誰でしゅか?」
(アトリアだ。)
「……ん?あ、アトリア師匠!?」
(事情は後で話すから、とりあえず、東の街にいる全ての人間を速やかに西の街へ避難させてくれ‼頼んだぞ‼‼)
「は、はい?わ、分かりました。」
とりあえず俺は……
シュゥゥゥゥーーーーーーッッッッッッ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
ズドーーーーンッッッッ‼‼‼‼‼‼
突然、俺の頭の上から、勢いよく巨大な魔槍が、落ちてきた。それを避けると、地面に深く突き刺さった。
「まさか、私の隠密攻撃を避けるなんて、少ない魔力の割にあなた、中々やるのね。」
「一応俺、元は兵士だからな(劣等兵ではあったけど)」
「へ~、兵士ね。(王国であれ、人間の兵士で、ここまで戦える奴なんか、私、知らないわ。でもなんか昨日、人間の王国から劣等兵の1人が追放されたとか聞いたけど、それかな?)」
「さっきのお返しだっ‼‼」
ズドンッッ‼‼
地面を人間の巨大な拳の形にして、メドゥーサの顔面に目掛けて、ぶっ飛ばした。
「危なっ‼‼‼‼」
しかしそれは、メドゥーサの顔面に当たることなく、蛇髪をすり抜け、難なく避けられた。
兵士の時に封印していた、この力があれば、もしかしたら……と思ったが、どうやら難しそうだな。
「あなたとは、もう少し話をしていたかったけど、もう、お別れをしないといけないわね。上の指示には、私も従わないといけないから。」
「元から俺もその気だ。来い‼」
戦闘態勢に入ったのか、メドゥーサの眼の色が変わった。その瞬間に俺は、メドゥーサの目線の先から離れた。
魔力の差は歴然、技でカバーしていくしかないだろうな。ほんの数年間、ずっと俺はそうやって戦ってきた。
「石眼‼‼(早速だけど、死んでもらうわよ)」
「地壁‼‼(そう簡単に石化されてたまるか‼‼)」
メドゥーサが、こっちに視線を向けたと同時に地面から、壁を作り出し、石眼を防いだ。
「そんな壁、私の眼力の前では、無意味‼‼」
パキパキパキパキ……ドンッ‼‼‼‼‼
石眼は、俺の地壁を貫き、それを見たメドゥーサは、歓喜していた。だが、その壁の後ろに俺は、もういない。
俺は、魔力を感じ取られないようにできるだけ低くし、メドゥーサの背中に回った。こう見えても俺は、弱体化しても足の速さに自信があった。
「あれ、いない!?あの人間どこに行ったの。」
「……零距離散弾岩‼‼‼‼」
ズドンッ‼‼‼‼ズドドドドドドッッッッ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
「ぐわあっっ‼‼‼‼‼‼‼‼」
攻撃が発生した瞬間に俺は、また壁を作り、攻撃の準備をした。だが、メドゥーサも同じ手に引っ掛かるほどバカじゃなさそうだ。
「私の蛇髪の蛇どもよ、あの人間を見つけ出し、食い殺せ‼‼(ちっこい奴は、これで十分よ。)」
シャァァァァアアアアアア‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
ドドドドドドドドドドッッッッ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
1匹で、巨木ほどの大きさがありそうな、蛇髪の蛇が、5匹解き放たれた。
「うわああっ‼‼」
この蛇髪の蛇は、どんな魔力にも敏感らしく、俺の極限にまで低くした魔力でもあっという間にバレてしまった。
「ディ・フォーメイション‼‼‼‼」
ドサドサドサドサドサッッッッ‼‼‼‼‼‼
シュルルルルルル……
地面から大きなトゲを生やし、刺し殺した。しかし、喜びも床の間。蛇を突き刺した大きなトゲは、石化して、刺し殺したはずの蛇はよみがえり、しかも石化したトゲが、蛇に変身してしまった。
……おいおい、今の俺にこれは反則だ。
「……あなたの相手は、私だということをお忘れないでよねないでよね。」
「はっ!?」
俺が、蛇に集中している間に後ろで、メドゥーサが眼を光らせていた。
「あなたが、蘇生されないように……不蘇生石化‼‼‼‼‼‼」
シュバアアアアァァァァアアアアアア‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
「ぐはぁっ‼‼‼‼……」
メドゥーサの眼から暗黒の光線が、俺の心臓を貫き石化して、その後すぐに俺の心臓は消滅し、死んだ。
「ふふふ……、私と短時間張り合った強き弱者よ、私はお前のことを一生忘れないわ。」
ドシッ‼ドシッ‼ドシッ‼ドシッ‼……
俺と戦っていた蛇髪の蛇は、メドゥーサの頭に戻っていき、メドゥーサは国に近づいて行った。
……しかし、何だろうか、人間の弱点である心臓を潰され、死んだというのに力が湧き溢れてくる。しかもこの力、非常に懐かしい。まさか、心臓を破壊されたことによって、以前の力を取り戻したとでも言うのか!?
(ゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ……‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼)
……スーーーーッッッッ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
「ん、私の肌から……血?(一体、どこから放たれた斬撃魔法なの‼)」
ゴ……ゴゴ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
(こ、これは、斬撃魔法じゃなくて、まさか、魔力量の差によるもの!!私の魔力を圧倒的に上回るテュポーン様の魔力量ですら、この私に傷は疎か、痛みを与えることは、できないというのに)
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「おい……メドゥーサ」
「はっ!?」
メドゥーサは、恐る恐る俺の方に顔を向けた。それはもう、巨大な獣を目の前にした、恐ろしくて震えている子ウサギのような感じだった。
「第2ラウンドと行くか?」
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