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到着

 ふと目覚めると知らない部屋のベッドで眠っていた服は白いゆったりとしたワンピースのようだ、部屋を見わたすととても現代風とは言えないが木造でできたそこそこの広さで机やクローゼットの家具もある。

立ち上がり扉に向かい隣の部屋に入ると先ほどよりも2倍は広い部屋でリビングのようだ中央付近にソファーがあり近づいてみて気づいたシルバーのふかふかとした毛玉があることにサイズとしては両方の掌の上に乗る位だろうか?思っていたより小さい、まだ子猫なのかな?と、いろいろ考えながら近づいてみるとお猫さまは目をぱちりと開いた顔をパッと上げこちらを紺色のうつくしい瞳で見つめてきた。

 こちらもうっとりと見つめ返した、しばらく見つめ合っていたがお猫様が小首をかしげはなしだした。

「おい、おまえ早くわしに名前を付け魔法契約せぬか」

 そうかー、異世界の猫ははなすのだなと思いながかわいらしい声に聞きほれていた。

「にゃ!おまえ人の話を聞いているのか!」

 にゃって言った!やっぱり鳴くんだ、猫だもんね鳴くよね鳴き声もかわいいなぁとうっとりと聞き入っていると

「にゃ!!!いい加減にしろ!話をする気がないならわしはここを出ていくぞ!」

「すみませんでした!!」

スライディング土下座をするスペースがなかったため普通に土下座した。

「あまりにもお猫様が愛らしく美しかったため我を忘れてしまいました。もしお許しいただけるのならお名前を付けさせていただくその名誉をたわッ」

舌噛んだ。

「お前いつもそんな大仰な話し方なのか?その割にはなんか舌噛んだし変な奴だな、人間てのは皆そんななのか?」

なんとなくいやそうに話しかけられた、初めてだし丁寧にって思ったけど、なれない言葉遣いは無理だった。とは言えお猫様に勘違いさせるわけにもいかないので少し砕けて話してみることにした。

「いえ,皆がってことはなですが猫好きの間ではなくもない感じですね」

「あるのかないのかよくわからんな。で、お前わしに名前をつけんのか」

「つけます!私が決めてもいいのならば。」

「よかろう、だが気に入らぬ名であれば拒否するぞ」

わたしはコクコクと頷きながら名前を考え始めた、こんなかわいらしく天使なのだから

「エンジェル又はアンジェとかはどうですか?」

「却下」

そこからは知っている限りの天使や、かわいいなどの各国の言葉で尋ねてみたがすべて

「却下」

である。プリティとか可愛いのに、だがいい加減お猫様の機嫌が悪くなっている気がするので別方向から考えてみよう。

夜を思わせる美しい紺色のひとみ 月を思わせる美しい毛並みどちらも最高だ、考えがずれそうになっただが半分は可愛美しすぎるお猫様のせいでもあると私は主張したい、いかんまたずれたえーと、夜空のような紺色の瞳からからコン、夜空関係ないしそのまま過ぎるか狐みたいだし。うーん、月のようなシルバーの毛並みシルバー?あーと、月からとってムーンとか?ネーミングセンスなさのつらさに嘆きたい、仕方がないのでまた今思いついた名前を言ってみたが

「却下」

で、あった。半泣きになりながら

「ルナとかどうですかね?」

言ってみたところ、なんか可哀そうな目で見られた気がするが、

「それでよい」

との返事であったひどく不本意な声に聞こえたが気のせいにだと思うことにした

名前も決まったしさっそくよんでみる

「ルナよろしくね。私はユリナです。いろいろわからないことばかりだけどルナに教えてもらえるって聞いてるので、お願いします。」

 「うむ、わしは「世界の知識」を授かったその知識はお前のために使用するように主神に言われておる遠慮なく頼るがいい、それと話し方はもっと気楽でいいぞ」

 「わーい、ルナありがとう。」

色々話したかったが家の中をまだ見ていないため確認作業を始めることにした。ルナもついてきて簡単に説明してくれたりもした。

 

家の間取りとしては寝室、寝てた部屋ねリビングキッチンがこの部屋でもう一部屋、書庫があってちょっとした倉庫がある、書庫はいろいろな本があるがざっと見る限り魔法の使い方が多いようだった。

倉庫は何かよくわからないものが置いてあるルナに尋ねると今は関係ないとのことで、そのままにしておくことに。

寝室に戻ってクローゼットを開けると 何着か服がかかっていた 確認してみると普段着の様なワンピース2枚とズボンと上着が2着ずつ ローブなようなものが2枚 寝巻用の白いワンピース、下着らしきスポーツタイプのブラジャーとパンツが入っていた。自動洗浄付きなので交互に着れば困ることはないだろう。

とりあえず下着と寝巻を持ってお風呂に行くことにしたこっちで何時なのかわからないが私の意識としては仕事帰り買い物をしてガラガラくじに当たって恵比須顔と長々と話をした後なのだ、お風呂に入ってすっきりしたい。ちなみにこの家はお風呂、水洗トイレ付である。

 とりあえず風呂に入りすっきりして出てきたところルナは、またソファーで丸くなっていたがこちらをちらりと見た、かわいい。

「異界の者は面倒なことが好きなのだな」

何のことかわからず不思議そうな顔をしていたのだろう

「洗浄など魔法を使えばいいであろう」

言われてみてそういえば生活魔法とか言ってたなぁ洗浄の魔法があるのかな、でも洗浄の魔法とお風呂は違う気がする

「お風呂は心の洗浄もできるのよ」

今度はルナが不思議そうに小首をかしげている

「心が洗えるとはどういうことだ?」

「うーん、口で説明してもわからないから今度一緒にはいろうよ」

「水は嫌いじゃ」

ぷいっとそっぽを向いてしまった。かわいいなぁ

「まったく、やることはまだまだ有ると言うのに、のんきに風呂など入りおって」

えーやることそんなにあるのか疲れたなぁと思いながらソファに座ってうとうとしていると、頭のあたりにふわりと生暖かい風があたった、不思議に思い頭に手をやると湿っていたはずの髪が乾いていた。すごいこれが魔法なのか、でも自分でやったわけで無いってことはルナがやってくれたのかな?

ルナのほうをみるとソファの上にぴしりと座っていたそして今後について話し出した。

「まだやることはあるが、とりあえず明日じゃ今日はもう寝るがいい、明日まず契約魔法を使って獣魔契約を行う。先々町の中に入るのに必要だからな。あとは明日から魔法の練習じゃそれが終わればLv上げのために近くの外界に出てモンスターを倒せるようになるのじゃ、そこより先はまた改めて説明する。さぁ、寝るがいい」

 これは疲れてる私を気遣ってくれているのかやさしさが染みる、心のブラックがシルバーに染まりそうだ。私はルナに近づきそっと両手で救い上げた、そのまま寝室に移動しルナを枕元に置いてみた、ルナはプイっと顔をそむけたがその場で丸くなって眠り始めたので私も眠ることにした。


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