奴隷2
子猫亭に戻るとルナと話し合った、さっきのラークという奴隷が気になっていたからだ、ステータスがとてもよかったが、利き手が使えないのがやはり気になる、すると
「気になるのはステータスか？それとも耳か？」
ギクリとした、耳だったらルナはやきもち焼くのかな、とか浮かれたことを考えながら
「も、もちろんステータスだよロップイヤーも素敵だけど、あのレベルなら冒険者として色々教えてもらえることもあると思うし、ただ、情報聞くだけで後々冒険で付いてこられなくなったらどうしたらいいかわからないし。どうしたらいいと思う、ルナ？」
にゅぅーんと、ため息の様な鳴き声を上げ
「本気であのラークとやらが気に入ったなら、神への祈りをつかえばいいのだ」
言われてみればその通りである、傷、体力の回復・四肢欠損の完治・病気の治癒だったかな、四肢欠損の完治はもしかしたら目も治るかもしれない。そうであればとってもいいＰＴ仲間になると思うのだけど、やっぱりエミリーさんにも相談してからにしたほうがいいよねそう思ってエミリーさんの帰りを待ちながらかなり遅めのお昼を食べることにした。夕飯のことも考えて少な目でお願いしたがおじさんは嫌な顔せず笑顔で了承してくれた。
今までずっと不便はないのでおじさんと呼んでいたけど今更だけど名前くらい知っていたほうがいいのかなと思いながらおじさんをじっと見ていると
「どうしたんだい、嬢ちゃん」
おじさんのほうから声をかけられた、ついでなので聞いてみる
「いえ、そういえばずっとおじさんって呼んでて名前聞いていなかったなって思って」
「そんなことか俺はジャンって言うんだいままで通りおじさんでもいいしすきに呼んでくれよ」
思えば、初めてこの世界であった人で、なんだかんだお世話になってるひとだと思うと感謝の気持ちがわいてきた。おじさんはカウンターの中にいてあまりゆっくり話したことがなっかたけど今は大丈夫なのだろうか？おじさんに聞いてみると
「ああ、もう少ししたら夕飯の準備にかかるけど少しくらいなら大丈夫かな」
と、いわれおじさんに奴隷のことについて聞いてみることにした、それからおじさんでなくジャンさんとよぶことにする
「ジャンさんあの今日わたし奴隷市場を見てきたんですけど気になるステータスのひとがいて」
「ステータスわざわざ聞いたのかい？」
「いえ、レベルは低いですけど、私も鑑定スキルを持っていてそれで見たんです」
「なるほどなぁ、奴隷は販売中はステータスを隠すことができないからな、売る側が都合のいいステータスだけ見えるようするのを防ぐために決まっているんだ」
そうゆうことだったのか、どの人を見てもステータスがすべて見えたのはそうゆうことだったのだなぁと思いながら話を続けようとしたところにエミリーさんが帰ってきた
「ただいま、あなた、あらユリナちゃんもいたのね、ただいま」
「おかえりエミリー」
「おかえりなさいエミリーさん」
それぞれ挨拶をして私は元の席に着いたが、おじさんはそのまま
「俺は戦闘奴隷のことはよくわからないからな、夕飯の準備も始めなくてはならないからあとはエミリーにでも聞いてくれ」
席を離れてしまった
かわりにエミリーさんがジャンさんの座っていた席に座り
「今日はどうった？初めてなら驚くことが多かったでしょう」
尋ねられて、その日あったことを説明した
「気になるステータスの人がいたんですが片目と利き腕が使えないようで、それにできたらＰＴメンバーを奴隷にするなら女の子がいいなって思ってて悩んでるんです」
するとすかさずエミリーさんは
「まずステータスがよくても利き手が使えないんじゃ今後のことを考えると無理だと思うわ、それと女奴隷はとても高くつくわ特に若いとね」
なんとなく予想していた返事が返ってきた、市場には若い女の子は一人もいなかったからであるかといって、母親ほどの女性を冒険者にするには無理があるしここは、あきらめるしかないだろう。
ラークの件に関しては神への祈りがあるため
「あの怪我の件なんですが、何とかする当てがあるんです。」
エミリーさんはとても驚いていた
「まぁ、そんな伝手があるの？だったらステータスと値段次第で考えてもいいわねぇ詳しく教えてくれる？」
そこで、市場で見てきたラークのステータスと怪我の状態などをくわしく話、金額も説明した。
「怪我がどの程度まで治るかにもよるわねぇ、目も大事だけど特に利き手は使えるようにならないと前衛として役に立たないわ。」
「利き手は使えるようになると思います、目はちょっとわからないけど治る可能性もあります」
「あら、すごいわね、あなた高位の神官と知り合いだったりするの？」
「いえそうゆうわけではないんですが、えーと、ここに来るのに色々ありましてそのいろいろの中に怪我を治すことも、含まれていて」
要領を得ない私の説明を辛抱強く効いてくれながらも
「よくわからないけど怪我は何とかなるのね」
と、あっさり話を進めてしまった私としては助かったのでかまわない
「はい、怪我は何とかなると思います。ただ金額が350万ラナってどうなんでしょうか？」
「怪我の具合とスキル次第だけどかなり安くなってるとは思うわ。ああ、それと前衛をさせたいのなら戦闘補助を取っておくことを進めるけど空きスキルはあった？」
「ぁ、はい空きスキルは確か2枠ありました」
「そう、戦闘補助はスキルＬｖが上がるとＳＴの回復量が増えて便利だし、最初から挑発って技が使えて敵の注意を自分に向けることができるの、前衛には必要なスキルよ」
確かに敵を引き付けてくれることができれば倒せなくてもその間に私が魔法で倒すことができればいいのだしかなり戦闘が楽になる気がした。
「分かりました、じゃぁ、明日にでもお店に行って見てきます」
「1人で行っちゃだめよ、あなたが一人で行ったら舐められちゃうわ、私も明日一緒に行ってあげる」
エミリーさんは猫耳で見た目も可愛い系なので迫力があるかと聞かれると首をかしげるが、正直1人で行くのは不安だったので一緒に行ってもらえるのはとてもうれしい
「ありがとうございますぜひお願いします」
「ところであなた予算はどうなの？奴隷を購入するのにギリギリまでつぎ込んでしまったら今後の生活に困るでしょう？」
確かにその通りだなと思った、奴隷を買えないことはないけど買った後には色々と出費もあるだろうし、今後何があるかわからないのでできる限り節約したいと思っている
「一応、350万ラナをだしてもすぐに困ることはありませんが少しでも安くなればいいなとは思っています、ただ相場よりすでにかなり安くなっているのでこれ以上はむつかしいですよね？」
エミリーさんに尋ねると
「さっきも言ったけど怪我の状態次第ね、でも今の状況でそこまで安くしてるってことは結構ひどい怪我なのかもしれないわ、怪我の件が本当に大丈夫ならもう少し安くできると思うの。」
どうかしら？と尋ねられて丈夫だと答えると、エミリーさんはにこりと笑い
「じゃぁ明日は朝食後、あと片付けがすんだら出かけましょう？」
「はい、ぜひお願いします」
明日が気になりどこかソワソワしながらラナと話したり本を読んだりして夕飯の時間を待ち。相変わらずおいしいねと、ルナに話しかけながら食事を終えた。
眠るときは、何かドキドキして眠れなかった。
やっぱり人を買うことがどうしても気になってしまう。でも、私もすごく真剣に考えたし、あの人も一生檻の中で暮らすことになったとしたら幸せではない気がする。私が幸せにできるかはわからないけど少なくとも少しでもいい仲間になれるように努力する気だ。そんなことを考えていたらいつの間にか眠ってしまっていたらしい。
