第2話 元凶の正体
その狼は真神と同じぐらいの大きさでも村の聖獣狼と違って毛並みが真っ白であった。
この狼の種族は一体なんだ…?
『おい、人の子よ。無視か?ならば』
と言い突然その狼の周りに無数の鋭い氷柱のよな物が生成されていた。
「な!ちょっと待て!俺に戦う意思はない!」
『問答無用だ。結界内に入り更にはコノ我を無視したのだからなぁ』
くっそ!あんなモンくらったら死ぬ!
『まぁ本当に敵対心は無いみたいだな。だからこの氷柱を全部退けたら話を聞いてやろう』
「まじかよ……手を抜いてくれますか…?」
『無理。そら行くぞ!人の子よ』
吠えるように叫びながら、ビュン!と空気を切る音と共に氷柱が飛んできた。
「ちっ!やるしかないか。ぶっつけ本番で何秒保てるか分からないけど、やらないよりマシだ!」
覚悟を決め、目に魔力を流す
《身体強化・目》
その瞬間こちらに飛んでくる氷柱がしっかりと目で捉えられる様になり、何とか全弾躱す事が出来た。
「はぁ、はぁ、はぁ」
何と保てたが集中力が切れ体も限界だ…
『貴様いま…何をやった?魔術師なら魔術でガード、相殺するなどで、この程度容易いはず…だが貴様はどちらでも無く、あの氷柱を避けた。貴様は何者だ?』
「俺は狼牙 響。落ちこぼれね魔術師だよ。そういうかお前は何なんだよ…」
『ほう?落ちこぼれと言うには威勢がいいな。この我に対して「お前」とな……まぁ珍しいもの見せてもらった事に免じて許してやろう』
理不尽過ぎるだろ……あと、珍しい物ってなんだ?
『それで我だったか?
我の名はフェンリル。神獣だ』