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2023年 SF大会資料 コンテストを受賞する為に私が意識してそれでもとれなかった話

 挿入話であるが、これは2023年のSF大会で「小説家に『なった』二日市とふろうの場合」という企画でのレジュメである。


 多くのなろう作家が今でも世に出続けているが、それに挑んであと一歩で届かずという事を繰り返しながら何を思い、何を考えたのかを伝えようと思って書いている。

 とはいえ、この話は私が小説家になる告知の2019年11月1日までの話で、現環境とは違う事を留意してほしい。



(1) 目標ポイント 20000


 なろうというサイトにはポイントなるものがある。

 その読者が、小説 (作者でないので注意)をブックマークしてくれると2P。

 ポイントの評価の所で最大10P入手できるので、一人の読者からの最大評価は12Pとなる。

 この一人当たり最大12P得られるポイントを20000集めるというのが、コンテストにおける最初の目標となる。


 で、コンテストだが、なろうにコンテストタグをつけるだけで応募できるコンテストが増えてゆくのだが、まことしやかにネットで言われていたのがこのコンテストの入賞作品はなろうのポイント上位陣から取られているという噂であり、それを信じた作者側がポイントを不正入手なんて事件もあったりした。

 出版社側からすると、ポイントというのは選挙でいう所の岩盤支持層であり、これだけの読者がついているという目安なのである。

 試しに目標の20000ポイントを12 (一人の最大付与ポイント数)で割るとおよそ1600人。

 コンテストで入賞した上位作品は、私の時ですら60000から40000Pぐらいを取っていたから、5000人から3300人程度の支持層があると出版社側は計算できるわけである。


 そんな訳で、コンテストにおいて評価ポイントが大事というのは集まってくださった皆様はご存知と思うが、どれだけポイントを稼げはいいのかを意識していた人は驚くぐらい少なかった。

 私がこの20000ポイントを目標にしていたのは、当時のコンテストにおいて、このポイントならそのコンテスト上位20位以内にほぼ入る事ができたからである。


 もちろん、ドカンと稼げる人は少ない訳で、私みたいな人間は定期投稿で入るポイント数を計算しながらどのタイミングでエントリーするかを図っていた。

 たとえば、一日30ポイントを稼げる作品があるとしよう。

 となれば、その作品が20000ポイントに達するには666日必要な訳で、ここまでの戦略ができる。


 毎日投稿を約2年ばかり続けると書籍化選考ラインに乗る。

 毎日2000字投稿するなら、1460000字。

 つまり146万字書けるならば書籍化選考ラインに乗る。

 まぁ、それだけ書けるならばいやでも技量は上がる。

 これがエントリー条件である。

 で、今だから分かるのだが、ここからルールが変わるのだ。



(2) 読者(お客様)に向けての物語から、読者(選者)に向けての物語へ


 私はコンテストについては一次突破、二次突破はするのだが、最終で落とされた人間である。

 なろうの強みは、物語及び作者にデビュー前に読者がつく事で、その読者層の支持という形で本の販売計算が立てやすいという出版社側の思惑がある。


 昨今の事情でぴったりなのが、転生VTuber。


 どれだけ魂(作者)の支持層が皮(作品)についてくれるか?

 そういう意味では、作家が生き残るにおいて彼らの生存戦略は大いに役立つと……話がそれた。

 で、20000ポイントを得て、コンテスト上位陣に入れた場合、当然選考者、下読みだけでなく編集が読むのだが、彼らがティンとこないと選ばれないのだ。

 私はここをしくじった。

 知っての通り、私の作品は癖が強い。

 その癖が当時の流行とずれていた上にその癖に拒否感が出る事も多々あった。

 と、同時にTwitterでバズった結果、拾い上げてくれて今に至る。

 つまり、Twitterでバスったtweetをしてくれた人と、出版社の編集の二人に私の作品が刺さったのだ。

 逆に言えば、この最重要人物に物語が刺さらないとコンテストに通らない。

 特に選者に作家とかが選ばれているコンテストならば、せめてその作者の作品を抑えてポイントぐらいは絞り込む事をすべきだったのだろうと今の私は思っている。


 なお、どーでもいいイメージだが『ウマ娘シンデレラグレイ』6巻P62のオベイユアマスターの一枚絵が私は大好きである。

 的を絞り込むのならば、ここまでするべし。

 ……私はできないだろうけど。



(3) 本の限界(ページ数)を忘れるな


 来てもらった人で今日はここの所だけは覚えて帰ってほしい。

 (1)でぶっちゃけ146万字書いてなんとか書籍化できたとしよう。

 本一冊の文字数は大体10万-12万字しかないのである。

 つまり、冒頭部のみ本となって打ち切りなんて事がとてもよくある。

 だからこそ、146万字の物語の一部を12万字かつ、その中で『起承転結』がつくように編集する事は絶対条件だった。

 もし、あなたがなろう作家で自分の作品が10万字以上ある未完作品だった場合、その10万字の話で本ができる事を想像してみてほしい。

 綺麗に話がたためるなら御の字で、下手すれば投げっぱなしジャーマンという事がとてもよくある。

 

『現役プロ美少女ライトノベル作家が教える! ライトノベルを読むのは楽しいけど、書いてみるともっと楽しいかもよ! ? 』(林トモアキ 角川スニーカー文庫2014年)を読んで、その中に一割削減法なるものがあるのだが、『削るのか?もったいない』と思った過去の私を今はぶん殴りたい。


 削って、スペースを空けて、加筆しまくって、起承転結を一冊に収めるんだよ!!!


 という訳で某お嬢の裏話。

 一巻最後のあの人を出す事で、強烈な引きとして作用した。

 私は、この人を最後に配した事で続きが出るなと密かに確信していたという裏話を。

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