2023年SF大会資料 2000年代のネット二次創作について
これは2023年SF大会の『ネット架空戦記の部屋』のレジュメです。
Arcadia
http://www.mai-net.net/
という小説サイトがある。
理想郷と呼ばれていたりもする。
なろうが隆盛を迎えるまでここがweb小説のメインストリームの一角を担っていた。
このweb小説において、皆が書き、読んでいたのが二次創作だった。
二次創作。
ウィキペディアのページを張らせてもらおう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%89%B5%E4%BD%9C
で、この時期強かった二次創作作品を上げていこうと思う。
ありがたい事にその時のジャンルの名残が理想郷のジャンル区分に残っていた。
エヴァ
『新世紀エヴァンゲリオン』 (ガイナックス 1995年)
ナデシコ
『機動戦艦ナデシコ』 (XEBEC 1996年)
赤松健
『魔法先生ネギま!』 (赤松健 講談社コミックス 2003年)
TYPE-MOON
『月姫』 (2000年)
『空の境界』 (2001年)
『Fate/stay night』 (2004年)
Muv-Luv
『マブラブ』(アージュ 2003年)
スクエニ
『ドラゴンクエスト』
『ファイナルファンタジー』
数が多いので対象作品の特定については諦める
サモンナイト
『サモンナイト』 (バンプレスト 2000年)
とらハ
『とらいあんぐるハート』 (ivory 1998年)
『魔法少女リリカルなのは』 (セブン・アークス 2004年)
椎名高志
『GS美神 極楽大作戦!!』 (椎名高志 少年サンデーコミックス 1991年)
ナルト
『NARUTO -ナルト-』 (岸本斉史 ジャンプコミックス 1999年)
ゼロ魔
『ゼロの使い魔』 (ヤマグチノボル MF文庫J 2004年)
HxH
『HUNTER×HUNTER』 (冨樫義博 ジャンプコミックス 1998年)
これらの作品群の後にジャンルとして『オリジナル』『その他』『XXX』『テスト板』『チラシの裏』と来ており、この時期オリジナルはまだ弱かったことが分かる。
なお、ここの『オリジナル』で転生戦国ものを書いていたのが私だったりする。
ここで書いていた作者や読者が移行したのが今は亡き『にじファン』であり、後のなろうに繋がってゆく。
前章でも書いたが、なろう転生もの及びなろう異世界ものはこれらの二次創作作品の作法を源流にして作られていったのである。




