ガラス工房へ
更新しないといつまでもできなさそうで短めだけど更新しました
さて、ガラス工房に向かおう。
もらった地図を見ながら露店が並ぶ通りを歩く。
やはりじろじろ見られるがどんどんと進む。
ヒョイと腰をひねる。ぱんつの腰紐に下げられた袋を掴もうとした手が空振りする。
危ないね。紐パンだからね。引っ張られて両脇の結び目がほどけたら大変なことになるよ。
まあ、お尻側なんて紐しかないからむき出しと大差ないかも知れないけど、あると無いとでは気持ちの上での差は大きいような気がする。
空振りした手を掴んでみる。まだ若い手だ。
掴んだ手を軽く引いて顔を見てみると、14、5歳くらいの赤毛の少年。
「くそ、放せよ!」
「人のものを取ろうとしてその態度はないなあ」
「知るか!たまたま俺の手が近くを通っただけだろ!」
「ははあ、そう言われちゃうと証拠もないですねえ」
「わかったら放せよ!」
「うーん、どうしよっかな~」
「エディ?」
ハスキーな女性?の声がしてそちらを見る。
そこには身長180センチくらいのスリムなシスターがいた。
元の世界と宗教が違うだろうからシスターと呼んでいいのかわからないがそんな雰囲気の女性だ。
年齢は20代前半といったところでかなりの美人。ただし胸はない。
「アンジェラさん」
腕を掴んでいる少年が女性の名を呼ぶ。
「あの、うちの子・・・エディが何かしたのでしょうか?」
2人の関係はわからない。姉弟?いや、アンジェラ『さん』と呼んでいたから違うだろう。
「いえ、道を聞いていただけです。ここなんですけどご存知ですか?」
言いながら渡された地図を見せる。
「ええここならわかりますご案内しますよ」
「いえ、彼に案内してもらいます。いいよね?」
エディ少年に問いかける。腕はまだつかんだままだ。
「あ、あらまあまあエディったらいつの間に?」
「ち、ちげえよっ!お、おいっ!放せよ!」
「案内してくれるぅ~?」
「するよ!するから放せよ!」
「はいは~い」
エディ少年の腕を放してやり地図を見せる。
「ここです。わかりますか?」
「あー、わかる」
「じゃあエディ、ちゃんと案内してあげるんですよ」
「っ、わかったよ。・・・・こっちだ」
アンジェラさんと別れて歩き出すエディ少年についていく。
逃げ出すことをせず、ちゃんと案内してくれるつもりのようだ。
「ところで」
「なんだよ?」
「なんであんな事をしようとしたんですか?アンジェラさんに迷惑がかかるとは思わなかったんですか?」
「・・・・・・・・・・」
「まあいいですけど、ただねえ・・・・・・」
エディ少年の耳に口を近づける。
「革袋を引っ張られると・・・ぱんつ・・・脱げちゃうかもしれないんで勘弁してくださいね」
エディ少年は思わずといった感じで俺の下半身に目をやってから真っ赤になる。
「ばっかじゃねえの!お、お前ばっかじゃねえの?!」
「ふふっ」
「大体なんでそんな恰好してるんだよ!そういうの痴女って言うんじゃねえの?」
ゾクゾクッ
「痴女じゃありませんよっ」
周囲から、え?という気配が伝わってくる。失礼な。
「この服装は呪術的に必要に迫られてしているだけです。エッチな気持ちは少ししかありませんよ」
「少しあるのか・・・・・」
だってそりゃあ・・・・・・ねえ?
「まあ、ほらほら、見てください」
体に魔力を流して刺青のような文様を浮かび上がらせる。
「この全身の文様を一種の魔方陣として各種の術を行使するんですよ」
「術って魔法みたいなものか?!」
「えー、まあ攻撃とかには使えませんが薬作ったりしますよ?」
「薬?お前薬作れるの?!」
「まあ、材料とかも必要ですが作れますよ」
「っ!お前に頼みがある!」
「頼み」
「ああ、妹の病気を診てほしい」
「いいですよ」
「あんなことした俺の頼みなんか・・・・・って、いいのか?!」
「かまいません。ガラス職人の方のケリが付いたら行きましょう」
「ありがとう!ありがとう!」
「そうと決まれば職人の方を早く済ませることにしましょう。」
「そうだな!こっちだ!」
露店の並ぶ通りが終わり始めると今度は職人街といった感じに変わってきた。
工房らしき建物から伸びる煙突から薄くまたは濃く煙が昇り、なかからはカンカンだのカチカチだのザブザブだのという音が聞こえてくる。
エディ少年はそれらの建物の前を通り過ぎ、外れの方に歩いていく。
そして一軒の工房の前で止まる。
「ここだよ」
そこはほかの建物に比べると一回り小さく若干薄汚れた感じだった。
看板が下がっている。ガウスガラス工房。
ガウス・・・・頑固そうな名前だ。
工房の入り口から声をかける。
「こんにちは!どなたかいらっしゃいますか!」
「うるさいのう!でかい声を出さんでもきこえておるわ!!」
工房の奥からひげもじゃの男が出てきた。背は低いがすごい筋肉だ。
これはひょっとして・・・・・
ドワーフってやつか?
途中消えちゃってどうしようかと思った。