さて行こう・・・・どっちへ?
「ふわあぁぁ~」
起きたら周りはもう明るかった。
周囲に川などがあるかは分からないので布を湿らせて顔を拭く。
袋から食料・・・干し肉や硬いパンなどを取り出してガジガジとかじり水で流し込む。
「んー、今日はどっちに進むか決めないとなあ」
文明のある所に行ってみたい。
まあ、俺の服装から考えて中世ヨーロッパ風とかじゃあないんだろうけど・・・・。
これでみんな普通の服装だったら自分だけほぼ裸ってことになるし多分大丈夫だろう。
ただあれだよね・・・オバちゃんとかムキムキおやじとか老婆とかマイクロビキニで出てきたらちょっとインパクトあるよね。・・・・・・・・・・・想像しちゃったよ。おおう
ぶるぶるっと震えてから脇に立っている丸太人間クーネルを見る。
ちゃんと焚き火の番をしてくれていたようで火は消えていない。
指とか無いのに焚き火に木の枝とかを入れるのはどうやっていたんだろう? まあ、いいか
「お疲れ様。またお願いするね」
クーネルに声をかけると足元から土に戻っていく。
片手をあげているのでターミ〇ーターが溶鉱炉に沈んでいくシーンのようだ。
平らになった地面にビーズだけが残るので拾っておく。
あっ!焚き火の上でやらせたら火も消せたな。
しょうがないので土をかぶせて火を消す。
さてどっちへ行くかな?
まずは道を探そう。街道的なやつを
しばらく探すとそれらしい道がすぐに見つかった。
どうやら道のすぐ近くで夜を明かしていたようだ。
「ふーむ」
見た感じちゃんと整備された街道のようだ。つまりそれをするだけの文明があるってことだよね。
轍もあるので馬車とか荷車とかがあって交易のようなものもやっているかもしれない。
うー、やっぱり自分だけ原住民コースかなあ?
まあ、行ってみればわかる・・・・か・・・・・・・うーん
しばらく悩んでいると街道の先の方から荷馬車がこっちに向かって進んでくるのが見えた。
第一人間接近だ。
しかし随分と遠くのものが見えるな。視力いくつだ?
目の周りに文様が光っているのが感じられるので身体強化の類かもしれないが。
しばらく荷馬車を観察することにする。敵意があると思われても困るし。
まあ、賊の見張りとかに思われる可能性もあるけどほかにいい方法も思いつかない。
荷馬車は幌のあるタイプでがっちりした馬が一頭で引いている。一台だけだ。
徐々に近づいてくる荷馬車の御者を見ると・・若い男だ・・・・くっ普通の服だよ!
自分だけ原住民決定かなーこれは
向こうもこちらに気づいたようだ。目を丸くしている。そりゃ裸だしなー
警戒されるかな?
なぜかスピードを上げて近づいてくる。
裸を見たせいだったりして・・・・・ありそうだがちょっと嫌だな
若い男が長旅の後裸の女なんか見たらタガが外れるとかありそう
こっちも少しは警戒しておくべきだろうか?
ゴーレムを作ったビーズはまだ紐に付け直していなかったので足元に放り踏みつけて地面に埋め込んでおく。これで魔力さえ流せば大丈夫。
荷馬車が目の前に停まる。
初コミュニケーションだちょっと緊張するね。
あ、言葉通じるのかな?
「大丈夫ですか!!」
言葉通じた。
ん?
大丈夫って?
「誰に襲われたんですか?!あっ!これを!!」
頭からシーツのようなものをかぶせられる。
襲われたって俺?へ?




