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神様が俺の恋路に茶々入れてくる   作者: ラマ
第0章 小学生編 神は未だ現れず
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7話 帰り道

ジャンルはコメディのままでいいんでしょうか、ただいまジャンルを学園に変更しようか悩んでます

7話 

 

 楽しかった時間ほど早く過ぎるものだ、これは父さんが良く休みの最後の日によく言っていた言葉だ。


「ヒナタ君、葵君今日は本当にありがとう、おかげでこの町の色々なところを見ることがてきた、それにとっても楽しかった」


「はい、俺も楽しかったです」


 俺も本当に楽しかった、この数時間はあっという間過ぎてしまった。 俺と葵がよく行って遊ぶ商店街に行って遊んだり、小学校の裏門の近くにある文房具店を教えたり、葵の家の近くの駄菓子屋では、小春さんは古るい店に来るのが初めてだったらしく感動している様子だった。


「僕も楽しかったです、また三人で遊びましょう、僕らはいつもサッカーしてあそんでいるんですけどもしよかったら今度はサッカーでもしましょうよ」


「本当ですか、わたし今まで観ることはあってもサッカーやったことないんです」

葵は小春さんがそう言うと俺を見て合図を送ってきた


「じゃあ、明日は俺たちと一緒にサッカーしませんか」

こいつすぐに次の約束するきっかけまで作るのかすごいな、こいつに相談したのは正解だったな。


「はい、じゃあまた明日も、よろしくお願いします」

小春さんは笑顔で俺を見てそう言った。


「じゃあ、僕はこっちだからじゃあねまた明日」


葵はそう言う前に俺に背中を叩いて激を送り、僕たちが見えなくなるまでてを振っていた。


「小春さんはここに来るまではどんなところにいたんですか」

 

「はい、シンガポールです、日本に戻って来たらすごく寒くてびっくりしました。シンガポールは雨が日本より多いですけどこんなに寒いことはないですね」


「海外から来たってことは外国語が喋れるんですか」


「はい、少しですけど、英語を話せます」

 

 なんということだ美しいだけでなく英語まで話せるなんてそれってつまり、キコクシジョでサイショクケンビじゃないか。

 俺は小春さんのすごさに驚くとともに、小春さんに憧れる気持ちが強くなった。


「あのヒナタ君、父は今の家が一日でたったと言っているんですが、本当なんですか?」


「ああ、本当だよ、おとといの夜に建てたんだとおもうよ」


 やっぱり普通一日って言われたら疑うよな、俺も自分自身の鈍さを疑ったっけ。


「えっ、本当なんですか!? 父が言うには家の形は前から決めていたらしいんですが建てたのは一昨日だって言うんです、わたし初めは冗談だと思ったんですが、いつもならすぐ冗談だって言うのに言わなかったんです。それで隣のヒナタ君ならわかるかなと思ったんですが、まさか本当だったとは」


「最近ひそかに話題になっている金海建設のワンデイビルドですよ、昨日は建った家の様子を見に来たんでしょ? それで気に入ったから昨日から住んでいるんでしょ?」


「そうです、よくわかりますね。そんなこと一言も言ってないのに様子見の事まで、まるで探偵みたいで格好いいです!」

 小春さんは顔を赤くして興奮した様子でこっちをみている。

 

「いえ、これは簡単な推理ですよ。ただ目の前にある事実を繋ぎ合わせれば自然と見えてくることですよ」

 俺は調子に乗って昨日見たテレビのセリフを言っていた。 

 

「それって、昨日の名探偵コジローのセリフ、あれ面白かったですよね」

 

 こうして帰り道は名探偵コジローの話で盛り上がりながら帰った。

 俺は金海建設の事まで知っていて、教えてくれていた葵に感謝の念を送りながら帰った。




********************************* 


 それからの春休みは遊ぶメンバーに小春さんも加わりサッカーだけでなく小春さんのしたことのなかったネコドンやケイドロをしながら楽しく過ごしていた。


 それと同時に朝の掃除や夕方のランニングを欠かすことなく続けていた、始めてまだ短いが朝では顔見知りの散歩が趣味のおじいさんができ、一緒に掃除をするようになってきた。

 初めは会うたびに頑張ってと言ってお菓子をくれるだけだったが、 『お菓子を貰うために掃除をしているんじゃないんです、大切な人に綺麗な町で過ごしてほしいんです、僕の人を助けたいという気持ちが多くの人に(噂として)伝わってほしいんです』お菓子をもらう度にそう言っていたら 気付けば老人仲間を引き連れ掃除を始めていた。


母さんからは『朝から元気な老人たちが子どもを連れて掃除をしているって話題になっている、ヒナタよく頑張ってるわね』って誉めてくれた。


逆だよ! 俺が老人のおまけ扱いじゃないか! 俺が負けずに葵を引き連れ頑張っては見たが、老人は数と勢いを増していき、そして俺は張り合うのを辞め。老人のお供で妥協した。

 

 掃除の方は話題になっているが、成功だとするには俺の名前も出ておらず微妙な成果だった。

 しかし夕方のランニングの方はまずまずの成果だった。

 自転車がパンクして家に帰れないと泣いている女の子を母さんの友達の自転車屋の轟さんに事情を話してツケで直して貰った。

 女の子からはお礼がしたいので名前知りたいと言っていたので掃除の時と同じく『俺はただ困ってる人を放っておけないんだ、もしお礼してくれるなら、俺の気持ちを(噂として)学校で広めてくれないか』と言っておいた。

 彼女は俺の目を見て何度も頷いてくれたのでかなりの成果が期待できるだろう。轟さんもすごく感心した様子だったので大丈夫だろう。


 また掃除の後は葵といっしょに勉強会をし、二年の復習と三年の予習をするのが習慣となった。母さんが一番喜んでいたのはこれだった。

 葵も勉強しているとお菓子がもらえるので初めは交互にお互いの家で勉強していたが今ではほとんど俺の家になった。葵の家だとピーナッツしか出てこないので俺も文句を言うことはなかった。


 俺の春休みは成果を少しづつ感じながら終わった。



********************************* 


 四月 午前七時

 春休みも終わり、学校が始まる季節となった。しかし俺の生活が変わることはなく。


「それじゃあ母さんいってきます」


「別に始業式何だし早く行かなくてもいいんじゃない?」


「始業式だからこそ、二年の教室を使うのを今日の朝が最後だから掃除したいんだ。そう言う事だからいってきます」


 俺は春休みで変わった俺自身がそう強く感じていた、以前の俺なら例え小春さんの為でもこんなに自分から掃除をすることはなかっただろう。

 しかし、今の俺は掃除をすることによって物が輝きを取り戻すことが楽しくなっていた。きっと小春さんという輝きを知ることによって今まで見えなかった輝きが見えるようになったんだと俺は考えている。

 これに気づいてからは朝の掃除のおじいさんたちをライバルだと思っているけど、おじいさんたちが放つ輝きを見ることが楽しくなっていた。


いつも通る通学路も春休み前に比べて綺麗になっているのを見て笑いながら学校まで走り続けた、これは朝の競うような掃除とランニングのおかげで体力がついて学校まで走り続けられるようになっていた。


俺は正門をくぐり抜け二年の教室がある東校舎の二階に向かった。


「よし、誰もいないな」

 俺は雑巾を濡らし机を拭くことから始めた。学校の掃除までするのはめんどくさいと言っていたのでここの掃除は一人だが、葵にいつもまでも助けてもらい続けるわけにはいかない。俺のやる気は一人になってむしろ増していた。


「ヒナタ、もう来てたのか、早いなホウキなんて持って何してるんだ?」

 俺が机と棚を拭き終えて掃き掃除をしているといつもジャージの先生がスーツを着てやってきた。


「俺は一年間使った教室を使うのが今日が最後だから感謝を込めて綺麗に掃除してるんですよ」

 

「何っ! ヒナタ、君ははなんてやつなんだ! 俺が掃除時間にちゃんと掃除してなかった君に教室に感謝の心を忘れるなそう言ったのを覚えていたのか。クソッ、俺は教師失格だヒナタのことを誤解していた。すまないヒナタ~、グスッ」

 先生はそう言うと俺に抱きついてきた。


「先生は悪くないですよ、俺が変わろうとしたのは春休みのことなんで、その前は先生の思っている通りですよ」

 この赤城先生はで生徒のことを名前で呼び真剣に向き合おうとしている先生だということは授業中よく寝ていて、よく説教されていた俺がよく知っている。だからこそ先生が泣いているのは申し訳なく感じてしまうので思うままを言った。


「ヒナタ、君はこんな俺を慰めてくれるのか、一年一緒にいて君を変えられなかった俺を」

 なんかめんどくさいな、どうにかして話の流れを変えない


「先生、俺掃除の途中なので手伝ってくれませんか」

 

「ああ、任せてくれ、俺も一年間お世話になった教室だ一緒に綺麗にしよう」


 こうして新学期最初の朝は先生に泣きつかれて始まった。


 その後掃除を終えた俺が勉強を始めたのを見てまた同じ展開になってしまったのは見せてしまった俺が悪いのだろうか。



 





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