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神様が俺の恋路に茶々入れてくる   作者: ラマ
第0章 小学生編 神は未だ現れず
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6話 道案内

6話


正午、椿さんが帰ったあと、俺と葵はリビングでテレビを観ていた母さんと今後の事を話をしていた。

 「つまり、明日からは二人で朝から掃除をして、夕方からはランニングするわけね。体力作りの為のランニングは分かるけど、町の掃除までする必要あるの? まず自分の部屋をまず掃除して欲しいんだけど」

 母さんは俺の部屋がある方を指差し言った。


「大丈夫です、今のヒナタは、冬休み前のヒナタではないので、自分の部屋も綺麗に掃除しますし、テストだって三年生になったらずっと九十点以上だってヒナタは言ってます。だから朝早くからの活動を認めてくれませんか? 朝早くから子供だけで危ないって言っていましたけど、僕らが活動するのは近所の普段使ってる通学路ですから大丈夫だと思いますよ、ねえ、ヒナタ?」

 葵が笑顔でこっちに話を振ってきた。


「そ、そうだよ俺は頑張るから、部屋の掃除も勉強も頑張るから。いいだろ?」

 確かに俺は葵に勉強頑張ると言ったかもしれないが、間違いなく漢字しかテストを頑張るって言ってないはずた。なに勝手にハードル上げてるんだよ。だけど小春さんの好感度アップの為には俺の格好いい噂が必要なんだ、ここで葵に文句を言うことは出来ない。


「そっか、頑張るね、勉強に全然やる気を持ってなかったヒナタが、確かに今日も昨日も早起き出来てた。変わるきっかけが何なのか何となく分かってはいるんだけど、別にそんなに掃除に拘らなくても…、分かったわ、これから三年になるまで早起き出来て毎日続けられたら認めてあげる。葵君これからもヒナタをよろしくね」

 母さんは真剣な顔で俺たちを見つめ、そう言うと頷いた俺たちを見て微笑んだ。


「じゃあ、そろそろ小春さんのところに行って来る! いこうぜ、葵」

 俺は母さんからの承諾が得られたので葵の手を引きながら玄関へと向かう。


「おばさん、ヒナタのことは任せてください、後昼ご飯おいしかったですありがとうございました」

 葵はそう言いながら手を引かれていないほうの手で母さんに手を振っていた。 


 小春さんの家の前に来た俺の家の隣なのですぐに着いた。

「改めて近くで見たけどすごいな」

 小春さんの家はサイズは奥行き初めてわからないけど表は俺の家の二つ分で、そのデザインは全体が赤いレンガで覆われた小さなお城のようであった。


 あれ、例えこの家の方向に学校や友達の家がなかったとしてもこんな立派な家を今まで建設されてるのに今まで気付かないのはあり得ないんじゃないですか、俺は自分の鈍さに恥ずかしくなってきた。


「確かにこれはすごいね。確かおとといまで普通の家だったのにこんなに早く建設されてるなんて、これは最近ひそかに話題の金海建設のワンデイビルドかな」

 葵も驚きながらこの家を見ている

 

「えっ、じゃあ昨日越して来たのにおとといまで家が無かったのか? そんな俺は工事しているの全然気付かなかったぞ」


「多分おとといの夜に始めてその日中に建設か終わったんだよ、それで昨日見学に来て気に入ったから住んでいる、もし気に入らなければ昨日の夜も工事していんだろうね。一日工事、もし気に入らなければ何度でもやり直しますって宣伝文句だけど一回で満足させたらやり直しはしなくていいからね」 

 すげえ、そんな技術があったなんてマンガみたいだな。それと前から思ってたけど葵は物知りだよな、俺たちが普通知らないような事まで知っててすごい、今回のことでも助けてくれたし、実はこの家より葵の方がすごいのかもしれないな。


ガチャ 小春さんの家扉が開く、そこからは小春さんが出てきた。

 「こんにちは、二階からヒナタ君が見えたので出てきちゃいました。迎えに来てくれたんですか、わざわざありがとうございます」

 今日の小春さんも輝いている、間違いなくこれが美しい人が放つ輝きその輝きは周りの人を魅了してしまう、恐ろしい力。俺も魅了されてしまった一人だ。これがゴコウ(後光)というものなのか。


 「いえ、俺がわくわくして待ちきれなかっただけなんで気にしないでください」

 あれ、俺普通に緊張せず話せるぞ、椿さんの催眠術は成功してたんだ。


「本当ですか、嬉しいです。隣の方はお友達ですか」

 小春さんが葵の事を訊いてきた時、俺はとんでもないミスをしてしまった事に気がついていた。


「はじめまして、猫川葵といいます、葵って呼んでください。ヒナタがこっちにはまだ友達が少ないだろうから友達を紹介したいって連れてこられました」

 あれ、平然としているぞ、どういうことだ、小春さんの輝きに魅了されていないのか?


「そうなんですか、わざわざごめんなさいね葵君。わたしのかとも小春さんと呼んでください」


「いえ、僕は新しい友達が出来て嬉しいんです、だから謝るぐらいならヒナタに礼を言ってください」

 本当にいつも道理の顔をしている、葵は本当にすごいな魅了されてもなお平然としていられるんだから。


「ヒナタ君、私はこっちに来たばかりでヒナタ君という優しい友達が出来たけど、これから上手に他の友達作れるか不安だったんです、そうしたら友達を紹介してくれるなんて、ヒナタ君は本当に困った人を放っておかずに助けたくれる優しいひとなんですね、ありがとうございます」


 葵の事を考えてたら、小春さんにお礼を言われた。しまった、小春さんが折角お礼を言ってくれたのにショックだ。

「いえ、俺はただ大切な友達の為にできることをしただけですから、もし良ければ早速道案内に行きましょう」

 俺の心がショックを受けていても俺は平然と喋っているすごいなワカクテシ流催眠術。


「大切な友達じゃなくて好きな人って言えばよかったのにね」

 葵は感動している俺に対し小春さんに聞こえない程度の声でぼそっと呟いた。お


「それじゃあコートを取って来るので少し待っててください」

 俺が内心動揺していたが小春さんに聞かれることはなく小春さんは家の中へと入っていった。


「おい、最後のはなんだよ聞かれたらどうするんだ?」

 俺が焦った顔でそう言った。


「大丈夫だったじゃないかな、それに聞かれたら好きだって言えば良かったんだよ、緊張してないんでしょ?」


「そうだけど、って葵はなんで緊張してないんだ? あの小春さんの輝きを前にして」

 俺はとんでもないミスだと思っていたことを訊く。


「輝き? 確かにかわいいとは思ったけど別に僕の好みじゃなかったんだ、僕が好きになるかもしれないって心配してたの?」


 葵は何でもないことのようにそう言った、俺は小春さんに魅了されない葵に驚くと同時に好きにならないでくれた事に感謝した。

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