16話 ライバル登場!?
16話
俺たちは掛け軸の裏の扉を潜り抜けそして、精神的に長い道のりを越えついに会場にたどり着いた。
会場は広く教室四つ分ぐらい広く、人も百人以上いるだろう。
そこでは既に宴は開始されているようで子どもたちは笑いながらご馳走を食べていて。大人も楽しげにお喋りしている。
「すげーな、宴はバイキングがあるのかよ」
「バイキング? 立食パーティーじゃないか!?
ヒナタはさっきまで和室だったのにここが天井にシャンデリアがある大きなパーティールームになってることはなにも思わないの?」
立食パーティー?バイキングでいいだろ。
「じゃあ、俺は二人分の今日のプログラムが書いてあるパンフレットとビンゴカード取ってくるから。二人は好きに楽しんでて」
「あっ、待って僕らお土産持って来たんだ、人数分ないけどね」
葵がそう言うと葵は徳用ピーナッツを俺はクッキー缶を渡した。
「サンキューピーナッツじゃん!
今度俺んちで俺たちだけで食おうぜ」
そう言うとタカトはスキップしながら人混みの中に消えていった。
「よし、じゃあ僕らも何か食べに行こうか」
俺たちはテーブルにあるお皿を取って近くの長テーブルに向かった。
「すごいな、まさかこんな豪華な宴だとは思わなかったな」
「ビックリだね、もっと着るものを考えて来れば良かったね」
俺たちは知らない子どもや大人を避けながら俺たちも料理に舌鼓を打っていた。
「葵、それぐらいでいいのか。もっと食わないのか。
もうこんな料理当分食えないぞ」
「あのー、すいません。フルカワヒナタ君ですか? 友達が貴方に会いたがっているんです。 一緒に来てもらえますか」
俺が料理に夢中になっていると葵にショートカットの女子が気だるそうに話しかけてきた。
「おい、ヒナタは俺だぞ」
「やっぱりそうでしたか。あっしはそう思ったんですよ。
それで来てくれますか?」
「どうしようか、葵どう思う?」
そもそもこいつは誰なんだ、何で俺の名前を知っているんだ。
「まあ、行ってくればいいんじゃない、彼女がもしかしたらタカトの言ってた子分なのかもね」
「じゃあ、行くわ」
「そうですか、それじゃあ、行きましょう」
こいつは俺の手を引いてすごいで速さ到着するまで引きずりだした。
「連れて来ましたよ、カト様」
くっそ、おもいっきり引きずりやがって、止めろっても聞かねえし何なんだよムカつくな。
俺の目の前に俺を睨み付けるでかいリボンを頭に付けた金髪ポニーテールがいた。
こいつは服も当然高そうなドレスだったが、タカトとは違い雰囲気が明らかに本物の金持ちのお嬢様だった。
ここに来るまでに見た子どもたちとは全く放つ気品が違っている。
「こっちはアホッぽい方じゃない、あたしはクールで知的な方って言ったわよ」
おい、なんだこいつは。テストでいつも葵には負けるがそれでも勉強は頑張ってんだぞ。
「でも、タカト様の話ではどう考えてもこっちのアホッぽい方ですよ。
そもそも、どうしてあの話を聞いて知性派になるんですか?
それに本人が自分がフルカワヒナタだと言っていますよ」
「おい!、誰がアホだよ」
「ほら、この知性と品格のなさ、こんな一般ピーポーがタカトさんの師匠だなんて認められないわ」
「はあ、師匠? 何言ってんだお前ら、そもそもお前らは誰なんだ?」
「あっしは加賀美朱鷺、トッキーって呼んでね
カト様も自己紹介しとかないと話がうまく進みませんよ」
地味なドレスのショートカットのトッキーは全然俺に対して敵意が無かったからあんなにやる気無さげなのか。
「あたしは烏丸カトリーヌ、フランス人のエレガント忍者を父に五人衆の一人の娘でインターナショナル忍者を母に持つブリリアント忍者のカトリーヌよ。 そして、タカトさんの子分よ!」
タカトの子分 烏丸カトリーヌ。こいつだったのかタカトが紹介したかった子分は。……忍者界では子分制度が流行ってんのか。
エレガント、インターナショナル、ブリリアント忍者って何?
そもそもフランスに忍者はいるのか?
「それで、話はなんなんだよ?」
「タカトさんの師匠に相応しいかあたしが見定めるということよ」
「簡単に言うと、タカト様が『ヒナタ君すげえ、俺にとって師匠みたいなやつだ、弟子は断られたけど友達としてあの生きざまを学ぶぜ』とよく言っています。
それでタカト様に憧れて子分になったカト様的にはそれはもう嫉妬爆発で羨ましいんです。もっと自分の事を見てほしい、褒めてほしいのに自分が知らないやつを尊敬しているのが悔しいんですよ。
きっともう一人の賢そうな方ならまだ納得出来たんですよ。
でもそれがアホッぽい君でしょ、耐えられないんでしょうね」
こいつただの自分の友達が他のやつと遊んでて寂しくなったのか。
「違います、そんな下らない事なんかの為じゃありません!
あたしはあなたを試す為に呼んだんです。
さあ、このあたしにあなたの力を見せてみなさい」
「だからカト様ヒナタ君はただの一般ピーポーって自分で言ってたじゃないですか。
どうやって試すんですか」
「そ、それは……」
「だったらタカトを呼べばいいんじゃないかな」
美冬先輩がそう言うと俺は声がした方を向いたら、そこには葵が美冬先輩と共にいた。
「どうして二人が」
「いやー、葵君はヒナタ君と一緒に来ているはずなのにヒナタ君が周りにいないから不思議に思って話しかけたんだよね」
「うん、一人で食べてたら美冬さんが話しかけられて来てヒナタが誰かに呼ばれて行ったって言うと探しに行こうって言われてここまで来たんだ」
二人は打ち解けているようだった、俺の時みたいにからかわなかったのかな。
「み、美冬さんは彼と知り合いなんですか?」
「うん、知ってるよ。僕たちは同士なんだ、だからひとまず今日のところは僕に免じて見逃してくれよ」
「は、はい、わかりました。トキさん撤退です。
フルカワヒナタ覚えてなさい、次、会うときこそあなたを見定めてやりますから。 それまでせいぜい自分磨きでもすることね」
「了解です、失礼しました皆さん、グッバイまた会いましょう」
カトリーヌは俺と先輩が(恋の)同士と聞きとても驚いているようだった、俺を指さしながら焦ったように去っていった。
それに比べトッキーは全然ビビる事も無く手を振りながら去っていった。