続き
すいません!
投稿遅れました!
文化祭とか今忙しいんや!
学生も大変なんや!
「オイ!なんでオレを連れて行かなかったんだ!」
「え、面倒だったし」
「ふざけんな!武闘大会も不完全燃焼だったし、最近体を動かせてないんだ!」
シュウは帝国に連れて行ってくれなかった事に文句を言いにカナの家まで押しかけてきていた。
寂しかったのか、はたまた本当に戦いたかっただけか。
それに加え現在、家にはリクレイフィアに謝罪と和平を結ぶという建前で来ているエルがいる。
護衛をほっぽり出して王都から外れたこんなところまで来ている。
今頃リクレイフィアは大騒ぎだろう。
この家にエルの部下が来ない事を祈るのみである。
「なあ、ロキア、その男は誰だ?」
「ん、こいつはシュウ。戦闘狂だ」
「その女はあれか?ロキアの愛人か?」
「正妻だ」
「ちげーよ!?どっちでもないよ!?」
やめろよ!後ろからカナとか、リオの冷たい視線が刺さるだろ!
「わかってるよ、今リクレイフィアに来ているシクラの皇帝様だろ?あの武闘大会を邪魔しに来た皇帝の妹らしいな?一戦やるか?」
「ふむ、私は構わないぞ」
「やるなら外でお願いね」
カナも止める気はないようだ。
エルの実力を見てみたいな。
「よし、表に出ろ」
「いいだろう、軽く揉んでやろう」
いつものカナの家の前広場。
シュウとエルが対峙している。
「どこからでもいいぞ」
「ふん!女だからって手加減しねぇぞ」
「当然だ」
シュウは即座に二本の刀を抜く。
いつものように突貫するかと思いきやバックステップで距離を取る。
シュウは魔法が使えないから遠距離戦はできないんじゃ?
「オラァ!」
二本の刀を遠距離から、同時に振り下ろす。
振り下ろされる二刀からは斬撃が飛ぶ。
地龍戦で使った技だ。
しかし、シュウもあれからなにもしてないわけではないらしく、鋭さが増している。
「おお!中々いい技じゃないか」
エルも剣を抜き飛んでくる斬撃に向かい構える。
スウッ。
流れるような銀の閃光が斬撃に迸る。
すると、シュウの斬撃は突然霧散する。
「はぁ!?なんだそれ!?」
「ん?普通だろ?」
絶対普通じゃない。
銀の閃光が見えただけで、エルの腕が動いたところも全く見えなかった。
「すごいわね。エルって本当に人間?」
「私でも反応しきれるかどうか。流石ですねエルさん」
「見えないー!すごいねエルお姉ちゃん」
あれ、なんかルシアがいる。
勝手に帝国に行ったのがバレて仕事をすごいたくさん渡されたって聞いたけど、大丈夫なのだろうか?
俺たちが無理やり連れて行った感が否めない。
「騎士団の方が仕事が終わり暇だったので来てしまいました。面白いことをやってますね」
「なんなら、武闘大会の続きをここでやる?エルも飛び入り参加って言うことで」
「おお、兄上が邪魔したらしいからな。やるか!」
おお、シュウがいつの間にか地面に転がっている。
シュウもなにが起こったのか分からないようだ。
少し目を逸らした間に終わっていた。
ルシアに聞いた話ではエルの二つ名が『銀閃の戦乙女』とか言うらしい。
カッコいい!
ちなみにルシアは『女神の聖騎士』。
かなり忠実にルシアに合わせて考えられたことがわかる。
この二人は話に聞いただけで俺は実力を見たわけではない。
こんな厨二臭い二つ名なんてつけられているのだから当然強いのだろう。
俺の戦い方の参考になるのなら盗んでみよう。
一回戦 ロキアVSシュウ
二回戦 カナVSリオ
三回戦 エルVSルシア
こんな感じにくじで決まってしまった。
俺、戦うなんて言ってないのに。
エルが部下に発見されてしまう可能性も考え、今日中に終わらせたいという話なので、既に俺とシュウは対峙している。
「いつかの続きだな」
「あの時はオレの勝ちだったか?」
「馬鹿言え、俺の勝ちだよ」
今更シュウのステータスを見るなんて、せこいことはしない。
真っ向勝負と行こうじゃないか。
俺は大鎌、シュウは二刀流。
シュウは先ほどエルにボコボコにされたので余計にウズウズしている。
俺を憂さ晴らしに使うなよ!?
《限界突破》《付与》《五感強化》。
現在持ちうる俺の最高戦力をここで使ってやる。
どうせ、次には、カナ、エル、ルシア、リオの誰か二人が待ち構えているのだ。
そもそも勝てる勝負ではない。
だが、一回戦負けというのもダサい気がする。
そして俺に勝ったやつが二回戦で負けるとかなると、俺が一番弱いみたいでやだ。
最初に会った時の決着も何度か再戦しようとしたがそれも中断。
ここらで、一度区切りをつけるいい機会だろう。
地龍との戦いで互いの手の内は完全に晒している。
ならば、先手必勝!
接近し鎌を振り下ろす。
シュウは片方で鎌を受け止め、もう片方で横薙ぎ。
それを体を捻ることで強引に回避。
捻った勢いからそのまま回転斬り。
だが、それも反応されバックステップで回避される。
だがそれでも、シュウの頰に傷をつける事が出来た。
「ふん、避けきれなかったか。まあいい、今度はこっちから行くぜ!」
俺の首を挟み切るかのように両側から首をハサミのように斬りにくる。
それをしゃがむ事で回避。
しかし、しゃがんだ先にはシュウの足。
俺の顎をめがけて蹴りを放つ。
それをしゃがんだまま、スウェーで回避。
顎に微妙に掠ったが脳は大して揺れていない。
スウェーの勢いのままサマーソルトキック。
シュウの腕に防がれそれも当たらない。
「ちっ、上手く避けやがって。男なら受けろ」
「嫌だよ。痛いだろ」
「痛む間も無く意識を落としてやるよ」
「それも嫌だ」
譲歩のつもりなのだろうか?
全然なってないぞ。
「文句の多い野郎だぜ」
「注文の多い野郎だな」
互いにニヤリと笑い、表情を確認し合うと即座に戦闘を再開。
今度は躱すのではなく受ける。
二刀の連撃を捌き、スキがあれば一撃を狙う。
だが、互いに致命傷になるような攻撃は入らず、かすり傷が増えていく一方だ。
一旦距離を取り、霊力で槍を作り出し投擲。シュウの能力は魔法無効化。
それは霊力にも効果がある。
シュウの魔法無効化は任意で、発動する。
無効化するにはその魔法に対し意識を向けなければいけない。
ならば、シュウが取るに足らないと認識するような魔法を放てばいい。
わざとシュウに当たらないコースで投擲。
それをカモフラージュするように、大量の槍をシュウに投擲。
ここは威力がなくてもいい。
一瞬スキを作ることが出来るかどうか。
「《闇爆発》」
大量に投擲した槍をシュウに届くかどうかの所で爆発。
一瞬、シュウは困惑したような様子を見せたがすぐに無効化。
しかし、爆発したことで視界はとても悪い。
ここで大剣を作り出し、最大まで《付与》で強化を施す。
槍投げの要領でこれも投擲。
「《闇爆発》」
このタイミングで、わざと逸らしたやりを爆発させる。
「ガアッ!」
おそらく、注意を向けていなかったのだろう。
意識の外にある位置が爆発。
これは避けられないし、無効化も出来ないだろう。
そして止めのーー
「ガフッ」
大剣。
爆発が収まると、わき腹に大剣が刺さったシュウの姿があった。
「決まりですね、勝者ロキアさん」
いつの間にか審判のようなことをしていたルシアから俺の勝利という宣言が入る。
「俺の方が強かったな」
そう言いながらシュウに近づき手を差し伸べる。
「フン、今だけだ。すぐに追い抜く」
そう言いながらも俺の手を握る。
長い間決着がつかなかった勝負にピリオドが打たれた。
感想評価を求めます。




