表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら幽霊だったのだが  作者: 白乃兎
五章 帝国編
50/82

第二皇女

五十話到達ー!

いやー、書き始めてから三ヶ月でここまで行くとは思わなかった!

読者の皆様これからもよろしくお願いします。

「ルシア!俺が川の流れを抑える!ルシアは人命救助を!」

「わかりました!」


 久々に《念力ポルターガイスト》を使い川の流れを一時的に止める。


 その間にルシアが半壊した馬車に乗り込み人を救助。

 しかし、この馬車には馬もその馬を操る人も存在していない。

 つまりは手遅れ、川に流されたと見るべきだ。


「ロキアさん!救助しました。ありがとうございます」


 ルシアの報告により俺は念力を使うのを止める。

 すると川はまた流れ出す。

 俺が流れ止めていたせいで流れが荒くなっているがそれもじきに元に戻るだろう。


 ルシアが救助していた人数は一人。

 馬車で一人など普通ならばありえない。

 やはり数人流されたようだ。


「どうだ?ルシア、救助した人の容体は?」

「意識がなく体が冷えていますが、命に別状はありません」

「お兄ちゃん。この女の人の匂いなんか覚えがあるんだけど」


 リオが覚えのある匂い?

 俺とリオが一緒にいた時間はそう長くない。

 その間で関わった?


 いま気絶している少女の見た目は銀髪ロングのストレート。

 キリッとした顔立ち。

 服装は甲冑こそないものの戦乙女のような服装である。


 確かにどこかで見た覚えがーー


「「ああ〜〜〜!!!」」


 俺とリオが同時に叫んだ。

 ルシアは俺たちがいきなり大声を出したことでビクッとした。


「な、なんですか!?」


 この少女、氷神滅狼アイスフェンリルの時の犯人が変装に使ったすがたをしている。

 匂いが同じということはこれが本物?

 あの犯人は実在する人物を変装に使ったのか。


「いや、大したことじゃないんだ」

「この人はいい人かな?」


 確かに、俺らが帝国を潰そうとしていると知ったら敵対してきたら結構面倒な話になりそうだ。


「どうしましょう?このままこの人が長時間目を覚まさなければ帝国の到着が遅れてしまいますが」

「最悪帝国には今日中に到着できればいいし、その心配はなさそうだぞ」


 少女は「うう」と起きる時には定番の唸り声を出しながらゆっくりとまぶたを上げる。


「大丈夫?ここがどこだかわかる?」


 少女は、ハッとして周りをキョロキョロと見回す。


「あっ、馬車は…ダメだなあの状況じゃ私が助かったのも奇跡か。あなた方が助けてくれたのだろうか?ありがとう礼を言う」


 とりあえずは礼儀正しく常識人のようだ。


「いいえ、人助けは当たり前のことですよ。私だけでは助けられたかも微妙ですし」

「それでも助けてもらったのは事実だ。礼はする」


 うん、偽物と違っていい人だ。

 しかも美人だし、偽物の時はよく見なかったが巨乳だし。

 いい人だ!


「ところで聞きたいんだけど、君は何者なんだ?」

「ああ、すまない、私はエルシア・デ・アリケイモスだ。エルと呼んでくれ」


 ん?なんか聞いたことがあるような名前。


「ああ、よろしくなエル」

「よろしくね!」

「ちょ、え、エルシア様!?」


 ん?様?そんな偉い人なの?


「お、お二人とも無礼ですよ!この方は帝国の第二皇女様です!」


 ダイニコウジョ?……第二皇女。


「よろしくな!エル」

「よろしくね!」

「ああ、よろしく」

「何でそうなるんですか!死にますよ!?不敬罪で私たち三人とも死にますよ!?」


 そんなにまずいことなの?

 エルがそう呼べって言うんだからいいじゃん。


「………こうなってしまっては、不敬罪で死ぬ前に口止めを」


 そう言って腰の剣を抜こうとするルシア。


「「いや、お前の方が無礼だよ!」」


 エルと息が合った。


「ハッ、すいませんすいません、どうかお許しを」


 必死にペコペコと頭を下げるルシア。

 対するエルはやれやれと言った感じ。


「別に怒ってなどいない。許すもなにもないさ」


 中々に親しみやすい皇女様のようだ。


「俺はロキア、よろしくな」

「リオはリオだよっ!よろしくね!本物のお姫様だ〜。いいな、リオもお姫様なりたいなぁ」

「よろしく、二人ともお姫様も大変なんだぞ?でもリオなら可愛いから私よりもお姫様とか似合いそうだな」


 しかも話しやすい!

 帝国の王族といえば全員腹黒だと思ってた!


 ……というかエルは可愛いとかじゃなくて美人の部類だろうに。比べるところが違うよな」

「なっ、な、な、私が美人などと、お世辞は要らないぞ」


 げ、声に出てた?どこの鈍感系主人公だよ!

 鈍感系主人公は個人的に嫌いだからならないようにしてたのに!

 しかも、内容がさらにアレだし!


「お世辞じゃないよ。なあリオ」

「うん、エルお姉ちゃんは綺麗だよっ」

「そうですよ、エルさんは綺麗とか美人の部類なので比べる必要はーって、だから違うんです!」


 何が違うのだろうか?


「失礼いたしました、私はリクレイフィアの聖騎士ルシア・カラレスでございます。先ほどから無礼ばかりで申し訳ありません」

「だからそういうのは私はあまり好きじゃないんだ。帝国の中でもないし普通にしてくれ」

「で、でも」


 未だに渋るルシア。

 意外に強情な奴だな。


「で、エルはどうしてあんなことになってたんだ?」

「ん?ああ、兄上に嵌められてな。私を殺そうと私が眠っている間にこの川にドボンだ」


 えー、なにその王族同士の争い。

 王位継承権を取り合ってるの?

 というか、皇帝はリーデなんちゃらが既になってるし。


「現在の皇帝は、前皇帝が死んだので急遽現段階の第一王位継承者の兄が代理を務めているだけであってまだ確定ではないんだ」

「エルはその兄上と敵対しているのか?」


 いまの俺たちにとって最も大切なこと。

 これ次第でエルとの関係が左右される。


「ああ、兄上、リーデヴィッヒは私が必ず殺す」

「その言葉信じていいのか?」


 赤の他人である俺たちにこんな嘘を吐く理由はないのだが、カナが捕まりその救援に来たと皇帝が予測していたならここで潰そうとも考えているかもしれない。


「嘘をつく理由はないだろう?あ、この話は他言無用で頼む」


 確かに、でも、赤の他人にこんな事を話すのも疑う要因にはなる。

 どうするべきだろうか?

 利用するだけ利用して、いつでも切り捨てられるよう準備しておくか?


「私は戦士タイプなのでな、難しいことはわからんのだ。その辺のことは宰相やら丞相にでも任せるさ」


 む、確かにエルはそこまで頭が回るタイプではなさそうだ。

 あのリオの時の犯人がエルの姿をしていたのはエルに罪を押し付けるつもりだったのではないだろうか?

 それなら納得もいく。

 一応信頼は出来るが一応注意しておくことにしよう。


「俺たちも皇帝を倒しに、行くのか?まあ、そんな感じの理由で帝国に向かっているんだ」

「ちょ、ロキアさん!何言っちゃってるんですか!」

「本当か!兄上はカリスマが高くて今私には味方がいなかったんだ。一緒に戦ってはくれないだろうか?」


 やばい、本当にこの人が味方だったとしても、不用心すぎる。

 俺らが嘘ついてたらどうするんだ。


「よし、とりあえずは打倒皇帝だな」

「正確には皇帝じゃないってば」


 細かいことは気にしない。


「まずは人を探したいんだ。俺たちの仲間で実力も世界最強レベル。合流してから作戦を考えよう」

「そうだな。だが、いまの私には武装がないのだ。それも揃えなければいけない。迷惑をかけるな」


 じゃあ、とりあえずは変装だろうか?

 武装を持っていなくて敵地に乗り込むのは得策ではない。

 俺たち三人もすでに大会で皇帝に顔が割れているのも痛い。

 変装は必須かもしれない。


「ルシア、この近くに町はないか?俺たち全員皇帝に顔が知られているからその町で変装しよう。エルの武装もそこで揃えればいいだろう」


 エルは指示を出す俺に、ほおと感心したような様子を見せる。


「なあ、ロキア。王位を私が継いだら私の右腕にならんか?お前なら大歓迎だ」


 それは少し困る。

 俺のこの指示は誰にでも考えられることだし、俺よりも軍師向きなのはいくらでもいるだろう。

 なにより、結局はカナとの時間も減ってしまうだろう。


「遠慮しておくよ。で、ルシアどうだ?」

「はあ、もういいですよ。突っ込みませんよ。ここから少しいったところに小さな町があります。そこに行きましょう」

「了解。エル、走れるか?」

「少なくとも遅れはとらないはずだ」


 本当だろうか?

 一応皇女だぞ?戦士タイプとはいえ俺たちに追いつくことができるのか?


「じゃあまた私が先導しますね」

「よろしく」


 リオもまた走る気だ。

 追いつけるけど疲れるんだよな。


「よーい、ドン」


 再び勢いよく走り出す。

 今度は最初から先ほどの様なスピードを叩き出す。

 俺も先ほどとは違い、遅れをとらない。


「さて、エルはー」

「私がどうかしたか?」


 はい、しっかりついて来てました。

 涼しい顔でついてきてます。

 分かってたよ?俺の周りに集まる女はみんなハイスペックなんだよ。

 男の俺が立つ瀬ないよ。

 しかも皇女もこれだからな。


 一回でいいから、ヒロインを背中に守って敵と戦いたい。

 俺の周りに守られるほど弱い女の人いないけど。


この物語のヒロインは大概チート。

それがこの物語のコンセプトw

感想評価待ってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ