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転生したら幽霊だったのだが  作者: 白乃兎
四章 武闘大会編
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騎士の受難【ルシア・カラレス】

夏休みの宿題が終わらないよおおおお。

多すぎるよおおおお。

というわけなので更新が遅れると思います。

 私は王都リクレイフィアを守る騎士、ルシア・カラレスです。

 私は元はファミリーネームも無い一般市民だったのですが、剣の腕や心意気を認められ、聖騎士と言う騎士団内でも高い位につく事が出来ました。


 最近では暴力事件の犯人を二件も見逃してしまいましたが、もうそんな事はしません。

 何が何でも解決してあげます。


 むしろ、解決しないと戦争が勃発しかねません。

 シクラ帝国という、この王都と同じカーラル大陸に存在する国の一つで、その国の皇帝陛下がこの王都リクレイフィアにいらっしゃるとの事なのです。


 そんな皇帝陛下が事件に巻き込まれようものならそれを止められなかった騎士の責任者、つまりは私は打ち首になってしまいます。


 私は聖騎士とは言えまだ十七歳、仕事に打ち込んでいたので色恋沙汰にも目もくれず働いていました。

 死ぬ前に恋くらいはしてみたいのです。


 私の外見は金髪ショートで、顔は悪くはないでしょう。

 体はスリムだし、胸は大きくはありませんが形には自信があります。

 十七歳にしては大人びていますし、子供っぽいって事もないでしょう。

 ただ、少しドジな所がなくもありませんがそこは可愛げがあるとかで問題ないはずです。

 男に守らせたくなるというやつでしょう。


 でも、私の周りには、なぜか男が近付いてこないのです。

 少し前に男性を助ける事があって話しかけた際には、「ルシア様はファンの共有財産なのでっ!」と言って手を差し伸べたのを断られてしまいました。

 共有財産ってなんでしょう?


 ああ、話が脱線してしまいましたね。

 私は、王都の聖騎士代表として皇帝陛下の護衛隊長に選ばれたのです。

 それはとても光栄な事で当然お受けしたのです。

 でも皇帝陛下はとても厳しく、気まぐれで女好きと言う噂があるのです。


 ここだけ聞けば見てくれはデブで脂ぎった豚野郎と想像がつくのですが皇帝陛下はイケメンなのです。


 女としては近づいておきたいのですが、誰彼構わず手を出すというのはいただけません。

 それならば、私は一途な人の方が好みです。

 理想の男性は多少情けなくても、する所はしっかりと決めてくれるような男性が好みでーー

 おっと、また話が脱線してしまいましたね。


 つまりは、皇帝陛下の護衛隊長に選ばれたので頑張らなければという事なのですが、最近森の方でとても大きな地龍アースドラゴンの死体が発見されたのです。


 その死体は背中の甲羅から心臓を貫かれ死んでいたとの事ですし、体もボロボロだったの事です。

 地龍は体が大きいほど強いと聞きますし、検査官の人たちも見た事のない大きさだとおっしゃっていました。

 その地龍の死体は何か強力な魔法を行使したあとのようなクレーターができていたようです。


 この国の冒険者ギルドに所属している冒険者にもそんなに強い人がいるとは聞きません。

 なのにも関わらず、倒した人が王都周辺にいる。

 これは、危険です。

 私の今後の運命が決まってしまいそうです。


 もし、その地龍を倒した人が皇帝陛下に牙を向こうものなら私の立場が危ういのです。


 万が一皇帝陛下に傷が付こうものなら、リクレイフィアに戦争を仕掛けて来るかもしれないのです。

 それだけは避けなければ行けません。

 私も実力にはそれなりの自身はありますが、地龍を倒せるかと聞かれると微妙な所です。


 リクレイフィアは最近も小規模な戦争をどこかの国としていたらしいのです。

 リクレイフィアは今戦争を仕掛けられれば即敗北と言った状況なのです。


 しかし、戦争と言うからには騎士団、中でも聖騎士の私は間違いなく駆り出されるでしょう。

 つまり、私は死に向かって一直線なのです。

 バッドエンドだけは避けなくてはいけません。

 バッドエンドの物語は面白いのですが、自分がその主人公だと言うのならば話は別です。

 女の子は悲劇なヒロインよりも、喜劇のヒロインになりたいものなのです。


 おっと、こんな事を考えている暇ではありませんね。

 こんな事を考えている暇があれば、少しでも私が生き残れるように、王都の治安を良くしていかなければいけないのです。


「よし、今日も頑張っていきますよー!」


 ・・・騎士団の事務所的な所でいきなり叫んだので周りから変な目で見られてしまいました。

 ま、いつもの事なので問題ないでしょう。






 ♢




 さて、今日は特に住民のみなさんからの通報などはないので、見回りをするくらいにしておきますかね。

 別に王都は治安が悪いわけではないのです。

 特別良い訳でもありませんが。


「さて、どの辺を見て回りましょうか。最近暴力事件が二件も発生した慰霊碑辺りを見て回るのが良いでしょうか?」


 とりあえず、慰霊碑を目指しながらも他の場所も見回りに行きましょうかね。


 適当に歩いていますが特に何か危なげな雰囲気が町に流れているわけでもないようです。

 やはり平和が一番ですね。


 冒険者ギルドがここから見えますが、ギルドも中々に活気が見られるようになったじゃないですか。

 前は戦争の後処理の一部を押し付けられて、脳筋が多いと言われてる冒険者ギルドには荷が重かったでしょうか?


 でも、騎士団も押し付けられたんですよ?

 一時期はみんなデスクワークしかしていませんでした。


 試しに、ギルドの人から地龍を倒せるような人がいないか聞いてみるのもいいかもしれません。



「すいません、今お時間を頂いてもよろしいでしょうか?」


 受付嬢に話を聞いてみるとしましょう。


「え?あっ、騎士団の方ですか?内の冒険者たちが何か粗相をしてしまったのでしょうか?」

「いえいえ、ここのギルドは特に大きな問題を起こすわけでもないので安心してますよ。私が聞きたいのはですね、このギルドに竜種を倒せるような冒険者がいるかどうかを知りたいのです」


 このギルドは噂で聞くような他の国のギルドとは違いかなり治安のいい方だ。

 それでもたまに揉め事が起こるのは仕方のない事だろう。


「竜を倒せるですか?」

「はい、このギルドにそのような実力者はいらっしゃるでしょうか?」


 受付嬢さんは悩んでいる様子です。

 やはり、いらっしゃらないのでしょうか?


「あ、最近の事ですが、ロキアさんとカナさんと言う二人組がギルドに新たに登録したのですが、その方たちなら倒せるかもしれません。前にランクの高い討伐系の仕事を探していたので」


 ふむ、新入りですか。

 それがいきなり高ランクの討伐系を所望しているとなると余程の馬鹿か、実力者か。


「二人ともかなりお強くて、ギルドの問題児を瞬殺したんですよロキアさんの方は結構苦労しているようですね、でもお強くてかっこいいです。カナさんは超絶美人で結構天然、自由な性格のようです」


 なんですかその漫画のような設定の二人は!

 なんですか、迷宮とか行ってイチャイチャしてるんですか!?

 これだからリア充はダメなんですよ。

 仕事とプライベートのケジメをしっかりとつけないからーー


「えっと、カップルとかなんですか?」


 うぎゃーーー!私は何を聞いてるんですか!?

 自然に口が動いちゃいましたよ!?


「いや、カップルとかではないようですね」


 おお!それなら、そのロキアと言う人に会ってみたいですね。

 意外に私の好みかもしれません。


「情報提供ありがとうございました。それでは」


 そう言って私はギルドをあとにーー


「ふぎゃっ!」

「あの、そこ段差があるので気をつけてください…次から」


 ぐすん、痛くないですよ。

 いつもの事ですから。


 こんな調子で皇帝陛下の護衛、大丈夫でしょうか?

十万字達成!

ようやく小説大賞の挑戦権を得ました。

感想評価貰えると嬉しいです。

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