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転生したら幽霊だったのだが  作者: 白乃兎
三章 好敵手編
33/82

再戦

夏休みだああああ!

更新が早くなるかもしれないし遅くなるかもしれません。

 シュウと修行を始めて一週間が経った。

 俺もシュウも以前、地龍アースドラゴンに敗北した時よりも強くなったと断言できるだろう。

 必殺技的な物も二人で頑張って考えた。

 

 つまり、再戦の準備は整った。


 現在俺とシュウは前回地龍と戦った森の中にいる。

 そこで地龍を探している。

 と言っても地龍はでかく、動きも遅いので一週間経った今でも前回からかまり移動していないので見つけるのには時間が掛からなかった。


 今回は確実に勝ちに行くために、地龍に奇襲をかけるため確実にダメージを与えられる位置を模索している所だ。


「やっぱ後ろから甲羅じゃない所を二人でぶった斬ればよくない?」

「奇遇だな、ちょうどオレもそう思っていた所だ」


 地龍の尾の所まで移動しある程度距離を取る。

 自分で言うのもなんだが、俺もシュウも頭脳派ではないので、やはり作戦は適当なものになってしまう。

 最終的に勝てればいいや的な考え方である。


 俺とシュウはいきなり完全戦闘モード。

 お互いに身体強化、付与を掛ける。

 シュウは魔法が使えないので付与は俺が掛けてある。


「よし、じゃあやるか」

「ああ、リベンジマッチだ」


 俺とシュウは大鎌と、二本の刀を振り下ろす。


 三本の得物からは斬撃が放たれる。

 飛ぶ斬撃というやつである。

 とは言ったものの、斬撃ではなく、得物に纏っている霊力を使って、飛ばしているのだ。


 だが、それでも斬撃を飛ばすと言うのはかなりの熟練度と、その得物を使いこなす必要がある。

 つまりは、当たればかなりの威力になる。


 飛んだ三本の斬撃は地龍の尾に当たり、中間辺りから切り飛ばした。


「おお!やっぱ甲羅じゃなきゃ結構いくな」

「考えが当たったな」


 呑気に自分達の考えが当たっていた事に喜ぶ。

 前回鱗には傷をつけられた事からいけるとは思っていた。

 だが、戦いはこれからなのだ。


「グゥワアァァァァァァ!」


 地龍の怒った咆哮。

 前回はこの咆哮を聞いてすくみあがってしまったが、今回はそんな事にはならない。

 来るとわかっているのならば耐えられる。


「ロキア!頼むぜ!」

「シュウもしくじるなよ!」


 作戦などない。

 あらかじめ決めておいた結末に持っていくため、シナリオをアドリブで繋げる。

 俺たちがやろうとしているのはそんな無茶で大変な事だ。


 それでも俺とシュウならば大丈夫だとお互いが考えた結果だ。

 お互いの実力を知っているからこそ任せられる。


 出会いはいきなりおかしな状況で殺し合った。

 自分の利益のために殺そうとした。

 でも今はそんな敵だったはずの二人が共闘している。


 利害が一致しているからこんな関係になったのだろう。

 お互いの利益が得られれば、また敵同士に戻るかもしれない。


 それでも今はこの関係を楽しんでいられる。

 今はそれでいい。


 俺とシュウは顔を見合わせ微かに微笑んだ。


 それを合図に行動開始。

 シュウは確実に地龍を殺すための準備を。

 俺は、地龍の足止めと、確実にダメージを与える事。


 俺は霊力で大量の槍を作り出す。

 それらすべての槍に《付与エンチャント》を掛ける。


 前回、地龍と戦った時の物とは質が天地の差があるだろう。

 精製度、付与共に質を上げるために少しずつ頑張っていたのだ。


 槍を手に持ち投擲。

 俺は地龍の背後から投擲をしている。

 地龍の体がこちらを向くにはまだ少しの時間が有るはず。

 その時間に確実にダメージを与えなければいけない。


 槍は甲羅や鱗に刺さっていく。

 何本も作り出し大量に投擲していく。


 ズズズズ。


 地龍の体が少しずつこちらを向いてきた。

 早めに俺のやる事を終わらせる。


 ギィン、ガキィン。


 地龍の甲羅の上から剣撃の音が聞こえる。

 シュウだろう。


 音のする方に向かって投擲。

 あとで危ねぇだろ!とかって怒られそうだが気にしない。

 ひたすら投擲。


「シュウ!退け!」


 シュウに撤退命令を出す。

 とりあえずは地龍に一泡吹かせる第一歩。


「"闇よ光を全てを塗り潰し呑み込む闇よ、我が命に従いその力の一端を開放せん"《闇爆発ダークエクスプロージョン》」


 霊力の槍に付与した闇属性魔力に、槍の霊力を使用した闇の上級魔法を使用。

 俺の今のレベルでも霊力で少し闇属性の魔力を強める事で無理やりに発動させる荒技。


 槍の刺さっている場所を中心として黒い闇の爆発が起きる。

 半径十メートルくらいの球体型の爆発。


 槍を大量に刺しておいたので、地龍を丸ごと飲み込むほどの大爆発。

 これならば流石の地龍といえど大ダメージは避けられないはず。


 爆発が収まり、地龍姿が見える。

 鱗は汚れひび割れ、圧倒的な硬さを誇っていた甲羅さえも傷ついて見える。


「いける!」

「ああ、いけそうだな」


 シュウもこちらへ戻ってきた。


「それはそうと、さっきの投擲、オレに当たるとこだったんだぞ!」

「当たらなかったんだろ?ならいいじゃん」

「おい!」

「今はそれどころじゃないみたいだし」

「は?何が」


 そこまでシュウが口にした所で圧倒的音量の咆哮がほとばしる。


「グワギャアアアアーーー!」


 大地が震える。

 地龍の甲羅が隆起、そして前回俺たちがやられた岩の雨が降り注ぐ。


「くっ、シュウ!」

「分かってるよ!」


 出来ればこの雨もブレスも使わせずに押し切るつもりだった。

 過ぎてしまった事はしょうがない。


 シュウは俺の前に立ち刀を構える。

 俺はその刀に再び付与をしてやる。


「ウオオオオオオ!」


 シュウは降り注ぐ岩の雨を次々に斬っていく。

 斬られた岩を見ると先端が尖っている事から岩の槍を飛ばしているようだ。


「"闇よ光を全てを塗り潰し呑み込む闇よ、我が命に従いその力の一端を解放せよ"《闇爆発》」


 俺も先ほどの投擲に使っていた槍の残りを投擲し、爆発させ岩の槍の無効化を試みる。

 流石に無傷とはいかず、何発も体に当たってしまう。


 岩の雨も止まり、地龍も俺らが無傷ではないが健在な事に驚いているようだ。


「シュウ、そろそろ終わらせるぞ」

「ああ、分かってる!いくぜ、《憑依》」


 シュウの体から霊体が抜け出て俺の体に乗り移る。

 簡単に言えばやっている事は合体である。


 クレストの肉体の中で二つの魂が混ざり合い一つになる。

 そうする事で二人の力が一つになり強さも二人分と言った所だろう。


『さて、蹴りをつけようじゃねぇか」


 霊力で作るのは刀でも鎌でもない、黒い大剣。

 大きさは縦三メートル、横1メートルくらいだ。


『終わらせる!」


 大剣を上へ放り投げる。

 その瞬間に『俺」も宙へ跳ぶ。

 地龍の上空へ投げた大剣を掴み、地龍に突き立てるような姿勢へ。

 それと同時に体から魔力や霊力を吹き出し加速。


 狙うは地龍の心臓である甲羅の真ん中を貫く事。

 竜の心臓は大体、体の中心部に位置する。


 どんどん加速し地龍へ迫る。

 地龍は『俺」を見失っているようだ。


 直撃の瞬間、大剣に流す魔力や霊力、付与を限界まで引き上げる。


 ガギィィィン!


 既にヒビの入った甲羅に突き刺さる大剣。

 大剣を持つ手の力は一切緩めない。


『くたばれえええええ!」


 ビキビキビキ。


『いけえええええええ!」


 ズガアアアン!


『俺」の体ごと地龍を貫く。

 そうすると体も地龍の体内に入るわけで血まみれに。


 すぐに脱出し距離を取る。


『《闇爆発》」


 詠唱をせずに魔法を発動。

 だが、その威力は先ほどの闇爆発の数倍の威力を放つ。

 闇が地龍の体丸ごと飲み込む。


 爆発が収まるとそこにいたのは力尽き倒れている地龍の姿だった。


合体後の『」は誤字ではありません。

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