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転生したら幽霊だったのだが  作者: 白乃兎
二章 王都編
19/82

情報収集

最近忙しくて中々執筆出来ない。

すいません。

 リオの言う"みんな"を助けるのは問題ないのだが、俺の予想が正しければ迷宮を土属性魔法かなんかで変形させ、そこに閉じ込めている。

 その閉じ込めているところはおそらく迷宮の深層だろう。

 そこへ行けば会えるのだろうがこちらからは行けないようにしているはずだ。

 となれば術者を探し出し案内させるのが一番手っ取り早いだろう。


 しかし、術者などどうやって探せばいいのだろうか?

 カナに頼めば一発だろうが、それはなんか嫌だ。

 カナにはできるだけ頼りたくない。


 というわけなので、情報を集めるため王都まで来てみた。


「悪い人の臭いってリオは感じるか?」

「うーん、ちょっと分かりにくいけど臭うよ!」


 おお、これなら一気に真実に近づける。

 別に真実なんて求めてないけど。

 術者はリオを転移し損ねたなんて思ってもいないだろう。

 ならば、臭いを消し忘れるなんてミスも犯してしまうだろうが一応罠の可能性もあるので警戒しておく。


 リオの後ろを歩くが、リオは迷っている様子などない。

 やはり狼の嗅覚はすごいな。

 俺の固有能力の五感強化でも相手の臭いを探すなんて事は出来ない。


 しかし、歩く先は人が溢れている商業区。

 王都に住む一般人はだいたいここで買い物をするので人が多い。

 そんな人の多い場所で何をしている?

 気を隠すなら森の中的な?


「これから臭いがする!」

「どれどれ?」


 リオが指差したのは店に並んだ一枚の外套。

 この店は中古品なども扱う装備店。

 外套に臭いを染み込ませそちらに気を引き自分は逃げたという事か。

 一応店主に話を聞いておくか。


「おっちゃん。この外套誰が置いていった?」

「んー、たしかえれぇべっぴんさんだったな。この外套が欲しいのかい?」

「いや、別に。気になったから聞いてみただけだ。すまなかったな、商売の邪魔して」


 早々に店を立ち去る。


「リオ、あの外套の臭い覚えたか?」

「うんっ!今度はしっかり覚えたからはっきりわかるよ」


 確かにハズレではあったが無駄ではなかった。

 しかしなぜ犯人は外套を置いていったのだろうか?

 店に自分が売りに来るなど情報を与えているようなものではないか。

 そもそも目的がわからないが、いい事をしようってわけではなさそうだ。


「でも、もうあの臭いしないよ?」


 やっぱりか。

 閉じ込めたのは狼。

 ならばその関係者の狼が助けに来ると踏んで嗅覚による情報を得る事ができなくしてあるのか。

 って事はあの外套を売ったのは偶然?


 さっぱりわからん。

 そもそも俺、探偵とか向いてないわ。

 もう考えれば考えるほどよく分からなくなっていく。


 今わかっているのは女という事だけ。

 この王都だけで何人の女がいると思っているんだよ。

 手当たり次第探せってか。

 不可能だろ。

 そもそも、その外套も男がその辺の女に売ってくるよう頼んだだけかもしれない。

 それなら選択肢に男も入ってくる。

 もう嫌だ。

 気が遠くなってくる。


 臭いはもう使えない。

 となると、この王都で起きている怪しい出来事を片っ端から潰していくしかない。

 だが、怪しい事なんてこんな大きな街にはごまんとあるだろう。

 その中からたった数個のものを見つけ出すのも至難の技だ。


「リオ、あとリオがてきる事は何かあるか?」

「えーっとねぇ、リオが出来るのは、魔法と臭いと変身とサーチくらいかな?」


 サーチ?魔力の反応を探せばいいのか!


「リオ、"みんな"ってどれくらいの数がいるんだ?」

「九くらい!」


 氷狼が九体。

 何かアクションを起こすには少ないだろう。

 ならばもっとたくさんの魔物が必要になるはず。

 それならば檻代わりとして使っている迷宮で転移魔法の魔力を探し、そこから相手の位置を探す事も可能なはずだ。

 必要なのは正確な魔力探知と根気だけである。


 魔力探知は俺も使えるし、おそらくリオも使える。

 二人で時間ごとに交代しながら使えば二十四時間体制で魔力の動きを感じ取れる。


 魔力量など心配なところはまだあるがやってみる価値はあるだろう。


「リオ、迷宮に行ってみるか」

「はーい」


 元気に返事を返すリオ。

 無邪気な笑顔まで向けてくる。

 俺じゃなきゃ誘拐してるレベルだな。







 ♢





 再びリオと出会った迷宮に来たはいいがやはり奥には進めず同じところをぐるぐると徘徊させられるだけである。

 前回カナが先頭に立って行動して見た事もあったがそれでも奥には進めなかった事から進むのは不可能という事だろう。


「『索敵エネミーサーチ』」


 これは霊力の膜を張る物と同じ効果で、索敵の他に魔力や霊力の動きも感知できる優れものだ。

 今回は半径五百メートル程度の距離を探知。

 すると奥の方に生命反応が九つ程度。

 リオの言う"みんな"だろう。


 やはり、迷宮を変形させ隔離しているようだ。

 しかし、他に魔物がいる様子もない。

 もう魔物は集めていないのか?


「氷狼九体で何ができるんだ?ランクはせいぜいAかBだろ?」

「え?リオたち氷狼じゃないよ?」


 えっ。


「言ってなかったっけ?カナには言ったよ?」


 えー。

 なんか仲間はずれ的な?


「リオ達はね氷神滅狼アイスフェンリルって言うらしいよ」


 神滅狼?え?なにそのチート種属。

 確かにカナはリオの事を氷狼の個体としては大きい部類と言っていたが、中身は幼女。

 年齢と大きさが合っていないからおかしいなとは思ったけど、神滅狼?なんでそんな神話級の奴らがいるんだよ!

 その神滅狼を強制転移させる術者もチートだろ!


 なんかきてる気がしないんですけど。

 俺がリオに襲われて死ななかったのはリオが実戦経験が少なかったからだろう。


 という事は?

 神を滅する狼で神滅狼。

 九体もいれば国くらい簡単に落とせる。

 それを止められるのは実力でカナ、交渉でリオしかいない。

 軍隊など速攻で壊滅だろう。


 相手がそれを狙っているのだとしたら?

 この前王城に仕事に行った時に不自然な魔力の流れを感じた。

 そこから考えられるのは戦争の続き?

 神滅狼という生物兵器的な存在まで持ち出して?


 推測だと犯人はあの銀髪ロングの美人さんだ。

 王城に来ておきながらあまり仕事もせず寝ているなんて事は一般人はしようと思わない。

 寝て盗聴などの時間を稼ぎたかっただけだろう。


 "みんな"を見つける事は不可能に近い。

 向こうから出てくるのを待つしかないのだが王城に攻め込まれるのは困る。

 戦争が勃発しカナの家にまで被害は及ぶだろう。

 それだけは防がなければならない。

 俺とカナの家(愛の巣)だけは絶対に守る。


 こちらの切り札はリオ。

 相手側がリオの存在に気がついていない今なら神滅狼の進軍を止められるチャンスは大いにある。

 あとはタイミングを間違えなければ事無きを得る。


 銀髪ロングの美人さんも中々に強者なオーラを出していたような気がする。

 俺がそいつの相手をして足止めしている間にカナにリオを"みんな"のところまでか送ってもらうか。


 転移魔法を使用するには転移させる対象の近くにいなければいけない。

 つまりここで待っていれば相手側は必ず来る。

 戦争なんかこれっぽっちも興味はないが俺とカナの日常のため介入させてもらう!

氷神滅狼ランクはSSです。

SSは魔王級の強さですそれが九体。

やばくね?

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