今後の方針
一章最終話です。
ではどうぞ。
《ステータス 憑依時》
名前:ロキア
性別:男
種属:上級魔族
ランク:B
クラス:死霊使い
称号:邪神族の墓地の孤独幽霊、優しさを知った幽霊、死霊狩り、邪神族の墓地の王
固有能力:念力、憑依、限界突破、五感強化、魔力操作、霊力操作、収納、魔力具現化、万能眼 ※残り容量〇
憑依をした時限定で固有能力が増えるようだ。
これはおそらくクレストの固有能力だろう。
魔力具現化は魔力の剣や魔力の鎧の具現化に補正を掛けてくれるようなもの。
万能眼は見たものの鑑定や魔力の流れを見ることが出来るもの。
他にも色々出来るかもしれないが、今わかっているのはこれだけだ。
ランクが上がっていないのは別に強くなったわけではないからだろう。
むしろ弱くなっているかもしれない。
というわけなので、取り敢えずは肉体に慣れることから始める。
まずは軽く運動するところから始めるとする。
まずは走る。
軽くジョグのような事から始める。
これは問題なかった。
体が元邪神なのもありスピードはかなり速いのだがそこは大丈夫だろう。
そこから一気にスピードを上げる。
足に力を込め、地面を蹴る。
ドンッ。
アレ?
ズゴン。
勢い余って瓦礫の山にぶつかってしまった。
速さもとんでもなく速い。
これは力の加減を間違えた。
ここは慣れの問題だろう。
次はジャンプ。
思いっきり跳んで見る。
アーイキャーンフラーイ!
ズドン。
アレレ?
軽く十メートル以上跳んでしまった。
結果、脚力の持ち主が大変だということが分かった。
腕力も同様だった。
次は魔力や霊力だ。
クレストのやっていたように霊力を剣に変えてみる事にする。クレストは魔力を使っていたが。
霊力を魔法を使う感じで、霊力を体外に出し、幽霊の時の体を変形させる感じで霊力を変形させる。
結構立派な大鎌が出来た。
クレストが使っていた頃と変わらず真っ黒だが、俺の霊力は黒くなかったことから、そういうものなのだろう。
霊力等のコントロールは固有スキルの魔力操作や霊力操作でかなり上達しているので問題はなさそうだ。
ちなみに魔力と霊力は大した違いはなく、属性があるかないかの違いである。
霊力には属性がなく、一部では霊力は無属性魔法だとも考えられているらしい。
俺は基本霊力を使用するが、属性魔法が必要な時は魔力を使う。
試しに鎌を振るってみるが特に問題はなさそうだ。
気になるのは斬れ味の方だ。
試しにそこらの瓦礫を切ってみる。
ズバン。
一刀両断である。
もう少し切り口がざらつくかと思えば、切り口がものすごく滑らかになっている。
これは危険なので、少し鎌の完成度を低くしたものを使用する事にしよう。
ぐるるるるる。
何の音だ?
グギュルルルルル。
俺の腹の音でした、テヘ☆
だが、食べ物など持っていない。
そもそもこの墓地に食料など存在しない。
あるのは腐った死体と瓦礫くらいである。
ふむ、肉体を持つと必然的に食事や睡眠が必要になってくるのか。
しかし、クレストは一体何を食べていたのだろうか?
魔族は普通に人間のような食事をするのか、人間を食べたりするのか。
人間はさすがに食べたくない。
元同族を食べるとか無理です。
とりあえず、憑依を解除する。
肉体は収納に入れておく。
これは便利だ、普段は霊体で食事や睡眠の必要を無くし、必要に応じて肉体に憑依。
とりあえず、食事等必要事項が分かるまではまた幽霊生活だな。
うーん、幽霊の体になってからはものすごく肉体に憧れたものなのだが、実際肉体を使ってみると日常生活ではとても不便だという事が分かった。
霊体の体は、疲労がなく、空腹などもない。
つまりは、生活に必要なものなど一つたりとも存在しない。
金すらも必要としないのだ、幽霊とはなんと便利なのだろう。
つまりは、男の夢の一つである永遠にニート生活も実現可能?
ひたすら引きこもって、うだうだしたりゴロゴロしたりできる。
この世界にはゲームやパソコンなどの電子機器がおそらく存在しないので、速攻暇になるだろうが。
まぁそれは置いといて、肉体を得たとなると次に目指すのは外界進出。
外界といっても墓地の外側という意味だが、異世界に来てからこの墓地の事しか知らない俺にとっては十分に外界である。
そこは、師事しているカナとも相談しつつ、外に出る事を考えていけばいいと思う。
外界に出るに当たって気をつけておかなければいけない事は、魔物、魔族の扱い。
これは最優先事項である。
適当にその辺の村に行ったら、冒険者に討伐されました何て事になったらシャレにならない。
外界がどの程度安全なのかを知っておかなければいけない。
これさえ分かれば、他の事は外に出てからでもなんとかなるはずである。
最悪、街や、村の日の当たらないところで、幽霊になっていれば何も心配はない。
そして夜になったら、覗きーーじゃなくて、温泉などにも行きたいしな!
幽霊だから洗う体などないのだが、風呂は魂の洗濯という言葉を聞いた事があるので、幽霊でも問題ないだろう。
その際偶然にも壁をすり抜けて、隣の女湯に入ってしまっても不可抗力と言うものだ。
称号の"邪神族の墓地の孤独幽霊"を使い、霊体で侵入すればわよっぽどのレベルのやつ以外からは見えなくなるのだ。
霊体時の俺のステータスでは、性別は男?だから、もしかしたら女かもしれないのだ。
そう、俺は女。
男らしい女。
これなら、女湯に入ってもーー
おっと、心の闇が爆発しそうだったぜ。
他にも、街に出れば素敵なヒロインとの運命的な出会いが待っているかもしれない。
という事なので外に出るのは決定事項です。
カナからダメだと言われた場合は最悪、クレストを倒したのでご褒美的な感じでお願いを一つ聞いてもらえるので、それを使おう。
カナの体もかなり魅力的で、正直ドストライクなのだが、俺は無限に広がる可能性に賭けてみる事にする。
魔王やら何やらに成ろうかなーとも思っていたが、クレストの過去を見た感じだとそこまでいいものでもなかったので、やめる事にする。
やっぱり普通が一番だよね。
うんうん、望みすぎはよくないと思う。
♢
『と言うわけなので外に出たいです』
カナに相談してみる。
ちなみに、結局憑依した時の食料の件も分からないので後で聞く事にする。
なので現在は霊体。
「外にね、いいんじゃないかしら」
以外と軽く了承を貰えた。
「私の今住んでる家に来なさい、そこでみっちり鍛えてあげるわ。街と言ったら王都が少し遠いけどあるから気になるなら行ってみたら?」
『カナの家に俺も住んでいいんですか?』
「いいわよ、それとも嫌?」
『そっ、そんな滅相も無い。嬉しいです』
カナの家に住める?
こ、これは同棲という奴では?
カナにはそのつもりは全く無いのだろうが、こちとら健全な元男子高校生である。
風呂上がりのハプニングとかを期待したりするのだ。
まぁカナの性格からいって、そんな事を気にできないくらい扱かれるのだろう。
王都も少し遠いがある。
王都と言えば栄えているのは間違いないだろう。
ならば必然的に人が集まり、美女率も高くなり、ヒロイン発見率も高くなる。
勇者やら何やらの修羅場なども外から見る分には面白いだろう。
これで、俺の夢は広がった!
「明日の朝に出るわよ。荷物はまとめておきなさい」
今後の方針も決まった事だし、頑張りますか!
外の世界が楽しみすぎて、墓地の外に出る日まで、夜眠れなかったりしたのは余談である。
と言っても幽霊に睡眠は必要無いのだが。
というわけで一章はこれで終わりです。
一章はほぼ毎日投稿できて良かったです。
二章の投稿は少し間が空くかもしれません。
二章に入る前に、キャラ紹介とかを入れたりするかもしれません。
キャラは三人くらいしかでてませんが。
評価、感想お待ちしております。
誤字脱字等ありましたらご報告ください。




