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転生したら幽霊だったのだが  作者: 白乃兎
一章 邪神族の墓地編
1/82

幽霊になっていた

うーん。

長文って難しい。

まぁ、楽しんで行ってください。

 気が付いたらここに存在していた。

 記憶はしっかりとしている。

 なのに、気が付いたら暗い墓地のようなところにいた。

 毎日一秒たりとも日の光がさすこともなく、瓦礫や壊れた墓が沢山ある墓地。

 人は全くいない。

 いるのは、どこかのゲームのような動く骸骨やゾンビばかりである。


 そして俺の体は半透明で、体を一定の状態に保っていることすら出来ない。

 腕や足が無ければ口も無く、顔すらも無い。


 俺は確信した。

 俺はファンタジーの世界に転生してしまったと。


 俺は影谷黒斗かげたにこくと

 ただの男子高校生だったはずである。

 事故にあったわけでもなく、神から転生しろと言われたわけでもない。

 気が付いたらこんな体になっていた。

 チート能力が発現しているわけでもなく、強力な魔法が使えるようにもなっていない。

 唯一と使える魔法と言えば念じれば《ステータス》というありきたりな魔法が使えるだけである。


 《ステータス》


 名前:ーーー

 種族:幽霊◀︎

 ▶︎種族説明:ただの最下級幽霊。他の生物に乗り移ったりポルターガイストが使える気がする。一般人には見えない。食事を必要としない。物理攻撃が効かない。

 称号:邪神族の墓地の孤独幽霊ぼっち◀︎

 ▶︎称号効果:他の生物よりも存在感が薄くなる。任意発動。

 クラス:死霊使い◀︎

 ▶︎クラス能力:かなりレアなクラス。屈服させた死霊の生前、死後の能力が使用可能になる。また、その死霊の全盛期の四分の一の身体能力を低確率で受け継ぐ。



 このように自分の体の説明が脳内に浮かぶだけである。

 脳は持っていないのだが、そこはファンタジーのご都合主義というやつなのだろう。


 て言うか墓地のぼっちってなんだよちょっと面白いって思ったじゃねーかよ。

 まぁ、それは置いといて、このような説明が出るのはありがたいのだが、これからどうすればいいのだろうか。


 どこぞの勇者のように姫を助けるために魔王を倒しに行くわけでもなく、生きる目的がない。

 もしかするとこの体、本当は死んでいてなんかこんな感じになってしまったのかもしれない。


 なんでこんな体になってしまったのだろうか?

 俺は何が悪い事をしたわけではない。

 毎日を平凡に過ごしていた。

 いきなり異世界のような場所に放り出されてもこまる。

 親だっているし、学校には友達だっている。

 彼女こそいないものの、平和で幸せな毎日を過ごしていたと言えるだろう。


 それがいきなり異世界。

 強制的に連れてこられて目の前には呼び出した綺麗な姫とかだったら、まだやる気が出たかもしれない。

 それが、いきなり人すらいない暗く日の光すら差さない墓地。

 周りにいるのはゾンビや骸骨、蝙蝠や百足などのいかにも魔物と言ったような生物ばかり。

 俺は一体どうすればいいのだろうか?

 夢なら覚めろと、頰を抓ろうにも手も無く顔もない。

 食事も無いし、暇を潰せるようなものもない。

 説明もロクに無ければ目的もない。

 ステータスを見るに、名前すらも失ってしまったらしい。






 しかし、しかしだ、もしかするとこの体本当に一般人には見えないのだとしたら、男のロマン、桃源郷である女湯に行けるのではないだろうか?

 ここは、おそらく異世界、もしかしたら地球では二次元でしかありえなかった完璧美少女に出会えるかもしれない。

 地球では見ることができなかったリアル魔女っ娘とか僕っ娘とか、戦闘で破れた服から見える絶妙な露出とか!

 人間ではなく、魔族やエルフ、ケモミミの獣人、もしかしたら奴隷だっているかもしれない。


 ならばっ、こんな体になってしまったとは言え俺も男だ!このよくわからない世界で、男の夢とロマンを叶える事が出来るのではないだろうかっ!

 いやっ、できる!俺のこの夢への強い思いとこの新しい体なら!さぁ行こう桃源郷へ!






 ♢




 ・・・なーんて事を考えていた時期が俺にもありました。

 この世に神はいないのか!

 なんで俺はこの墓地から出られないのだ!


 正確には出られるのだが、日の光を浴びると、どこぞの吸血鬼のように体が消えていってしまうようだ。

 またこの墓地に戻ってくれば体も元に戻るのだがこれでは桃源郷へ行くことができない。

 夜になるのを待てばいいとも考えたのだが、この体、一定以上のスピードが出ないようになっているらしい。

 この墓地の近くには町どころか小さな集落すらない。

 これでは夜のうちに行って戻ってくることが出来ない。


 これは、俺のレベルが低いのか、この種族自体がいけないのか。

 この種族自体がダメなのであれば、俺の夢は全て崩れ去る。

 とりあえずはレベルを上げようと思うのだが、この世界にレベルがあるのかどうかも怪しい。

 なぜなら、ステータスではレベルを見ることができないからだ。

 これもステータスの熟練度が足りないのか、レベルというものがこの世界にないのかもわからない。

 まぁ、修行のようなものはやって損をする事はあまりないだろう。


 俺のこの幽霊で使えるかもしれないのは、《憑依》と《ポルターガイスト》だ。

 とりあえずは、この墓地周辺にいるゾンビや骸骨のようなやつの中で一番弱そうなのを倒していこう。

 べっ、別にビビってるわけじゃねーよ?

 ただ、安全に行きたいだけだよ?

 まぁいい。俺は桃源郷に行くんだー!




 ・・・誰に言ってんだろ俺、口もねーのに。

 とりあえず情報収集だな。

いきなり異世界とか、普通こんな精神状態になると思う。


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