明日はどっちだ!?
やっぱり更新が遅れてしまいました・・・
ごめんなさい。
女性の方は「男の子だったらしかたないよね、ふふ」くらいに見守ってあげて頂けると助かります。
誤字脱字・辛口コメント随時受付中です!!
顎がひどく痛みしゃべることができそうにない。口の中にも鉄の味が広がっており不快な事この上ない。ただ、頭の下の暖かさだけは心地よく感じながら意識が覚醒し、目を開けるとそこには・・・
むさくるしいおっさんの顔のアップがあった。
「ふざけんな!!」
ッ~~~~~~・・・・
勢いよく飛びあがりながら叫んで顎の痛みに悶絶。
数秒前に顎の痛みを認識していたはずなのに気が付いたら世界の不条理に突っ込んでいた・・・
膝枕・・・
とてもいい響きだ、暖かく、柔らかく、心地よいはずの物。その膝がおっさんのものでさえなければ・・・
おかしい、これは認めるわけにはいかない。
おっさんの膝枕の暖かさを心地よく感じていたなど。
そしてここから何かが始まっても良いと思う。
いや、なくてはならないはずだ!
でなければ話が始まらない!
俺の旅の始まりは馬とおっさんか?
責任者ちょっと出てこい!!!
健全な青少年が女の子の温もりを求めて何が悪い、少しぐらい夢を見せてくれてもいいのではないだろうか・・・
「・・・大丈夫か?」
だいたい村にいた時から周りは野郎、野郎、野郎、野郎・・・
何も潤いが無かった・・・
「なぁ」
それが旅に出てまで第一遭遇(膝枕付き)がおっさんだと?
いや、きっとさっきのは見間違えに違いない。恐らく目を覚ましたつもりの所が悪夢だったのだ。振り返ればきっとそこには美少女が心配そうな顔をしながら佇んでいるに違いない。
「もう少し横になってたほうが・・・」
うずくまってプルプル震えている俺に心配そうなだみ声が届く。
女の子にしては随分低い声だがきっと風邪をひいているにちがいない。そういう事にしてお礼だけ言って立ち去るのが良いだろう。
思い出は美しい。いい言葉だ、人はそれを記憶の改竄と呼ぶかもしれないが・・・
よし、そうと決めたら早速行動に移ろう。
まず起き上がろうとして顔を上げたところに・・・おっさんの顔がのぞきこんできていた・・・
「もう少し膝を貸してやるぞ?」
うん、いやもう無理だ。
叫びはしないさ、痛かったから・・・
ただ、少しだけ目から汗が・・・
おっさんよ、何故にあなたは人の夢を壊していく?
そしてなぜに、さぁ来なさいとばかりに膝を叩いていらっしゃるのですか?
俺はちぎれんばかりに首を振る。
「遠慮しないでいい、泣くほど痛むのだろう?」
喋れないのがこんなに不便だなんて!!!
泣いているのは痛みのせいじゃない!!
まだ思うように動けないのにおっさんが近づいてくる。
やめろ!!あんたがいい人なのはわかった。だからもう俺をそっとしておいてくれ!!
そんな思いも虚しく俺はおっさんに捕まり、また膝枕の状態に・・・!?
なに?
なんなの!?
なんでこのおっさんは膝枕をしたがるのか!?
痛みがなんだ、それどころではない。これは俺の誇りの問題だ!!
痛みを無視して全力で抵抗をしようと身体に力を入れたところで・・・
おっさんが何かを呟いて最後に
「ハイ・ヒール」
手がほんのりと輝き顎の痛みが引いていく。
数秒で痛みは完全になくなった。
これは・・・魔法?
このひげもじゃのおっさんが?
「おっさん、あんた・・・」
少し安心した顔でおっさんが話しかけてくる。
「お?坊主、喋れるようになったのか?随分ひどい怪我だったがなんであんな何もないところで伸びてたんだ?」
結構ひどい怪我だったらしい。確かに叫んだ時はかなり痛かった・・・
「いや、それよりも今の・・・」
「あぁ、礼には及ばんさ。俺は流れで治癒術師をやってるグレバってもんだ。あと俺はまだ27だおっさんはやめてくれ。」
27!?
サバをよむならもう少し控えめにやってもらいたいもんだ、反応に困る。
いやそれよりも魔法どころか治癒術師だと?
治癒術師ならもっとこう・・・
本当にこの世界には夢が無い・・・
「いろいろ突っ込みたいところはあるけど・・・とりあえずありがとう。助かったよ。」
「もう痛むところは無いか?あったらついでに治してやるよ。」
おぉ、グレバさんかなりいい人だ。おっさんだけど・・・夢は粉砕していくけど・・・
「もう、怪我はないから大丈夫。少しすれば動けるようになると思う。」
「そうか、なら良かった。じゃあもう少し膝を貸してやろうか?」
そういうとグレバさんが嫌な笑い方で膝をぽんぽんと叩いて笑っている。
「いらねぇよ!!!」
前言撤回
このおっさんやっぱいやなやつかもしれない・・・
お読みくださりありがとうございます。
三話目にして未だ主人公の名前が出て来ていません。
むしろこいつが主人公でいいのか不安になってきました。
当初は落ちクールで捻くれた少年かと思っていましたが若干違うようです。
さてではお読みいただいたみなさんにお願いがあります。こいつが主人公で良いと思う方がいればお名前を付けてやって下さい。
決定後、後書きにて発表します。その際名付け親になっていただいた方のお名前も載せていきたいと思いますのでそちらの可否も添えてお送りいただけますと幸いです。
次回は・・・治癒術師になろう!!
出来るだけ早くお届けしますので少々お待ちください。