ブリキ人形コッペリア
今日は朝早くに目が覚めた。
窓を開け外の空気を吸う。なんて清々しい朝だろう。
小鳥が歌い、風が頬を撫でる。
私は急いで出かける準備をして家を出た。
広場では、もうすでに人々が活発に活動していた。
年に一度のお祭りの準備をしているのである。
私はそこに友達を見つけ作業に加わる事にした。
「おはよう!私も手伝うわ!!」
しばらく作業をしていると、遠くから彼が歩いてくるのが見えた。
心が高鳴っていくのがわかる。愛おしい彼。
それに気がついた友達に冷やかされながら、私は彼のもとに駆け寄った。
「フランおはよう!」
「おはようスワ」
私たちは抱き合い頬にキスしたあと一緒に作業に戻った。
たまに合う瞳が嬉しくて恥ずかしくて、ついニヤけてしまう。
すると、そこにリウスが現れた。
町外れの暗くガラクタばかりの怪しい家に住んでいる気難しそうなお爺さん
痩けた顔に古ぼけた上着、白髪が伸び放題な頭に曲がった背中。
街の人たちが挨拶をしても返ってくるのは文句ばかりな困ったお爺さんだ。
フランや友達の男の子たちが面白がってリウスにちょっかいをかけだした。
リウスも負けじと杖を振り回して向かってくる。それすらも楽しんで大笑いの男の子たち
「ねぇ止めてよ!」私は思わず止めに入るが止めようとしない男の子たち。
いつまでも、リウスの後ろを追いかけて遊んでいる男たちだったが、それにも、すぐに飽きて離れていくのを後ろ目で見ながら、リウスは「フンッ」っと鼻を鳴らし自分の家の方向に歩いて言った。
かと思ったら、しばらくして、広場に戻ってきたリウス。
隣には綺麗な女性を連れている。リウスの手をとり支えながら歩いてくる彼女はとても美しく。
誰もが目を奪われた。
「あの子、誰かしら?」
「見かけない人ね・・・」
「なんて美しの?」
華奢な体に透き通る肌。大きな瞳に艷やかな髪。
「リウスの娘さんかしら??」
みんなが興味津々。それはフランも同じ。