所詮友達
タバコを一緒に吸った時、実はあの時から何かわけありそうだなって思ってたよ。
そしたら案の定、大きなトラウマ抱えててさ。
俺に縋り付いて泣いた時。
…あぁ、俺と似てるなって思った。
心に傷を抱えたもの同士。
親に愛されすぎたあんたと、全く愛されてなかった俺と。
正反対だったけど、すごく共感できた。
だからなんでもわかってあげられた。
案の定、それから藤森は俺に依存してくれたね。
本当、離れられないくらいに精神不安定になっちゃってさ。
俺も最初は扱いやすいセフレができた。
それくらいにしか思ってなかったんだけど…。
その内、一緒にいるうちに、
「このままずっと離れなきゃいいのに…」
そう心の底で思うようになっていった。
こんな気持ち初めてだった。
今まで寝てきた相手には抱いたことがない感情だった。
だって、話しやすいから。
優しいから。
相性良かったから。
俺の嫌がることしないから。
いつも笑ってくれるから。
…何よりも、一緒にいて落ち着くから。
藤森が依存したように、気がついたら俺も依存していた。
俺が離れたくなくなっていた。
ずっと……繋がっていたかった。
それになんでだろう。
なんとなく、漠然とこのままこの関係が永遠に続くと思っちゃったんだ。
いつもならちゃんと理由まで出して結論を出すのに。
ほぼ毎日会って、学校行って、遊んで、家でまったりして、ご飯を食べて、一緒に寝て…。
本当に楽しかった。
今までとは比べ物にならないくらい、心が満たされるのを感じた。
藤森と一緒にいる時間があまりにも心地よくて。
隣に座って寄り添っていた時、よく頭に浮かんでた。
社会人になっても、おじさんになってもおじいちゃんになっても、藤森の隣にずっといられたらいいなって。
親に愛されなくても、藤森がそばにいてくれればそれでいいって。
俺、それだけできっとこれからは幸せに生きていけるって。
そう、何故か思っちゃって…。
………………だけど、藤森は違ったんだね。
俺のこと、何とも思ってなかったんだね。
結局あんたにとって俺は、そこらへんにいる人と同じ。
…所詮、ただの友達。
それ以上でもそれ以下でもなかったんだね。
読んでいただきありがとうございます!
この小説を読んで
「面白い!」
「続きが楽しみ!」
少しでも思ったら、↓の★★★★★を押して応援してくれると嬉しいです!
ブックマークもお願いします!
あなたの応援が、作者の更新の原動力になります!
よろしくお願いします!