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帰国

『前も行ったけど一週間後帰国することになったから、適当に居酒屋予約しておいて。

遅刻したら奢ってもらうからよろしく。』


絵文字は無し。どうでもいい話も無し。

LINEなんてただの連絡ツール。それ以外の何物でもない。


だから、それだけ送ってスマホをポケットに突っ込んだ。


1ヶ月なんて本当あっという間だ。

社会人になってからは特にそう思う。


藤森と話をしたのがつい昨日のことのよう。

…本当にくだらない相談。

でも藤森らしいまっすぐな相談。


どうせうまくいくわけないのに。


「さぁて、藤森はどんな顔して会ってくれるのかな」


ふふ、と少し笑みをこぼす。

そしてたばこを灰皿へ押し潰すと仕事場へ戻った。



まぁ、どんな顔なんて、なんとなく予想はつくけどね。

だって。






俺は藤森のこと誰よりも……………







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