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おもちゃのお医者さん


最初の感想は。


『ぬいぐるみが喋った!?』


だったかなー?


これは、不思議な【彼ら】と私と友人のちょっと器用でちょっと不器用な、そんなお話し。



          ◇

          ◆

          ◇



すべての生命は寿命を終えると天へ昇ります。


実はそれは『おもちゃ』も同じ。


天国へ行ったおもちゃ達はたっぷり遊んでもらい転生を迎えた時、決まってある星に行きます。




おもちゃ達の惑星【箱庭トイトイ】。



さまざまな玩具達が暮らし、皆意思を持ち言葉を話します。


姿により種族を3つに分けられていて。




ぬいぐるみは【もふもふ族】


形が種類豊富な玩具は【カラフル族】


人型の人形は【ブーケドール族】

※この星では人型の人形達は、姿も大きさも人間並み。ちなみに身長はその人形が人間界に居た頃設定されていた大きさとなる。



その星の《ぬいぐるみの街》が物語の始まりの舞台。







           :

           :

           :





ぬいぐるみの街。

【もふもふ】



もふもふのぬいぐるみ達が暮らす街は何時ものんびりな時間が流れている。


観光地では無いがこの街に来客が絶えない。


何故ならこの街には、自慢できるものがあるからだ。




それは。

【おもちゃの病院】




驚く事に、この病院は人間が経営している。


ここ世界のおもちゃ達は、ほつれたり、壊れたりしても暫くしたら再生する。


しかし、時間がかかる事が唯一の悩みだった。


そんな時に現れたのが2人の女性。



豊穣葵ほうじょうあおい

『壊れた物はオールマイティーに直す事が出来る』



猫山希糸(ねこやまけいと)

『裁縫と編み物は達人の腕前、服を作るのが好きで葵の服も実は彼女のお手製。』


彼女達が来てからおもちゃ達はすぐに元気になる、評判が評判を呼び今では無くてはならない存在だ。



昼休みが終わり。



病院でお手伝いをする白い文鳥のぬいぐるみ、名前は『ユーリ』


専用の窓から出てくるとドアにかかってるプレートを《おやすみ》から《おはよう》にひっくり返す。


ユーリ「これでよし!あとは…」


中へ戻れば受付に座り、机でうつ伏せてうたた寝している【希糸】の肩に乗る。


ユーリ「希糸さん、希糸さん!そろそろ目を覚まして下さい!」


希糸「ふが…、うー、起きてるよ~?目蓋の裏を見てただけぇぇ~…」


希糸は微睡みの狭間にいるようだが起きる気配は無い。


やれやれとなるユーリだが、彼は彼女の起こし方を知っている。


顔をそっと耳に近付けると?


ユーリ「お嬢さん、起きてください、朝ですよ?」


先ほどの陽気な声とは一変、とびきりのイケメンボイスでモーニングコールをする。


途端。



希糸「ッッ!?…起きます起きます♪♪お兄さんいらっしゃい!!・・・あ、あら??」


ボイスマニアの希糸は元気よく飛び起きて周りを見渡すが何もいない。


代わりにユーリと目があった。



希糸「なんだユーリか、起こしに来た幼馴染みはイケメンボイスの白文鳥だった、ってか?少女漫画だね〜」


ユーリ「まぁた変な事を言う…、希糸さんは起きると何時もこれなんだから(まぁ嫌いじゃないけど)」


ユーリは体を反転させすぐ後ろにある部屋に向かって『ドクター』と叫べば、『葵』が出てくる。


青と白の肩出しキャミソール、デニムショート、花飾りがある白いサンダル。

ラフなスタイルの彼女に希糸は小さくため息を吐く。


希糸「うむむ、相変わらずドクターって感じは極めてゼロに近い格好だな、まるで夏のコーデだよ」


ユーリ「それ希糸さんが言ってもね~…」


希糸「ほっとけ!?」


葵「ここは私達には暑い世界だからね、何より動きやすいのが良い!あんたもそうだろ?そんな格好してるんだしさ」


希糸「まー、そーね!」


とやかく言う希糸の服装も。

カシュクールワンピースとグラディエーターサンダルとこちらもラフなコーディネートとなっている。


葵「もう20年以上この世界に通って居るんだからそろそろ早起きになれなきゃだよ?」


希糸「あたしだってそうしたいけど、早起きは昔っから苦手なんだよ、第一!朝6時に此処(おもちゃの世界)に来るってどーなのよ!?」


葵「この世界の子達が早起きだからさ」


希糸「ゴロニャンは寝てるよゴロニャンは!?」


『ゴロニャン』とは茶トラのお婆ちゃん猫のぬいぐるみの事。


カウンターの片隅に置いてあるカラフル族の『電話ちゃん』の側で丸まって寝ている。



希糸「くぅ、我関せずか!」


葵「いやいや、ゴロニャンはもともとああだから」



その時。


お客さんが来店する。



?「ちょいと邪魔するぜ」


葵「おや?この声…?」


希糸「ぬが!?この声はダンディなおじ様ボイス到来!!いらっしゃいませー!!」



振り返ればダンディなおじ様のシルエットは消え、視線を下に向ければ入り口にタキシードと葉巻(玩具)とサングラスの似合うテディベアが立っていた。


彼は葵達が大好きなアニメ『クマフィア』と言うアニメの主人公、その見た目とは裏腹に強い正義感とちょっと拘る渋いダンディズムで世界を救っていくもふもふファンタジーである。



希糸「少女漫画風例え話その②、おじ様はテディベア…ってか」



現実に戻り遠い目をする希糸。

彼女は声マニアなのでオタクっぽい所がある、これが何時ものキャラなので分かりきっている葵はスルーする。



葵「こんにちはクマフィアさん、今日はどうされましたか?」


クマフィア「おう先生、実はちぃと派手に転んじまってな?こうなっちまったんよ」



言われてみればクマフィアが身に付けているタキシードはボタンが取れかけていて、更に手の糸はほつれ綿が見えている。



希糸「うわ!これは…」


葵「希糸、早速取りかかるよ!」


希糸「合点!!」


☆★


【ここで自分でぬいぐるみを直すときの綿入れのやり方!】


まず、綿を取り出すために、ぬいぐるみの側面に埋もれている縫い糸を探します。

縫い糸がほぐせたら、古い綿を取り出します、終わったらハゲている箇所に糸を縫い込みましょう!


え?言ってることはわかってもやっぱり難しいって?

大丈夫、そう言う時はぬいぐるみ病院に連れていくと良いでしょう!


以上、綿入れちょこっと説明でした!


★☆


シンクロするようにそれぞれの作業をする2人、葵はクマフィアの手を綺麗に修復、希糸は服を元通りにしました。



葵「はい!もう大丈夫ですよ」


クマフィア「おお!相変わらずの手際の良さだぜ」


希糸「裁縫なら何時でも来なさい、数秒で直してあげるから」


葵「頼りにして良いですよ、希糸は裁縫の達人ですから」


クマフィア「そうか、ありがとうよ裁縫の先生」


希糸「ふ、先生は固い固すぎだぜ、オジョーと呼びな☆♪」


葵「なんのキャラだ(汗)?」


クマフィア「わかったぜオジョー!」


ユーリ「あ、このお客さん乗るタイプだ…」


葵「ユーリ、後はよろしく」


ユーリ「分かりましたドクター」


クマフィアはユーリと共にカウンターに向かい会計を済ませた後、帰って行きました。


暫くすると新しいお客さんが次々に入って来た。


葵「お!今日も満員だね」


希糸「素敵な声も千差万別〜♡♡」


葵「よろしく相棒!」


希糸「まっかせて!相棒!」


2人は協力しながらおもちゃ達を直していった。


ー続くー

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