告白
諸々も説明が終わったのか、部長に促されるように新入生たちが教室から出ていく。新入生が全員教室から出ていったのを確認してから「私もこの後用事があるから鍵の返却は任せたよ」と鍵を預けて帰っていった。
いや、どうせ生徒会絡みなんだからついでに返しに行ってくれよ……俺はこのまま帰りたかったよ……なんて言えるわけもなく、大人しく部長の言われた通りに鍵を受け取り教室を出ようと残っていた春井先輩に声をかけようとする。
「あ! 新崎君ちょっと待って!」
「んぇ?」
「ちょっとだけお話したいことがあるんだけどね、今時間いいかな?」
「あ~……まあ、時間はあるので大丈夫ですけど」
「良かった~。 ありがとね」
「いえいえ、それでお話って言うのは……?」
まあ、優しい春井先輩のことだ。きっと雪峯先輩の今日のことについて謝るとかなんだろう。やはり良い人だ……。それに比べて雪峯先輩は俺のことをもう少し優しく扱ってほしい。男の子だってデリケートなんだからね!
いつも通りの脳内一人芝居を行いながら春井先輩の次の言葉を待つ。少し顔が赤いのは窓から差し込む夕日のせいなのか、それとも春井先輩の頬が紅くなっているだけなのかは分からない。
「あの、ね……新崎君にお願いがあるの」
「お願い、ですか?」
「うん。 君にしか頼めない、お願い」
「まあ、俺で良ければできるだけ頑張りますけど……」
「うん、ちょっと待っててくれる?」
自分を落ち着かせるようにすーはーと深呼吸を繰り返し……やがて、意を決したようにこちらの瞳をまっすぐに見る。ピンク色のかわいらしい唇から震えて出てきたのは、俺の予想もつかないような言葉で––––。
ねえ、新崎君––––私と、付き合ってください。
瞬間、俺の息は止まった。




