1.転生王子は思い出す。
ただ、いつもの帰り道だった。
いつも通り友と別れ、いつもの横断歩道を通ろうとしたときだった。
俺は急に発進してきたトラックに引かれ、たった16年の人生を閉じた。
……………
ぼくはあるふれっど・りあむ・るどあーと。にさい!
るどあーとおうこくの、だいさんおうじなんだ。
きょうは、あにうえたちとしようにんといっしょにおさんぽしているんだ。おさんぽはいつもたのしいな!
「アルフレッド危ない!」
「うぇ?」
ぼくはあしもとにあったいしにつまずいてこけた。
「アルフレッド?!」
「キャー!アルフレッド様が!」
「医者を呼べ!」
「国王様にも連絡を…」
まわりがぼくのことを心配してくれていたけれど、ぼくはすっごくあたまがものすごく痛くて、そのまま気絶してしまった…
…………………
…あれ、ここは…
『…』
ぼくはいつのまにかくらいところにいた。
ここはどこなんだろう…
『…お兄ちゃん!』
「えっ?だれ?!」
こえのしたほうにかおをむけると、そこには『スクリーン』みたいなものがたくさんあって、たくさんのえいぞうがあった。
…あれ、『スクリーン』ってなんだろう…
『響友!さっさと起きなさい!』
《ふぁ~、は~い》
『響友はすぐ寝坊するな~』
《父さんおはよ。仕方ないよ、眠いんだもん》
『お兄ちゃん寝ぼけてないで学校へ行くよ!』
《ちょっ、今ごはん食べ中だから待てっ!》
『おっ、おはようひび。また寝坊か~?』
《おはよう。うん、いつも通り寝坊したよ…》
『水戸さん、学校へ来て早速申し訳ないんだけど、生徒会の集まりがあるらしいよ』
《分かった、ありがとうね》
『ひびってお弁当は凄く豪華だよな。美味しそうでいいな~』
《まあね。母さんが朝早くから作ってるからな》
『ひび!危ない!』
《えっ?》
ドーンッ!
そこでスクリーンの映像が終わった。
「そうだ…思い出した…」
そう、俺は思い出した。
ただ平凡だった前世のことを
そして、ここは妹がずっとやっていた
『乙女ゲーム』の世界だということを