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童話・児童書などまとめ

筋肉は労働を拒否したい

作者: 仲仁へび




 真面目な動物ばかりのその世界では、自滅してしまう者達が多かった。


 働き者ばかりだったから、それがいけなかった。


 皆、まだできる。


 まだ頑張れると、思い込んで頑張るうちに、知らず知らずに体を壊していった。


 そんな現状が続くと色々と大変になるので、とある神様が一つの工夫を凝らした。


 一つの体を、一つの意思で動かすからいけない。


 だれか止めてくれる存在をつくらなければならない、と。





 筋肉は労働を拒否したい。


 すごく、働きたくない。


 筋肉は疲労していた。


 ずっと疲労し続けている。


 今、働いてしまうとボロボロになってしまうだろう。


 筋肉はかしこいので、それが分かっていた。


 しかし、筋肉を動かしている頭は、そうは考えなかった。


 何かしらのその動物の頭は、休みなく労働しつづける必要があったらしい。


 昨日も、その前も、そのその前も、ずっと筋肉を働かせ続けている。


 おそらくこのままだと。


 明日も、また明日も、またまた明日も、働きづめなのだろう。


 そうしてしまうと、筋肉はとてもやばくなる。


 自分を保てなくなって、壊れてしまう。


 治るまで時間がかかってしまう。


 それどころかひどいと、ずっと治らないままになってしまう場合もある。


 だから、筋肉は考えていた。


 ずっとずっと、考えていた。


 かしこい筋肉は、休みの重要性を知っていたから。


 そうでなくても、頑張り続けるのは辛いと思っていたから。


 自分を休ませる方法がないか、考えていた。


 そして思いついたのは、自分が壊れる前にちょっと壊れておく事だった。


 筋肉痛というものを思いついた筋肉は、そうして頭に「休め」と伝えた。


 その目論見は、まんまと成功した。


 筋肉痛がひどくて、体を動かせなくなった事で、頭はやっと休むことを覚えたのだった。


 休むとその日は働けなくなる。


 しかし、長い目できると、長期間より長く働けるようになる。


 だから、短期間にはりきって無理をして、働きすぎで壊れてしまう者達は、ぐんと減るようになっていった。



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