表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

目覚め

朝、ローザモンドはベッドで目を覚ました。

しかし、彼女に昨晩ベッドで寝た記憶は無い。何故なら、ベッドはクールベアトと名乗る男に譲ったから。では、そのクールベアトはどこに?

違和感に気づいたローザモンドは慌てて飛び起き、部屋の扉を開けた。


「あ、おはよう。寝れた?」


慌てたローザモンドと対象的に呑気に台所に立つクールベアトは、フライパン片手に料理をしていた。振り返って挨拶をすると、すぐに元に戻る。


「いっぱい寝たからかな、早く目が覚めちゃって。取り敢えず部屋から出てみたらローザモンドが床で倒れててさ。びっくりしちゃったけど寝てたみたいだったからベッドに運んじゃったんだ。大丈夫だった?」

「・・・余計なお世話よ」

「確かに、そうかもね。でも、いくら魔女だって言ったって身体は大事にしないとだめだよ?」

「だから、余計なお世話なのよ!!」


寝起きで叫んだからか、しゃがみこみ咳き込むローザモンドを見て慌ててフライパンを火から降ろし駆け寄り、背中を擦ろうとするクールベアトを、彼女は振り払った。そのままキッと睨んだローザモンドは、何かを思い出したように頭を抑える。寝癖のついた髪を覆うフードが、無い。

慌てた様子でフードを被るが、おそらくクールベアトは見ただろう。


「・・・見た?」


震えた声を振り絞るローザモンドに、クールベアトは少し微笑んで頷く。


「忘れて欲しい」

「うん。ローザモンドがそういうのなら。・・・朝ごはん作ったんだ。一緒に食べよう。」


しゃがみこんだままのローザモンドに差し出された手を、彼女は下を向いたまま取った。その手は、あまりにも細く、白かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ