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再会‐1

「さて、課題を達成できなかったのは一組だけだな。お前たちはあさってまでに論文を仕上げ提出するように」


 気が付くと、目の前にはシェーティベリ先生とクラスメイトが顔をそろえていた。


 先ほどの突風によって強制的に洞窟の入り口に連れ戻され茫然とする三人に、シェーティベリ先生が告げる。


 課題のことをすっかり忘れていた!


 すでにクラスメイトは全員集合していて、課題を達成できなかったのはヴィクトリアたちだけらしい。

 三人は顔を見合わせて、「はい」と声をそろえた。



 放課後、三人はシェーティベリ先生に呼び出され、課題の書物を渡された。

 それは読むだけで一日が過ぎ去りそうなほど分厚い本だったが、ヴィクトリアは表紙を見てほっとした。過去に読んだことのある本だったのだ。興味深かったので、ざっくりとだが内容は覚えている。


「それにしても、この組み合わせであの課題が未達成とは驚いたぞ」


 シェーティベリ先生は回転椅子をくるりと回し、三人の方を向き直る。


「えーっと、実は妙な轍の跡を発見しまして……」


 レイモンドが話し始める。


 三人で相談して、詳細はぼかしつつ先生には話しておこうと決めていた。


 ヴィクトリアやレイモンドがケガレ人について知っているとなれば、散々問い詰められるのは免れられそうにないからだ。


「谷底は暗くよくは見えなかったのですが、魔光で照らしてみると、人のような一群がおりました。目が赤く光っていたのが印象に残っています。あのようなところに大勢の人間がいるのは不自然でしたので、一応報告しておこうと思いまして」


「谷底に赤い目の人間、か。ふむ、一応調べておこう」


 シェーティベリ先生は少し考え込むようにしてから頷いた。


 これで解決できるとは思わないが、今のところヴィクトリアたちにできることはこれ以上ないだろう。



 職員室から出た三人は、とりあえず図書室へ向かうことにした。


 あさってまでに論文を仕上げねばならないのだ。ほかの科目の宿題もある。三人で手分けしなければ終わりそうもない。


 渡り廊下を歩いていると、中庭から声がかかり呼び止められた。


「おーい、ロイド! ちょうど呼びに行くとこ……ろ、ってヴィー?!」


 ユリウスは大きな目をさらに見開いてこちらまで駆けてきた。


「ユリウス。 久しぶりね」

「え、え! なんでロイドと?! こんなところでなにしてるんだ?!」

「魔法士養成コースに編入したの。 これからよろしくね」

「編入?! ヴィーが?! ご両親は許してくれたの?!」

 ユリウスが驚愕した。


「ええ、もちろん。 家から出て外の社会を知るにはよい機会だと送り出してくれたわ」

「そうなんだ……。何かあったらすぐに連絡してね。俺、心配なんだよ。だって、ヴィーはお嬢様で、この学校は男ばかりで」

「ありがとう。もちろん頼りにしているわ、ユリウス」

「ね、俺が言ってることちゃんとわかってる? 俺は……」


 ユリウスがいいかけた時、ロイドが口をはさんだ。


「ユリウス、私に用事なんだろう」

「あ、ああ。そうそう。これからレティスたちと街に行く予定なんだけど、一緒にどうかと思って」

「そうか。悪いが、今日はやめておく。課題をやらねばならない」


 レティスの名前がユリウスの口から出た瞬間、ヴィクトリアはびくりと震えた。

 そうだ、この学校に来た目的はレティスと会いきちんと話をすること。そして、諸々の誤解を解くこと。

 そう再確認し、ぎゅっと目をつぶった。


 すると、これまで無言で立っていたレイモンドがヴィクトリアのそばにやってきて、とん、と肩を叩いた。


「顔色が悪い」

「……大丈夫。ありがとう」


 ぎこちない笑みを浮かべた時、後ろからなつかしい声がした。


「姉さん?」

いつも、いいねや評価をありがとうございます!

またちょっとずつ更新していきたいと思っています。

よろしくお願いします!

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