表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/24

ロイドの登場

「あの。今、ロイド・マクドウェルって」


 アーサー校長が校内放送を終えて受話器を置くと、ヴィクトリアは震える声で口を開いた。


「マクドウェル君はあなたが編入するクラスの委員長です。あのマクドウェル伯爵の一人息子ですよ。彼はとても優秀で、一年次からずっとクラス委員長をお願いしています。2年次の後期に行われる選挙では、おそらく生徒会長に指名されるでしょうな。あなたも何か困ったことがあれば、彼に頼るといいでしょう」


 ヴィクトリアはそっと両手で体を抱きしめた。


 あの嫌な思い出がよみがえる。

 大丈夫、大丈夫だ。

 あれは、失われた過去。悪夢の一片。

 今の彼はエザベラ皇女の付き人じゃない。


 しばらくすると、しっかりとしたノックの音ともに、ロイド・マクドウェルが校長室に入ってきた。


「校長。およびでしょうか」

「ああ、マクドウェル君。呼び出して悪かったね。こちらは編入生のヴィクトリア・フォーベルマンさん。君のクラスに今日から編入する生徒がいると話してありましたよね。よろしく頼みますよ」

「はい」

「早速だが、彼女を教室に案内してあげてください。そろそろHRが始まる時間でしょう?」

「承知しました。フォーベルマン嬢。私はロイド・マクドウェルと申します。教室にご案内しますからついてきてください。フォーベルマン嬢?」


 ロイドは秀麗な眉をひそめながら、ソファに腰かけたまま動かないヴィクトリアの顔を覗き込んだ。

 顔を上げると、記憶よりも少し若いロイドが目の前にいる。

 ヴィクトリアは、無理やり笑顔を作った。


「はじめまして、マクドウェル様。ヴィクトリアです。よろしくお願いいたします」


 ロイドはハッと息をのんだが、すぐさま何事もなかったかのような元の無表情に戻った。


「こちらこそ、お会いできて光栄です。お噂はユリウスから伺っております」

「ユリウスから? お恥ずかしい噂話ではないとよいのですが。ユリウスとは最近会っていないのだけれど、元気かしら」

「ええ。彼はこの学校の騎士養成コースにおりますから、いつでも会えます」


 こほん、とわざとらしい咳払いのあとに、アーサー校長が話に割り込んできた。


「さあさあ。HRが始まりますよ。話の続きは休み時間にしてくださいね」


 それを聞いたロイドは、すぐにアーサー校長に向き直り丁寧にお辞儀をした。


「はい。では校長、失礼いたします」

「お二人とも、勉学に励んでください。何かあればいつでも校長室にいらしてくださいね」

「ええ。ありがとうございます」


 ヴィクトリアも礼を告げ、ロイドと連れ立って校長室を後にした。

いつもブクマや評価ありがとうございます!

そして、ここまで読んでくださった皆様もありがとうございます!

2章に入ってから投稿ペースがガクッと落ちてしまってすみません。

まだまだ続く予定ですので、またお暇な時間に読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ