表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

ヒントをあげる

 道を行く旅人の前に、答えを問う怪物が立ちふさがった。怪物は旅人に謎を問いかけ、答えられないものを食ってしまう化け物だった。

「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物を答えよ」

 旅人は即答した。

「わからん! お前を退治する!」

 剣を抜いた旅人に、怪物は慌てた。

「頭を使わんか、単細胞め。しかたない、ヒントをやろう。これは比喩である。何を喩えたものか?」

「知らん! 斬る!」

 なおも剣を構える旅人。

「で、ではもっとヒントをやろう。それはお主にとって身近な生物だ」

「ちんぷんかんぷん! ぶっ倒す!」

「ま、まだ難しいか。えーと、足が増えるわけではなくて、見たまんまの状態を考えるのだ。ほら、最初は四つの足で地面を駆けずり回り、時が進めばしっかりとした二本の足で大地に立つ。時を重ねて二本の足では立つことが難しくなると、支えを欲するだろう。ほら、ここまで言えばどんな生物かわかるだろう?」

「どうでもいい! ぶちのめす!」

「少しは考えて!」

 剣を振り回す旅人に追いかけられ、怪物は逃げ出した。

 逃げた先には崖があり、イノシシのように突っ込んでくる旅人は止まる気配もなく、怪物もろとも落ちていった。

 この旅人の名前『追いディプス』は英雄として後世にまで語り継がれることになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ