たたかいのこうか
「!?」
魔王はバックステップを踏み、斧を振るう。
斧の刃は勇者に触れない、しかし斧から放たれる黒い斬撃の衝撃波が、勇者の体に直撃した。
黒い魔力がほとばしる、漆黒の爆発の爆心地、黒い煙を上げながら勇者の体が膝から崩れ落ち、地面に倒れた。
~~~~~~
俺は屈しない
どんな辱めにも、どんな痛みにも
俺は…屈しない
~~~~~~
黒い影のみが辛うじて視認できる超高速戦闘のさなか
幾百の交錯と激突の末、魔王の斧に亀裂が走った。
「……」
しかし魔王は構うことなく勇者に対し斧を振るう。
「ガァアァァアアァァァァアアッ!!」
咆哮と共に放たれる二刀のX斬りが、魔王の斧を切り裂いた。
砕け散る斧、破片が周囲を覆う。
勇者は放射雷撃を放ち、残骸を弾き飛ばす。
しかし、目前に魔王はいない。
やはり、背後には魔王。
「――ッ」
勇者はとっさに剣を背後へ振るう。
0.1秒遅かった。
漆黒魔法の直撃を受け、勇者は床に体を横たえた。
魔王(殺さない最低限度の魔力量は把握した……しかし、勇者の反応…そろそろこの方法も潮時か?)
とにかく、細心の注意を払って次に備えるとしよう




