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「……勇者」神官は呟く


 表情のない顔で、勇者はただ茫然と、祭壇の前に立っていた。


「おい勇者…どうかしたのか?」


「司祭は……どこにおられますか?」


 勇者は、表情を変えぬまま、神官に尋ねた。


「…っ……今は、自宅にいるはずだが」


 その声に気圧されながら、神官は応える。


「ありがとうございます」


 勇者は踵を返すと、司祭の家へ向け歩き始めた。


 魔王討伐の策は、若干の変更が必要だった。







「あー」


 ばちゃり、不器用にもったスプーンが、スープの入った皿をひっくり返した。


「ほら、またこぼして」


 司祭は布巾でテーブルを拭く。


「うー」


司祭「…………。」


 ドアが鳴る、司祭はこんな時間に誰だ? と思いながら扉を開け、目を見張った。


「お!勇者……てことは」


「いや、魔王は殺してない」


「? 魔王と戦わなかったのか?」


「いや、戦った」


「…? じゃあ一週間も何をしていたんだ? それにどこかやつれて見えるぞ」


「…少し外に出ないか? 話がしたい」


「…」


 司祭はちらりと僧侶を見た。


「だめか?」


「いや、10分待ってくれ」




十分後、司祭の家の前に立つ二人。


「僧侶は大丈夫なのか?」


「ああ、睡眠魔法で眠らせてある」


「…そうか、じゃあ、場所を変えるぞ」


「…は?」


 勇者の転移魔法により、二人は空へと飛んだ。


「…ここは?」


 森の中、洞窟の前に転移した司祭は尋ねる。


「まず、俺の話を聞いてくれ」


 勇者は話す、戦士と魔法使いがどうなったか、魔王と戦ってどうなったか、魔王と戦ったあと何があったか、どうやって魔王の城から抜け出したか


「……」


 話が終わったあと、司祭の顔は、引きつっていた。

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