表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うちのネコは化けネコかもしれない!?  作者: でかくち こころ
第1章 2匹とぼくとお隣さんと
8/20

始まる!化けネコライフ!(3)

「優斗、あとで詳しく聞かせてもらいます」


 あ、口調元に戻ってる。


「それと、優斗は女児物の服を持っていたりはしませんか?」


「持ってるわけないだろ!」


「なんでですか? 世の変態達は一通り持ってると聞きましたが」


「何その歪んだ知識! 世界の変態達でもなかなか持ってないと思う、たぶん……」


「そうですか、とことん使えませんね」


 ぐぬぬと下唇を噛むが、手の付けようが無かったユキちゃんをなだめてくれたのは双葉だし文句は言えなかった。


「とりあえず使えそうな服探してくればいいんだろ?」


「はい、すぐ着させてあげてください」


 双葉もあんな小さい子には手を出さないだろうと信用してくれたみたいだ。


「ユキー? どこいったー?」


 それにしても、どこに行ったんだろう、ぼくの部屋に行ったように見えたけど、あれ? そういえば何か忘れて……。


「ふ、布団妖怪」


 ぽつりと呟いてしまう、そうだった、朝起きたら布団妖怪が居て、びっくりして目覚まし止めれなかったんだった。

 でも、今は止まっている、ぼくの目覚ましには勝手に停止するような機能は無いので、止めたのだ、布団妖怪が。

 ゆっくりと自室を覗くと布団妖怪だったはずの塊は部屋の隅で丸くなっていた。それ以外は何も変化が無い……静寂の中、ドクンドクンとぼくの鼓動がうるさく主張している。


「あ! 優斗だ! ご飯まだー?」


「ああ、待ってくれ、今ユキを探してるんだ、あと布団妖怪も」


「ふーん? ユキならあの布団の中だけど」


「な、なんだって!? 布団妖怪にぺろりと……ぼくが忠告し忘れたばっかりに……!」


「ふふふー、変な優斗だなぁ」


 ん……? さっきから視界の端にぴょこぴょこ見えるアホ毛が?


「だ、誰だキミ!?」


「んえ? 私?」


 ブンブンと首を縦に振ってやる、すると茶髪の少女はへへーんと平坦な胸板をぺちんと叩く。


「ミーだよ、忘れちゃった?」


 さっきユキが探していた、ミーちゃんとはこの子のようだ、明るめの茶髪は腰まで長く伸びていて、ユキ同様に手を加えられていないはずだが、高級な絹糸のように滑らかだ。

 にひーっとひまわりのような笑顔からは、いかにも活発そうな雰囲気を醸し出している。

 ユキよりも年上だろうか、一回りほど成長が見える体、ユキ同様に顔がものすごく整っていて2人セットのアイドルユニットを結成できそうなほどだった。


「ふんふん、あ、双葉ちゃんも来てるんだ、双葉ちゃーん!」


 ぺたぺたと元気に廊下を駆けると同時に、頭上のアホ毛が元気にぴょこぴょこ跳ねている、あれ? 双葉のこと知ってるんだ?


「あ、あああ! 待って待って! その格好で行かないで」


「優斗! 今すぐこっちに来てください!」


 あーあ、手遅れだったようだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ