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人生は、異世界転生までの暇つぶしである。  作者: ぱいん兵
第1章 ー幼少期ー
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魔法は、訓練次第である。

ーーークマのぬいぐるみ爆散事件から半年。





少し生活にも慣れたので、俺の家族の紹介しておこう。




「よしよ〜し。アルは本当に可愛いわねぇ〜」




いま俺を抱いているのが母。




名前は''アイリス・リンドロート''。

少し日焼けした健康的な肌が眩しい美人。

優しくて元魔法使いっぽい。料理や家事などで良く魔法を使っている。


あと、巨乳だ。




そして外で剣を振っているのが父、''カール・リンドロート''。

彫りの深いイケメン。筋肉質な体型で背も高い。

左腕が不自由な様で基本的に片手のみで生活している。剣を振るときもいつも片手だ。

それでも毎日のように狩に行き、大きな獲物を持ち帰ってくる。きっと凄腕なんだろう。


俺はまだ食べられないが。





最後に俺、''アルフレッド・リンドロート''身体は子供、中身は高校生だ。




この3人家族。




家はこの村の中でも大きい方で、父は村民からも頼られているような感じだ。なんのことだかまだ分からないが、よく家にお礼をしにくる人がいる。


母も村では美人で評判だ。




そして父も母も、俺に惜しみない愛情を持って接してくれる。




間違いなく幸せな家庭と言えるだろう。






さぁ、家族紹介はこのくらいにして、近況報告と行こう。



俺はハイハイを習得した。平均よりは早いはずだが、俺にとっては長い半年間だった。



それと、この半年の試行錯誤で、スキルのことが色々とわかった。両親は家から物が消えたり出てきたりすることに驚いていたが、まぁいいだろう。




まず、基本的にあの空間の中でも、質量保存の法則が適用されている。

まぁいわゆる''等価交換''というやつだ。ぬいぐるみが爆散したのはそれに反抗しようとしたからだと思われる。

もちろん完全に消滅したわけでは無かったので、修復して元の場所に戻しておいた。




次に、自分自身や、生き物の収納は出来ないということ。家に入り込んだ虫を収納しようとしても無理だった。




そして空間内では、物質の成形、分解、そして調合や精製が可能だ。鍛冶や製薬、芸術や料理などにも活かせるだろう。

思ったより使い勝手がいい。




あと、空間内での時間は止まっているようで、お湯はいつまでも温かいままだった。




アイテムボックスというスキルだと、容量はそこまで多くないとエリゼは言っていたが、【クラフトルーム】は、数え切れないほど多くの物を素材としてストックすることができそうだ。

あくまでも感覚での話だが。




そして、俺が1番驚かされた機能は「物質の運動も保存されること」だ。

つまりどういうことかと言うと。

100km/sで投げられた状態のボールを収納したとしよう。そうすると、そのボールを排出したときに100km/sのスピードで出てくるのだ。しかも方向は自由自在。




身体のどこかで触れていないと収納できないのは難点だが。この機能は戦いに活かせそうだ。




と、スキルの考察はこれくらいだ。まだ色々出来そうな気がするが、いまの環境で試せるのはこれくらいだろう。



そして俺の今のステータスはこうだ。




>レベル:1


体力:8→10


魔力:12→17


攻撃:9→10


防御:6→9


敏捷:15→18


スキル:【クラフトルーム】


所有魔法:水魔法(下)






全体的に少しだけ上がっている。敏捷と魔力が多めに上がっているのは、ハイハイの成果と、何度か魔法を使おうとして魔力切れになった事が関係しているのだろう。魔力切れになると気を失うが、赤ん坊なので寝ていると思われるだけだ。

本当に微量だが水が出た時は感動した。まぁすぐに気絶してしまったが。



筋肉と同じで、使えば使うほど鍛えられていくようだ。



ちなみに、ステータスは念じると見ることが出来る。当然だが、他人のは見ることができなかった。




そして俺は、今日から本格的に魔法の訓練に取り掛かろうと思っている。何事も早いほうがいいだろう。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




両親が部屋から居なくなったのを確認して、ベッドで身体を起こす。




魔法の練習といっても、さすがに火などを出す訳にはいかないので、とりあえずは水魔法だ。

意識を手のひらに集中させ、空気中の水分を集めるイメージ。




ソフトボールくらいの大きさの水の球が手のひらの上に漂う。とりあえずは成功だ。

ここまでは以前から出来ていた。問題は次だ、これを動かそうとするといつも空気中に霧散してしまう。




〈集中…集中…〉




水の玉から意識を途切れさせないように、魔力を送り続ける。

魔力は、体内に流れているもので、この世界の人間には基本的に例外なく備わっているものだ。動かすには少しコツが必要だが、幸い時間はたくさんあった。




前に進むように念じると、ゆっくりと水球が前方に動き出す。



〈よし、いい感じだ。〉



次は、俺の周りを回転するように念じる。ふわふわと形を変えながら俺の周囲を水球が漂う。



〈おぉ、いけるぞ〉



調子に乗ってくるくる動かしていると、だんだん船酔いのような感覚に陥る。魔力が少なくなっているな、今日はもう少ししたらやめよう。




まだまだ魔力が少なく、出来ることは限られるが、毎日コツコツとやっていけばいいだろう。時間はたっぷりとある。



水の球をふわふわと漂わせていると、いきなり扉が開いた。




「…アルっ!?なにしてるの!?」


〈っ!?やばいっ。見られた!?〉




突然の母の登場に驚いたせいで、水球は霧散してしまった。





楽しんで頂けたら嬉しいです。

是非ブクマ、評価よろしくお願いします。


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