この2人がそろうとろくなことがない
みなさんどうも、羽矢斗です。僕は今、颯介先輩と明菜先輩で村の範囲とか、必要な敷地とかを相談するため、ピリアー先輩の攻略本(芽紅先輩の魔法で増やしたらしい)を見ています。これを見て分かったことは3つ
1つは、砂漠なので作物が育ちにくいこと・・・まぁ、砂漠だからこれは当たり前か。ただ、イモくらいなら育てられるらしい。1つは、僕たちが今いる場所から少し離れたところにぽつんとある『オアシーの森』の存在。ここだけなぜか作物が育つらしいけど、最近はモンスターがうじゃうじゃいて近づけないそうだ。そしてもう1つは・・・。
「ここ・・・いくらなんでも広すぎません?」
あまりに広すぎたので、思わず声が出てしまった。
「そうだな・・・ざっと北海道くらいあるんじゃねぇか?」
「ひえぇ・・・てか現在地って砂漠のど真ん中だよね?どうやってきめろっつーのよー!!」
「お前が言い出したんだろボケ!」
「あ、そうだった。」
颯介先輩が殺気に満ちたオーラを出しているのは、たぶん気のせいではないだろう。まぁそれはいつものことだし、置いておこうと心に決めた。
その間に俺は、目安になるように砂漠の地図のど真ん中に大きな正方形を書いてみた。
「これを基準に考えてみましょう!」
精一杯の笑顔で言ってみると、颯介先輩が難しい顔つきで正方形を見つめたと思ったら、ため息をつきながら俺のほうを向いた。
「羽矢斗・・・さすがにこの正方形はデカすぎだ。」
「へ?」
そういわれて、俺は自分が書いた正方形をもう一度見てみた。その結果、俺が書いた正方形は砂漠の面積の3分の1を占めていた。誰が考えても、これはデカすぎ以外の何物でもない。
「あ、本当ですね・・・ハハ・・・。」
ただ、苦笑いをするしかなかった。
「それにしても、範囲を決めるのって結構難しいんだね。いっそのこと全部村にしちゃえば?」
明菜先輩の無鉄砲な発言に、一瞬空気が固まった。明菜先輩は今までの話をまるで聞いていなかったかのようだ。
「明菜先輩・・・今までの話聞いてました?ただでさえ3分の1でもデカすぎなんですよ?」
「それにここはゲームの勇者が経験値とか上げるのに来てるんだぞ?全部村にしたらモンスターとかいなくなるじゃねぇか。」
「え?そうだったの?」
「そうだって攻略本に書いてあったのさっき俺らで見たよな?」
「見たっけ?」
「・・・・・。」
~しばらくお待ちください~
それから俺らは、ようやく村の範囲を決め、村と畑の敷地が必要だということを確認しました。え、明菜先輩?明菜先輩なら颯介先輩の魔法でバリアの中に閉じ込められました。俺はその様子をずっと見守ってました。
今は颯介先輩が魔法でバリア製作中。つくって区切り代わりにしてます。
「颯介先輩、大丈夫ですか?」
「ん、大丈夫だ。それにしてもこれ、半分つくっただけでも結構疲れるな。魔力が減ってくのがわかる。」
「じゃああたしを閉じ込めたのは間違いだったね。」
「そうだな・・・って、お前どうやって出てきたんだよ!?」
俺たちの後ろに、颯介先輩が閉じ込めたはずの明菜先輩の姿があった。
「なんかね、出せーって叫びながら一発壁殴ったら、簡単に壊れた。あたしの属性って、自分の体力が増えるんだね。」
そういいながら先輩は颯介先輩の魔力を回復した。
「あ、ありがとよ。」
「まぁ、これで颯介のヘタレな一面が発覚したってことで」
「羽矢斗、魔法で爆弾創れ。大量に。」
さっきより強大な殺気オーラに、反論することもできなかった。
そして明菜先輩は颯介先輩が投げる爆弾をよけながら、芽紅先輩のところに飛んで行った。さっき颯介先輩が頑張って張ったバリアは、粉々に砕け散った。