再会
みなさんこんにちは、まどかです。今私は芽紅先輩とモンスター倒しに出かけています。これまでに倒したモンスターは・・・
まずポイズンスパイダー。こいつは車と同じくらいのスピードで走ってきます。ていうか、マジで走ってきて、私一回噛まれそうになりました。ちなみに噛まれたら体中に3秒で毒が回ってご臨終だそうです。
次にマジックベアー。こいつは魔力を持ってます、私と同じ攻撃属性だけど、火の玉(?)をスピードで投げてきましたが、サンダーアローとアップ・レイドで対抗しました。
最後はスカイレメン。なんかでっかい黄色いカメレオンでした。周りの色と同化してめっちゃやりづらかったです。もっとも、気持ち悪がってなかなか魔法を出してくれなかった芽紅先輩のメンタル復活にとても時間がかかったのも原因の一つですが。
とまぁこんな感じで次々とモンスターを倒していきました。順調に任務は進んでるはずなんですが・・・となりで芽紅先輩がピリアー先輩から借りた攻略本を険しい顔で読んでいます。
「おかしい・・・。」
「何がおかしいんですか先輩?任務は順調ですよ?」
「そうじゃなくて、ここ(迷宮砂漠)に今まで出てきたモンスターの種類がおかしいのよ。」
「どういうことですか?」
「攻略本によれば、マジックベアーもスカイレメンも生息地はここじゃないの。ポイズンスパイダーは全部の地域で生息できるけど・・・。それに本来ここで生息するモンスターたちは、皆あっちのほうにあるオアシーの森にいるはずなの。たぶん、何かよくないことが起こってるんじゃないかな・・・。」
「あ・・・。」
そういえばモンスターと戦ったとき、ポイスパ(長いので縮めました)以外は2体ともなにかぎこちなかったと思う。でもなんで・・・?
「誰かから連れてこられたんですかね?」
「連れてきたにしても、誰が連れてくるの?」
「「わからないです/わね。」ってふぇ!?」
振り返ると、そこには明菜先輩がいた。なんかずいぶん土まみれだけど、なにかあったのかな?
「明菜ちゃん?その泥どうしたの?」
私の疑問を芽紅先輩も抱いていたようだ。
「ちょっと颯介とバトルしてきただけだから、気にしないで。」
(「「ちょっとってどういうことだ・・・?」」)
「なんでもいいんだけど、どうしてここに?」
「そろそろ2人の魔力がなくなってくるだろうなーって思って、回復しに来た!『ラップ・リラーヴ』!」
するとさっきまで地味に感じてた疲れが一気に取れて、すっきりした気持ちになった。
「ありがとうございます!」
「いいってことよ~!それより・・・その魔力を早くも使わなきゃいけないみたいだけどね。」
明菜先輩の視線の先にはオアシーの森と、軽く30体を超すモンスターたちがいた。しかも、土煙を上げてこっちに向かってきている。
「なにあれ!」
「『サンダーアロー』・・・ってえぇ!?」
私がサンダーアローを撃ったにもかかわらず、そんなのお構いなしでも突進を続けていた。
「まどかちゃん!もう一回撃って!」
「『サンダーアロー』!!」
「『アップ・レイド』!!」
「『ラップ・リラーヴ』!!」
私がサンダーアローを撃ち、芽紅先輩が増幅させ、明菜先輩が魔力を絶やさないようにする陣形。しかし・・・。
「全然・・・効いてないです!!」
私は攻撃をやめた。それにつれて、先輩たちも魔法を放つのをやめる。魔力の使い過ぎで、皆息が荒い。
「まるで・・・バリアでも張ってあるみたいだ・・・。」
「だめ・・・こっちにくる!!」
逃げようにも、どこにも隠れるところがないので無駄足である。もうだめだ、そう思った時だった。
『やっぱり・・・あなたはどこまでもみんなを巻き込むんだね、明菜ちゃん・・・。』
突然私たちの前に現れた、黒髪のロングストレートの怪しげな少女。紫色の目をしている。少女の後ろを見ると、先ほどまで動いていたモンスターはすべて息絶えていた。
そして私たちは・・・その少女を見て驚愕した。
明菜先輩が叫んだ。
「どうしてここにいるの・・・愛加!!」