不思議な予知夢
あ・・・明菜ちゃんたちもこっち来たんだ、いらっしゃい。ただ、早く帰ったほうがいいかもね。
私、みんなを壊してあげる。当然でしょう?私の居場所を壊そうとしてるんだから。
せっかく見つけた、私だけの場所。なのに・・・。
ドウシテコワソウトスルノ?
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「わああああっ!!」
「キャアッ!?」
ベッドから飛び起きると、見慣れない部屋があった。あ、そうか。昨日ゲームの中に取り込まれたんだ。
右を向いてみると、驚いてびくびくしているまどかちゃんの姿があった。
「まどかちゃん?なんでそんなにおびえてるの?」
「なんでじゃないですよっ!今起きたら直後に明菜先輩が叫びながら飛び起きたから驚いたんじゃないですかぁっ!!」
半分涙目で答えてくれた。いつもは明るくて気が強いまどかちゃんだが、実は同好会メンバーの中で一番のビビリなのだ。
「そっか、ゴメンゴメン。」
「大丈夫ですけどぉ・・・。それよりっ、なにか悪夢でも見たんですか?」
「あぁ、ちょっと・・・ね。」
悪夢・・・いや、これは予知夢なのか?夢の中で聞こえた声。
『私、みんなを壊してあげる。』
『せっかく見つけた、私だけの場所・・・。』
『ドウシテコワソウトスルノ?』
「---っ!!」
最後のセリフを思い出すと、今でも寒気がする。でも聞き覚えのある声・・・誰なんだろう?
「先輩・・・?」
「あ、ゴメン、した降りよっか。その前に・・・。」
あたしは今度は左のほうを向く。
「芽紅~?いい加減起きようかぁ?」
芽紅の頬をぺちっとたたいた。芽紅は目覚めが悪い。前に2人でお泊り会をした時も、起こしてから24時間後に起きたっていうレジェンドも持っているくらいだ。
「うん・・・明菜ちゃん?もう少し寝かせてくださいよ~。」
「何言ってんの、もう起きる時間だよ?いくら目覚めが悪いからって今日くらいは起きてよね。」
「わかりました・・・ふぁ~。」
芽紅もしぶしぶ起き上がったところであたしたちは先に下に降りることにした。着替えの途中でクローゼットなんかで寝ないといいけど。
下に降りると、とてもいい匂いがした。どうやら朝ごはんの準備が整っているようだ。次いでリビング的なところに行くと、男子組がすでに起きて座っていた。
「あ、おはよー。その朝ごはんどうしたの?」
「おはよう、明菜さん。これは羽矢斗くんが創造属性の魔法で出してくれたんですよ。なにせ、何も食料がありませんからね。」
テーブルにはTHE日本の朝ごはんと言える朝食、つまりごはん、味噌汁、しゃけがあった。あと野菜炒め。
「あら~、おいしそうですね~さっそくいただきましょう~。」
ようやく芽紅が起きてきた。というわけで・・・
「「「「「「いただきます!」」」」」」
朝ごはんにありつくことにした。昨日何も食べなかった分、みんな食べるスピードが速かった。