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七瀬 奈緒?

私の名前は七瀬 奈緒、どこにでもいる普通の女子高生です。


苗字と名前に『な』の字が3つもある事から、友達によく「ななな」とか訳の分からない愛称を付けられたのは今でも根にもっている。


私の名前は七瀬 奈緒、一般的な女子高生です。


平均的な女子の身長を下回る、チビで童顔で小学生にしか見えない容姿だけれど。


私の名前は七瀬 奈緒、庶民的な女子高生です。


特に秀でた才能もない。強いて言うなら成績が平均より少し上くらいな程度。


私の名前は七瀬 奈緒・・・。


私の名前は七瀬 奈緒・・・。


私の名前は・・・



ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー



「お・・・おーい?大丈夫か・・・?」



少年が突然、大音量の奇声というか、絶叫を上げた後ぶっ倒れてしまった。


すぐに駆け寄り、安否を確かめる為に声を掛けたり体を揺するも、返事は返ってこなかった。


色々聞きたい事は山ほどあるのだが、この分では暫くの間、目を覚まさないだろうな・・・。




気絶している少年の前で胡坐をかき、考えに耽る。


・・・無表情で固まっていたかと思いきや、声を掛けようとした瞬間奇声をあげて倒れたと・・・。


・・・全くもって意味分からんが、もっと意味分からんのは少年が発したセリフである。




「・・・此処は何処だ・・・か」




此処は何処・・・という事は、この少年は望んでここへきた訳ではないという事か。


まぁ、当然と言えば当然か。


こんな樹海の中に何の目的も無くおめおめ来るような奴は、何処を探してもいないだろうから。


ならば・・・、事故か何かに巻き込まれた可能性が高いか・・・。




改めて少年の姿を観察し、再び考えにふけ始める。


少女のような容姿をしておきながら、実は男の子だと辛うじて分かる可愛らしい中性的な容姿。


しかし、服装がそれを台無しにしてる気がする。


太ももから脚を露出させる、恐らくは女物の服のような・・・。


そんな女物の服をどうして、この少年は着ているんだろうか。


・・・まさか、そっち系の趣味のお方だろうか?


・・・だとしたら、この少年は若いのにも関わらず、随分と重い宿命を背負っている訳か・・・。


・・・まぁ、俺の現状も似たような物だけどな(笑)




無駄な思考をサッサと取り止め、少年を片手で担ぎ、帰路を辿る。


少年の詳細は、直接聞けば分かる事だろう。


それに本当に重要なのは、この子じゃない。


本当に重要なのは、『此処が何処なのか』、だ。


この少年が誰なのかとかは、この際どうでもいい。


俺はいち早く、この世界が違っているのかが知りたいんだ・・・。



 

「なぁ、少年・・・。ここは一体・・・、何処なんだ?」




気絶している少年に向かって、最も聞きたい情報を口に出した。


当然、返答は返ってくる訳も無く、静寂が森の中を包んだ。

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