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ハナちゃん  作者: 志村菫
8/12

出来ない約束

 卒業して就職して、生活が変わればもう私の所なんか来なくなるのではないかと……。

 いつかマサルさんとの時間は終わるのだと……そんな事は覚悟していました。

 でも、私と付き合いたいだなんて……これって両想いってことなのね?


「はい! 付き合います! よろしくお願いします!」


 なんて言えたらどんなにいいでしょうか……。


 そう……例えば……。

 この街には映画館やたくさんの飲食店があるから、遊園地や水族館に行かなくてもマサルさんと一緒に過ごす事ができるでしょう。

 でも、私はお金を持っていないから、どこかでアルバイトをしようか……。ずっとこの街を出ないで、夜だけ一緒に過ごす……そんな交際をしている人たちっているのかしら?

昼間、遠くを見つめながらそんな事ばかり考えていました。往生際が悪いですよね。

 あっ! いっその事、私の正体をマサルさんに話してしまおうか……などと大胆な考えを巡らせましたが、きっと話したらすべてが終わってしまう……そんな気がしたのです。


 次の夜も、その次の夜も、マサルさんは私の右足に来てくれましたが、私はもうマサルさんの横にはいられないと思うと、人の姿にはなれなくなってしまいました。

 あなたとは付き合えません……そう言って別れを告げるべきなのか? 私にはできません。好きなのに……そんな事は言えません。

 だから私は、あなたを上から見ることしかもう出来ないのです。


 それから、時が流れて……私の右足にマサルさんが来る事も、私の下を通ることすらありません。とても悲しかったです。こんな思いをするのなら、マサルさんを好きになんてならなきゃよかった……人の姿になりたいなどと思わなければよかった……そう後悔しました。

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