第2話
カクヨム
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第2話
「ハァ。…あの子かわいすぎんだろ!」
部屋中に『凛とした美しい天の使い様』の声が響く。
「今回はどうしたんですか。」
「どうしたもこうしたもあるかい!見てたでしょさっきの男の子」
「えぇ、ごく普通の高校生では?」
「あなたは…なーんにもわかってないのね、あの子の素晴らしさが!」
「わかってたまるものですか、脳内花畑女の妄言なんか」
「ひどい、かわいいものかわいいって言って何が悪いの!」
わたしはルミエル。亡くなった人間の魂を導く案内人。
さっきのいいツッコミをしてくれるかわいい女の子はセフィル。
わたしの部下世話係として働いてくれている。
「あなたさっき、あの子と自分は対等的なこと言ってたじゃないですか」
「ええもちろん。実際そうですもの」
「そんな可愛い可愛いって、舐めた口きいておいてですか?」
「人間だって同じ人間である赤ちゃんを愛で散らかすでしょう?
それとおなじよ。舐めた口だなんてそんな……ん?舐める?」
「彼の代わりに訴えときます。それがいい。」
「まってやめて、今のはさすがに謝るからやめて、負けるから!」
「何を謝るんですか?ちゃんと言ってください。」
コイツ…調子乗りやがって。
「一般の少年をペロペロする妄想してすいませんでした。セフィルで我慢します。」
こうして取っ組み合いをするのが、私たちの日常だ。
「まったく、私の顔に傷がついたらどうするのさ。」
「顔以外なら大丈夫です。早く着替えてください、
ほこりまみれの服で案内をされるおつもりですか?」
「まったく、誰のせいだと。」
文句をたれながら、着替え室に入る。
「今日はあと何件だっけ」
着替え室からセフィルに大声で尋ねる。
「あと九件です」
これまた大声で返答が返ってくる。
九件か…2取っ組み合いの時間を入れて7時間ってところか。
天界には朝昼晩の概念がない。だからノルマが終わったら帰れるって仕組みなんだけど…こんな感じで大体一回に二十時間ぐらい働くことになる。たいへんだぁ。
案内の時キャラ作るのは結構つかれるので、毎回10分の休憩を入れる。
今は休憩しつつ、次の魂さんの資料を読んでいる。
「それで、何がそんなに気に入ったんですか?」
「ん?何のこと?」
「さっきの少年ですよ、正直そんないい顔では…」
「やっぱり何もわかってない。」
「顔のいいクズはたくさん見てきた。人間は、人は顔だというけど
天使は内面を見てあげるのさ。」
「私相手にがんばって一人称を変えようとしてたのと、すごい感謝してくれたのが可愛かった。それだけ。」
「…………………………え、キモ。」
……………………今日の帰りは、遅くなりそうだ。




