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星狼のふわふわ人狼ゲーム課外教室〜魅力的な小説キャラってどうやって書くの?〜  作者: 星狼


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7/7

盗まれた遊び、星の記憶

皆が立ち去った後、広場は再び里の静寂に還った。茶狼の尻尾の残響、岩狼と石狼の双子の足音、銀狼の悔しげな笑い、読狼の控えめな影――それらが、夜風に溶け、木々の葉ずれに混じって遠ざかる。星狼は一人、丘の頂に腰を下ろし、首を仰け反らせて夜空を仰いだ。

満天の星々が、黒絹のヴェールに散りばめられたダイヤモンドのように、無数に瞬き、銀河の帯が淡い霧のように弧を描く。争いの里でさえ、この空は慈悲深く、牙の棘を優しく溶かす。

彼は、そんな星々の囁きに耳を澄まし、心の傷を、冷たい光の雫で洗うように息を吐いた。星は沈黙の語り手――人間と狼の因縁を、ただ静かに見下ろす。


そんな中、ゲーム前に言った自分の言葉を思い出す。広場の興奮が、耳の奥で反響する。


「ははは、欠点も含めて人狼ってもんだ。誰だっていい所もあれば悪い所もある。皆に隠しているが、勿論俺にだってあるぞ? 職業・特殊能力・欠点の三つをバランスよく織り交ぜたお友達を紹介して、誰のお友達が一番かを決めようじゃないか?」


皆に隠している事。


星狼の胸に、微かな棘が刺さる。星々が、嘲るように一瞬、強く瞬いた。


「……まいったなぁ」


星狼は頭をかく。爪が毛並みを乱し、彼の顔に、少年のような困惑が浮かぶ。里の風が、冷たく頰を撫で、星空の果てを思わせる。


実はこのゲームは、星狼が考えたものではない。

若い時の彼が、先輩狼に修行の一環で教えて貰ったゲームなのだ。

あの頃、里の奥深くの洞窟で、火の揺らめきに照らされ、先輩の低い声が響いた。カードを並べ、想像を競う遊び――牙を研ぐための、頭脳の舞踏会。

星狼はそれを、里の掟に染め、子供たちの無垢に適わせてアレンジした。

だが、名前だけが、霧のように掴めない。

何かカードを使っていたゲームだった。それだけは覚えている。

内容の骨子は鮮明に残り、ヤマトの笑顔やアレックスの冒険を、即興で紡ぎ出せたのに。名前は、星の欠片のように、指の間から零れ落ちる。


「これ、下手に里で流行ったら危ないんじゃねぇか……? 俺が盗んだように思われないかなぁ……? まいったなぁ……?」


独り言が、夜空に溶ける。銀河の帯が、ゆっくりと流れ、星狼の不安を映す鏡のように揺らぐ。里の長老たちが嗅ぎつけたら? 先輩の影が、牙を剥いたら? 遊びの仮面の下で、自身の弱みが露わになる――借金三億の如く、重くのしかかる。


「いやぁ、困ったなぁ。ちょっと怖いなぁ……読狼が知ってたりしないかなぁ?」


星狼は再び空を見上げる。満天の星々が、答えの代わりに、無限の可能性を散らす。銀河の渦が、渦巻くように心を包み、彼に、ささやかな安堵を囁く。

名前など、失われてもいい。ゲームは生き、子供たちの笑顔は続く。里の闇が迫る中、この星空だけが、永遠の味方だ。

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― 新着の感想 ―
すごく参考になりました!!! 星狼さんの小説キャラってコンプレックスとかトラウマだとか抱えながらも一生懸命生きてるって感じがすごくて…!全てのお話を拝見したのですが、身分も考え方も能力もバラバラの魅力…
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