無限の逆転、笑顔の輪
三人のお友達紹介が終わった。広場の空気が、余韻の温かさに満ち、月光が子供たちの毛並みを優しく撫でる。
それぞれの夢のようなカウンセラーのようなの友人紹介が、皆の心に小さな渦を残していた。茶狼は膝を抱え、岩狼と石狼は双子のように肩を寄せ、読狼は坂の端で静かに息を潜め、銀狼の銀色の瞳に期待の炎が灯る。
星狼は、そんな輪の中心で、牙の影を遊びの光で覆い、声を張った。
「さぁ、誰の友達が一番良かった!? 判定してくれ!?」
星狼の言葉にも熱がこもる。広場の風が、微かにざわめき、皆の視線が交錯する。茶狼の茶色の尻尾がぴんと伸び、岩狼の瞳が静かに細まり、石狼は爪を土に立てて身を乗り出す。読狼は膝に肘を預け、銀狼の肩に視線を落とす。
「私は銀狼さん! 凄く壮大な感じがした!」
茶狼が答える。少女の声が、森の小川のように澄み渡り、尻尾を軽く翻して銀狼に視線を投げる。銀狼の毛並みが、喜びに微かに震える。
「僕は星狼さんです。欠点を上手く武器に変えれてと思いました。」
岩狼が答える。兄らしいどっしりとした声に、ゆっくりと頷きを添え、星狼の笑みを静かに映す。石狼は弟の袖をそっと握り、双子の絆を確かめるように目を輝かせる。
「僕は、読狼さんです! 突然の参加なのに、あんな素敵な友人、よく作れたと思います!」
石狼が答える。少年の声に、驚きの余韻が混じり、読狼の方へ体を少し傾け、瞳に温かな光を灯す。読狼は控えめに首を振り、坂の草を指で撫でて照れを隠す。
「なんだなんだ、見事にバラけたなぁ。じゃあ、引き分けって所だな。」
星狼は嬉しそうに言う。彼の笑みが、広場を照らし、里の夜空に星を一つ増やすよう。皆の視線が、星狼に集まり、茶狼の目が細く輝き、岩狼は腕を解いて息を吐く。
「……いやぁ、頑張ったんですけどねぇ」
銀狼は悔しそうに答える。銀色の毛並みを爪で軽く掻き、地面に視線を落とす。石狼がそっと肩を叩き、読狼の瞳が同情の糸を紡ぐ。
「だから、星狼さんみたいに欠点を上手く武器に変えれたら、良かったんじゃないかな? 例えば、借金三億はそれだけの借金をしても解明しなきゃいけない、社会的意義がある謎の解明に使われてるとか」
岩狼が言う。兄の声が、静かに落ち、双子の石狼が小さく頷いて同意を示す。茶狼の尻尾がぴくりと動き、銀狼の瞳に新たな光が宿る。
「あっ、それいい! そしたら、もっともっと壮大なスケールの物語になるんじゃないの!?」
茶狼が言う。少女の言葉が、風に舞い上がり、皆の視線を銀狼に引き戻す。岩狼の目が満足げに細まり、石狼は膝を叩いて喜びを表す。
「……それか!?」
銀狼は悔しそうに言うが、声の端に希望の響きが混じる。銀色の毛並みが、再び輝きを取り戻し、読狼の指が膝の上で軽く動き、想像の余波を追う。
皆の笑顔を見て、星狼は満足そうに言う。月光が彼の牙を優しく縁取り、里の闇を一時、遠ざける。
「まぁ、こういう修行があるって事だ。その場で即興で組み立てていく、頭の回転力。そして、可能性とは無限大だ。こうやって、ゲームにして勝負をする事で、もっともっと新たな発想を生み出す事が出来る」
皆が笑顔で頷く。茶狼の瞳が星のように瞬き、岩狼と石狼は双子のように揃って首を傾げ、読狼は坂から少し身を起こして輪に溶け込む。銀狼の悔しさが、静かな喜びに変わる。
「これが【僕の魅力的なお友達ゲーム】だ。まぁ、俺にとっては【人狼ゲーム】で戦う為の準備運動だがな。人狼ゲームだけじゃなくて他にも応用は出来るんじゃないか? これからもしっかりと修行をするようにな。」
星狼の言葉に皆が笑顔で返事をする。広場の夜風が、優しく輪を包み、里の星々が、遊びの果てに生まれた絆を祝福するように瞬く。
星狼は、そんな光景を胸に刻み、牙の重さを、ほんの一夜、忘れる。




