水を讃えよ。水を崇めよ。
喉が渇いたので水を呑んだ。
と言っても、水道水をそのまま飲んだわけではない。
やかんで煮沸して、カルキ抜きしたものを、ペットボトルに入れ替えて、冷蔵庫で冷やしたものだ。
美味くはない。しかし、不味くもない。
ここしばらく、おかしなことに気づいていた。
視界が揺れるのだ。そして水が流れるような、小さな音が、どこかからかすかに聴こえている。
そんな気がする……そうだ、気のせいの可能性もあるのだ。
あるいはただの体調不良か……。
トイレに入って便器に溜まっている水の表面が、薄っすらと波紋を作り、動きを見せることもある。
気味が悪い。
人間は水の本当の恐ろしさに、何も気づいていないのだ。
地球の大部分は水だ。俺達人間の身体も水でできている。あらゆる生命体は水からできていると言っていい。
つまり、俺達は、そして地球の存在そのものが、水に生殺与奪の権を握られているのだ。
水は話さない、意識を持たない、何もしない。
だから俺達は呑んだり、汚したり、都合よく利用したり、水に酷い扱いをしている。
もし水が喋ったとした俺達に何を言うだろうか?
そして、もしも、地球上に存在する全ての水が、一つの生命体で、自我を持ち、自らの意思で全ての水を意のままに操ることができたとしたら?
破滅はほんの一瞬で訪れた。
あらゆる生命体から水が体外に出た。血液すら水分が抜けた。生命体は秒で干からびた。
そして一塊になった巨大な水は、全ての生命体にこう言い放った。
「お前達のように私に感謝もせず、汚すだけ汚し、金儲けの材料にすらして、身勝手な輩はこの私がこの世界から消滅させてくれるわ!!」
そして水は大気圏を突き破って、宇宙に飛び去ってしまった……。
水は恐ろしい。
水は恐ろしい。
水を讃えよ。
水を崇めよ。
さもなくば地球は死の星になる。
下らない、つまらない駄文を思い付きで書き殴りました(笑)。