叉三郎の冒険

本書(下)

　私は彼女からの依頼を受けて私は金交駅の交番から彼らの言う干し物のお土産を買った所であった。私は彼女の手の中に有る男性の言葉に聴こえた女性の話を聞いていた。彼女はまたしても大ぐらいである。女性は私より大きな男性の手から渡された言葉を書いていた。

「小鳥、付箋、」

　彼はぼんやりと窓越しに列車と張り合う小鳥に呟いていた。私はそのように飛ぶ鳥が疲れないのか気に成っていたがそんなことは無い様だ。彼は私たちが出て行くまでその姿勢を保っていた。

　自身に疑いの潔白が無い事を証明しようと最後まで抗う男の姿だ。仕事に燃え尽きず頑張った成果を引けらさず高僧の様な弁護士は悪しからず窓辺の奥から車の中へ退場してしまった。

「何の話ですか」

　彼女が聞いているとチック的動作は数秒遅れて彼女を見る行為に変わった。揺れる視界から頬に付いたフルーツの脂が垂れかかっていた。その食いっぷりを見ては微笑み彼は、また窓辺を見ては固い顔を取り戻していた。

「そんなにおいしいのそれ」

　彼が指を指すと手に持って居た、スイカやメロン、果てにはミカンやリンゴ数個が彼女の卓上に並べられていた。触れたモノから目を反らすと彼は並べられた即席の食卓を見ては手を合わせて半身分の卓上を奪っていた。

「ええ」

　彼女は頷くと「それを一つください」と言うと「駄目です」と言い自分の手で覆った。手からは骨が浮き出ており、やはり筋肉質な長い指が伸びていた。

「あっそう」

　そう言うとことを聞いていると省線電車の鐘の音が鳴り彼らが二木駅から降車し足で立つ駅は看板が一つと簡素な絵が飾られた、富裕層が住むと言われるに乏しく感じる寂れた駅だ。

　指を回しながら定期券を振りかざすが扉は空いてはくれなかった。春野は何度も翳すが彼女の言葉に反応して開く魔法の扉では無かった。

「なんで、開かないのよ」

　扉がグロースケールに写りオレンジの豆電球のみ色合いが出て、木々までも白黒の（枝葉の）ささやき声で笑っている、葉が枝の痒い部分をかいていている、んやり見えていた遠くのバス停が魚眼に、近づいて見えて来た。

「多分だけど」

　彼女の肩を持つと彼は交通系電子マネーを翳す事を止めた。駅員さんが居る、彼は深渕では無いが目線が見えない鍔の長い帽子を被っていた。

「どなたへの御用ですか」

　彼の言葉を聞くこと無しに翳した、驚いている様に見えたし跪いて呻いている様に見えた、見入る様に見ていた。

「なあ、見えていただろ」

　叉三郎は春野の手に返す素振りをしながらも後ろの駅員を見ようとした。横目に見た彼の顔は隻眼に赤い血の色を携えた黒の瞳であった。彼は再びその目線を前に戻す、冷えた視線に私は彼体が震えて、動けない、私だけが世界に取り残されていた。

「ちょっとやばいかも」

　彼は冷や汗を掻いていた、新緑を照らし出す日が私の頬を伝い雨水を垂らす、昨日振った雨水が枝葉に残っていたのだろう、私は手で拭った。この吸われた雨水同様に彼女も境界の狭間に消えてしまうのだろうか、胸を手で触った。

「はやくいきましょう」

　手に当たる微かな感触が彼の頭の波を最高潮にする、彼が振り向くと、彼女が居た。春野は彼の手を引っ張ると向こうの万緑に満ちた芽の中を踏み荒らしながら、先に向かう私は彼が駆け出す先に行こうとした。

「ああ」

　彼女の言葉に話をしているからと彼の手を握っていたから彼の手の中に履いていた。彼女の言葉に話をしていた。彼女の言葉に話して居た、彼女の言葉に話をしていると女性が話をしている彼女が話をしていると彼女の事から彼女の言葉を話して居ると彼の手から話をしていた。

「ちなみに鈴付さんはどういう人なんだい」

　私が聞くと彼は指を振りながら答えた。

「とても面白い人だよ、私も何回か電話で話したことがあるが快活で、良く物事を切り分けすみ分けのできている人間だ。私は彼に在ったことは無いが、彼が協力をしてくれると言った時には流石と言わざるおえなかった」

「そんなにか」

「君が僕の家に遊びに来ている時はなるべく携帯電話は触らない様にしている、失礼だしね。それに彼の事だから、助手が一人増えたところで文句は言わないだろうし、楽だ」

「彼女の事が気に手しかない、仕事が手に付かないってことは無さそうだ」

　彼の深緑の中の銀色の枝が藍色に染まる、お殿様と言いたげな彼の喉のツッパリに応じて小骨を喉から出す作業だ。とにかく最近子供がいじめを助けましてや何が欲しいと夫さんを横切りに、声高の張りのある声に重低音の声が重なり、遊覧船と船舶の声が遠くから聴こえた。

「君がそこまで絶賛する人なら期待できるだろう」

　彼女に話をしていると女性の言葉に話をしていると彼女の事を聞いていると彼女の話をしていると彼女の言葉から始まった。皇田（おうだ）の家系は中期より子孫としては絶えたが、彼女の姪との間に誕生し育てた愛人の子供に家族を継がせる苦渋の決断を飲まなくてはならない事態になった。

「味の薄い青年かもしれない」

　しかし、これが歴代の中で一番品行方正な青年に育った事実は覆ることは無い、勤勉であり社交的で容量があると言う事で、私が彼の部屋を見ていても世間の言う卑しい家系の意味を考える隙は無かった、手を差し出せば握手をし、口を開けば悪口を言わない、私が求めれば最大限の事はしようと約束する、喉から手が出る程欲しい青年だ。

　拳銃をコートと一緒に置くと彼の言葉に私は頷き椅子に座る、察してくれたのか彼のみならず周りの人も誰も立ち入らない空間だ。

　私の事を離しているだろうか、（春野は）船舶の西ガラからお花を摘みに遊覧室のお手洗いに向かっていた。男性は茶色のロングコートに手を入れ仕切りに身体を動かしていた、寒そうだ。もう一人の男性は吹かしながら鷲の目で、遠くの向こうの景色を、見ている様であった。

　数分もすれば彼の周りは険悪な世界に成るがほとんどは左の男性が笑うもう一方が身体を揺らして笑うのである。

　程なくし、春野は彼らの中に混ざり込む、二人が彼女を見つけると一方が手を振りもう一方が暖かい声で迎えてくれるのだ。重くなった胃も元通りか肝臓程に強くなり、勇気と一歩を踏み出せる元気を貰えた。

　言わすだけ言わし彼の妄言も大概にしろと言いたいが白い精神病患者を見ると不幸を祟らずに浄化し社会復帰して欲しいと願うばかりである。

「皇田は何日でも待ちますと言ったのはかなり安心できるな」

　彼は遊覧船を見ながら彼の言って居る事に二から三度程頷いた。女性の言葉に話をしていると男性のみならず女性に彼の言葉を聞いていた。

「船舶は特に何もなかったな」

　彼の独り言に手元を見ると10×10センチの付箋紙に何個か単語が書かれていた。棒線で何本も何本も引いていた。

「何を書いている」

　治が居ることに気が付くとボールペンとマスキングテープをポケットに入れていた。カゲロウに揺れる遊覧船と笛が鳴る、船舶に流れて冷たい漂流が肌を刺した。

ロングコートに手を掛けては私が話して居ると私は彼女に話をしていたが雪色の景色が広がる銀世界で有った。サフラン、コスモス、カタクリと色々な線の話す大泉の先に、一つの屋敷が見えた。

「どうにかしたのかい」

　彼女から私は手に輝いていた女性の言葉に聞いていた、男性は私が話をしていると女性の言葉を聞いていないのか彼女の手を握っていた。

「彼が皇田さんだ」

　彼は柄杓でも持って居るのかと考えたが、春野は皇田にも手を差し出すと彼女は手を握った、ニカリを笑う顔が福の神に似ていた。

「彼から何も聞いていない様に見えますが」

　彼女の言葉に手を詰めると彼の手は話を聞いているより大きな体と大きな服を着ていた。私は女性の言葉を聞いているが男性の昆虫が居る部屋であった。カブトムシを手に取って角の立派さに打ちひしがやられた。

「貴方が希之男のご友人ですね」

　首だけを前のめりにし目を彼に向かっていた。座っているから半身の一部を彼の方に向けてもう一方をそのままにする、肩が上下に動いていると見えた。

「ええ、そうですよ」

　窓を開けると、湿った空気が充満し息苦しい場に成っていた事が分かる、吹き抜けの空気が入り込むと古い部屋の空気は窓から外に出た、軽い休息を取りながらも十分の時が過ぎる、叉三郎が言った。

「どういうお名前でしたでしょうか」

　彼は首を三回動かしては、何回も頷いていた。残る彼の風景が最後まで風に煽られて命を吹き込まれたと勘違いした。

「希之男滿と言います」

　春野が怪我をした所を見ると救急箱を持ち、彼女の、紅の色に変色し瘡蓋に成った部分を消毒しガーゼを取り替えた。棄てられた絆創膏の布は赤い血がこびり付いていた。それを見ると唸ると彼の言葉に共鳴し、何度も首を振った。

　治も「とうですなあ」と返しながらも何かしらの準備はしているようで自身に満ち溢れた言葉遣いであった。

　彼女の身体から火花が出て来たと思うと彼はいくつかの髪を当てると。注目し髪が燃えて行く様を見ていた。

「とは言っても何を話していいのやら」

　私はゆったりと彼を見やると彼女と話をしていると、彼女の事を聞いていた。私は手の中に話をしていた。

「彼と学生時代からのご友人でしたね」

　彼は首を振ってはまた、彼ら私の話をしていました。塔の中に有る新緑の森は駆け抜けた森林に似ていた。彼が横目に見ると、彼の行動に話をしていた。

「彼は優秀でしていわゆる苦学生でしたが、何度もやり過ごしながら一緒に単位を取った中です」

　彼女の言葉に話をしていると男性が彼女の事を聞いていました。彼は何か煮え切らない思いを顔に出しながらも彼は何度も頷いていた。

「彼は逮捕されました。ご存じないですか」

　希之男（きのう）から彼女の事を離して居ると男性が話して居ると聞いていた。私は彼が何か硬いモノを取り出し見ていると男性が頭を抱えながら、手を離していた。

「最近に成り彼が居なくなったと想いましたが彼の事が捕まっていたとは」

　男性は近くからホワイドボードを持って居た彼女にそのあらましを伝えると彼の言葉に話をするのである。何度も書き留めると、一回頷き彼の言葉に変わった。

「ええ、大丈夫ですよ」

「そうですか」

「庭が気に成りますか」

　彼が話をしていると女性の言葉に話をしながら春野も目を丸くしていた。その庭の鍵を開けてくれた、横目に叉三郎が見ると希之男（きのう）は、叉三郎が感謝をすると男性は手でその男を制止し道を解放する。

「ええままあ」

　庭を見ると男は鍵を開け入り口を開けてくれた。私から見れば彼は薄ら笑いを浮かべて居るが、直ぐに能面の顔に戻ると、空気が抜けた男の介抱に向かった。

「別に女がらみでも無い僕から見れば単に明快な事件です。彼女の所に行こうかと考えています」

　彼はウサギの姿勢に成ると虫眼鏡を取り出し、家々の十数分から数十分の間に彼から聴こえた森の中を勇ましく入って行く、彼も道程を邪魔する程に無粋な事はしなかった。

「どうですかね」

　最初は二足歩行動物の一面を見せていたが深く生い茂ると彼はその背丈を小さくし猿の時代の四足動物である時まで退化し歩く事に成ってしまったのだ。彼も茂みに入ると叉三郎が驚くほどの形相でこちらを見て来た。治も石化されてしまい、動けなかった。

　彼が数十メートル程に進むと進行は止まる、電車が降車する前の停止線を目指す様だ。男は目印に到達すると、何度も何度も、角度を改めては写真と撮る始末である。私はいい加減知りたいと感じていたがもう少し待とうと気を許してしまうと四六時中その場へ、へたり込む事態に陥る事に成る、私は待つことにした。

「協力してくれるのは嬉しいですが・・・現場を荒らさないでください」

　彼は何度も何かを書いていると男性が話して居る今から湯気が出ている事を見ていた。叉三郎はそれを見ると手でその席に促した。私たちはそれに従い後退するも誰かかが彼の事を見る事が出来るか、獣が通った後の茂みの動居程のみ見えた。

「大体の事は分かりました」

　彼はその言葉に彼は感激の渦中に居る、渦が全身を駆け巡り彼の身体に痺れを与える。群青の雲が彼の家中をかき回す様だ。彼は泥だらけで水遊びをする男の子が帰納する前の様によく似ていたが彼の場合175cmが泥だらけなので見る事のみできなかった。

「上がっても良いですか」

　彼が言うと希之男（きのう）はいいですよと席を出す、卓上に彼は持って来た鞄の中から一冊のノートを取り出しメモ用紙を五から六個貼りしまった。（すると）事が終わったことを察した彼が風呂場を案内してくれたためその場に肖る事と成った。