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叉三郎の冒険  作者: 猫八
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追跡Ⅱ

「三日過ぎたのか」

 落胆する彼の目線を私は見ることはできなかったよ。手で覆い隠していたからだ。口を金魚の口の様に開けるとその手を退けた。目線は銀河の星々を通り過ぎる流れ星が物憂げに見る道程に似ていた。

「彼女はどうなっている」

 「あーあ」と私が思案していると「確かにと言う」言葉と共に「ちょっと来てくれ」と言う。彼が私に視線を向けるため、手を揺らしこっちに来させた。「そのナース服は夢野さんが仕立てた物だ」紹介すると短パンに注射器を持ち、白い色合いと黒のタイツを履いた、春野は立ち往生していた。

要り用(いりよう)かい」

 (言葉に話をしていると男性は彼の言葉に)

 彼は小さな濁点を付けながらも笑っていた。どうしようかと考えることも楽しかった。刺さりまだ取れない木片や彼の本調子でない皮肉も聞けないとなると少し寂しいものがあった。

「今日は」

 彼女が何か言いたげであった。外に出て新鮮な空気でも吸った方が良い、私は言葉を掛けたがったが、残念ながら腹筋を三分割されてしまったためまともに声が出なかった。何度も頷いていると彼女が窓辺を指さした。群青に彩られた碧の空に点在する星々だ。

「天の川が見られるかもしれません」

 そう言えばと私までもが見かねていた彼女の言葉に帰って来るのだろうか私は手にしていたパイプを置き手を合わせたそれを見てか治も「もう行きなさい」と言うと彼女はそそくさ部屋から退出する、彼の息遣いと共に彼は医療用のパイプを吹かしながら掃除機の型を成したホースに自身の息を吹きかけていた。

 (彼女の言葉に)書き終わった所を想像してみると本の、右端に貼られているマスキングテープのみならず、付箋紙にまとめられた一頁を見ながら夜空から受ける刺す風を堪能し、苦笑いをしたり微笑したりとしていた。

(私は)

「ちょっと」

 治と呼び止める。

「何」

 治は振り返る。

「外に出たいのだが」

 そう言うと、治はホースの残量メーターを確認する。基準値の4ccから大きく上回っていたが、今となっては基準値を下回っている。

「基準値を下回って居る」

 動作を検証するが正常だ。ニコチンの98%を洗浄し正常な肺の状態に戻った。

「つまり外出して良いと言う事だな」

 岩肌も寒さに耐えきれずに打ち壊れてしまった。治は体に障ると称し窓ガラスを閉める。私は「そんなことは無い」と言い続けているが彼は私に「ケの昨日だ」と言い提案を却下した。

「いや待て」

 パラメータは基準値を問うに越しており、私が交換をしても三回見ないと分からない程だ。私はその汚染された空気を外に放出すると彼が好感した容器に対して全力で息を吹き入れていた。

「しかし」

 彼は残量の値が叉三郎から見れば緑系の灰色の色をしているが彼の事を考えていると赤色系の黒の方が良かっただろう正常な値を叩きだしていたと認めざるおえない。

 量は2%だ。しかし、健常者に害をもたらすかもしれない、医者の私は覚悟を持ち接しているが彼らからしてみればこのような行為はお節介だ。

「何か」

 マルコフ同様に頭禿の様に成る事は許しがたい結果だ。吊り上げた眉が髪と額の間の皮膚を吊り上げると、彼らからしてみれば道程も行き詰めさせずにいられなかった。カテーテルは鼻から肺へ侵入するために造られた。胃の内容物が逆流し漏れ出ないため特殊な薬品を使うこともあった。

 彼はその中を話して居ると大事な事であったためもう一度彼に聞いて見た。私は彼に反則し様子を伺うが元もままタバコを吸う如く吸っていた。

 カテーテルが必要なくなるとチューブ型の空気圧を検査する容器の淵を叩いた少し出し手で仰ぐと彼の事に野夜の野草を積み花瓶に詰めた土気色の香りがする、治が「部屋ミストとしても使うんだ」と言うと彼は納得し容器の丸い部分を叩いた。

「どういう原理でこれは動いているんだ」

 伸ばしたり引いたりしていると裏に印刷されたナイロン製のシールにはエルダーフラワー・ユーカリ・ペパーミント・甘草・オオバコ等々名前が添付されていた。

「外気圧と空気圧の兼ね合いからハーブで灰を除染し活性化を促す禁煙者専用の薬だ」

 噴射する原理は一般的な霧吹きと大差は無い。一時の真空状態は鮮度を長持ちするように鉄の外装にジェル状の空気を匿う層が存在するのである。

「何故はどうやって調合している」

 彼がそんなことを聴くと治はその鋭い眼差しを緩めて口元を指で封じた。いわゆる「企業秘密」と言う事だ。

「特殊なハーブを調合することによりだ。(この素晴らしさは)頭の細胞を直接、再生することが可能だ。」

 力説した頭は興奮作用が効いており目が睡眠をモノとはしない科学者のそれに成っていた。私はそう言うモノなのかとベッドに入る。

「そういうものなのか」

 彼女らはそのようなことを考えていると初めて頷いた。隣から見ていた夢野も治の指示で入る事を許可された。注射器を持ちながら宵闇の中を歩きここまで来たのだ。「大変怖かったことだろう」私がキャンディーを一つ上げようとしたら、首を振り拒否した。

「パラメータ推定は異常なし、この状態なら大丈夫だ。後からタバコの煙を吐き出すことも無いだろう」

 私は頷くとその先に出て行った。

 彼は例に漏れずそのコートを取り出すと立ち鏡を見て服装を確かめていた。彼のトレンチコートは私に彼の通りの名前を話して居た。彼がその通り名探偵である道程だ。

 その夜の小道は強襲の名月である。月も満ちており扉から見える茶色のチョコレートのドアを開けると茄子が落ちた窪みの中に電球の回路が置いてある外套が街の十字路に当たるまで続いていた一つ一つがアンティークであり家々の持ち物だ。私は彼にその事を聞いて見ると、首を傾げるばかりだ。

 通りを右に通りに進むと正方形の枠組みに白い白苔が線の役割を持って居た。頂点には角を多分に切り捨てられた面の二メートル程度先にまた茄子の外套が当てられているのである。

 切り捨てられた部分が落ちたならば対の家を倒壊させていただろう、左側の反対の家が一番大きかった、ビルディングの最上階を彷彿とさせる高さの段組みであるが全てがコンクリートで外層を整えられているのである。塗装を任された職員は命綱とレッカー車を貸し与えられるのである。正社員であるから驚きだ。

(私は興味を持って)

 私は気になりその階下のエントランスから後方に備え付けられているエレベーターに乗る、金色の塗装がされた、純金だ。椅子が置いてあるが私は立ちっぱなしにしていた。夜景を見ることができた大きく点在する箇所は少なく家々は夜から深夜に移り変わろうとしているが電灯の明かりが止む事は無かった。発熱電球の色合いを見ると彼の事を見ていた男性と彼女が熱烈なキスを捨て居るのを思い出した。

(彼が見る限り)

 最上階からは彼が見ている限りは絶景が見られる場所ともいえないのだろうか、彼の眉が吊り上がったところを見ると階下に見える家々が放熱より大きな日が発する暖かみと有情を作り出していた。サービスでは無い、愛なのだ。

(彼女がナース服だとしたら私は茶色のコートだ)

 トレンチコートから本を数冊読んでいると耳を引き裂く音が聴こえる。それは機械仕掛けの笑い声に在らず。彼の事を彼の声を最後まで聞くことができなかったのもこのためだ。星々が揺らめく熱線の中私はひしひしと受けていた、輝きを。


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