二極化による苦労と技術の進歩による希望を感じた2024年夏アニメ19作品の紹介と感想
2024年夏アニメが終わりました!
私は普段なろう系・異世界物のアニメを中心に楽しんでいます。皆さんはいかがでしょう?
なろうエッセイをお借りし、紹介と感想をまとめました(ネタバレはなるべく抑えます)
個人的な満足度という形で点数付けもします。私の中では50点いまいち、60点まあまあ、70点良作レベル、80点名作レベルで満足したというイメージです。
(評価基準についてはどくアニというアニメレビューサイトに大きく影響受けています。さらにいうと視聴前再生ボタンを押す際、どのくらい楽しみでテンション上がるかを1つの基準にしています)
個人的に作画よりストーリーが合うか重視する傾向があるため、私が個人的に楽しんだ度合いについては個人的満足度、作画やアニメの演出が良く、配信人気等も含めより多くの視聴者に薦められると思った度合いについてはおススメ度と、2つの基準で評価する方式を取ります。
※19作品紹介するため相当な長文になってます。最後に総括もまとめているので飛ばしつつ最後まで読んで頂けると幸いです。
夏アニメで小説家になろうで連載している、あるいは連載していた作品は全9作品でした。その内「異世界ゆるり紀行」を除いた8作品を最後まで視聴したのでまずはそちらを五十音順に紹介します。
・俺は全てを【パリィ】する
個人的満足度 70点 おススメ度 ☆4
怪物と戦い、人々を守る。 そんな冒険者に憧れる少年・ノールに下されたのは、「全てにおいて、一切の才能がない」 という残酷な判定だった。 でも才能がないなら、誰よりも努力すればいい! 身につけた最低スキル──攻撃を弾く【パリイ】を十数年もの間ひたすら磨き続け、ついには千の剣を弾けるように成長する。 しかし、どれほど極めても最低スキルだけでは冒険者にはなれず、ノールはいつの間にか世界最強クラスの力を手にしながらもそれを自覚することもなく、街の雑用をこなす日々をおくっていた。 そんなある日・・・?
作画が味わい深い色彩使って良かった上、さすがなろうで年間1位を取っただけはありシナリオが面白かった作品。勘違い系なのですが、果たして今回主人公が何を勘違いしつつ何をパリィしてしまうのか、毎回安定して楽しむことができました。
一般のラノベアニメは1クールに3~4エピソード入りますがパリィは中盤以降ほぼつながった1つのエピソードで構成されます。もう少しテンポ早くして色んな話が見たいという思いもありますが同時に丁寧で良かったという思いもあります。主人公以外の活躍とかこれからと思うので2期を期待しています。
・新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。
個人的満足度 75点 おススメ度 ☆4
「夢を追うならできるだけ若いうちがいい」 人は皆、そう考える。だが、どうしても諦められない。そんな大人も、どこかにいる――。 10代で冒険者になるのが当たり前の世界で、30歳を過ぎてギルド事務員から冒険者を目指したリック。 大陸最強の冒険者が集う伝説のパーティ「オリハルコン・フィスト」のメンバーによる想像を絶する訓練の日々を過ごしてきた彼は、新米Fランクながらも最高位であるSランク並みの戦闘力を有していた!?
めちゃくちゃ熱い!そして面白かったアニメ。ABEMAでは今期当作品含め独占配信が多かったですが1番人気にまで成り上がっていました。前半のリック、後半のアンジェリカ、終盤のケルヴィン・ブロストンのエピソードそれぞれにテーマ性があり、凝縮された1クール。いわゆる捨て回が少なく全く勢いが落ちなかったです。タイトルからネタアニメにも見えますが、コメディを取り入れつつ中身はシリアスを貫いていて、EDをシリアス系多かった藤川千愛さんが歌っていた理由が分かりました。
メインヒロインのはずのリーネット達や残りのパーティメンバーは出番少なかったですが、今後大活躍してくれる予感がします。2期を期待だし、ぜひ原作も追いたいと思います。
・転生したらスライムだった件 第3期 後半クール
個人的満足度 60~70点 おススメ度 ☆3.5
クレイマンを倒し、正式に魔王となったリムル。魔王たちの宴を経て、リムルの支配地域はジュラの大森林全体に広がった。魔物を敵視するルミナス教の総本山・神聖法皇国ルベリオスの聖騎士団長・ヒナタとの対決を解決したリムルは自国テンペストを盛り上げるため様々な内政に着手する!
春アニメの前半クールは合わない部分多く満足度50点で終わりましたが今回のクールは楽しめた箇所多かったです。OPからがらっと雰囲気を変え、開国際というイベントを通じポップで楽しめる作品にしようという意図が伝わってきます。何より良かったのが新規で登場するキャラは抑えめにして今まで出てきたキャラの深堀りがなされたこと。ベニマルとモミジの回で部下達の恋愛観が語られたりとかね。ラノベアニメの典型というか、転スラは特にキャラ数が多く、増える一方で1人1人の描写が追いついてないと感じていたので良かったです。
一方後半の武術トーナメントは参加者がなろう版とは変わっていたのでどうなるか楽しみでしたが正直茶番感強く、なろう版の方が好きです。全般的に楽しめたというよりは回によって合う回は楽しめたという印象なので満足度はこんな感じで。
4期と劇場版第2弾が決まりました。味方陣営が強くなりすぎて緊張感ある展開を見るのは難しい気がしますがその分どう面白くしていくかは気になる所です。
・時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん
個人的満足度 65点(前半70点) おススメ度 ☆3.5
久世政近の隣の席に座るアーリャさんは、いつも彼に対して冷ややかな目線を向けている。けれど、時々ボソッとロシア語で彼にデレていて......。 その言葉を政近も聞き逃しはしない。 なんと、政近はロシア語のリスニングがネイティブレベルだったのだ!! 気付いていないと思い込み、時々デレるアーリャさん。 そして、その意味を理解しながらも、気付いていないような振りをする政近。 ニヤニヤが止まらない、二人の恋模様の行方は——!?
上級国民感、ブルジョワな世界観ができていて、非日常を楽しめる作品だったなと。セレブな層が通う学園なのか、例えばマケインではガストに行くのに対し、ロシデレは高級ファミレスであるロイホに行ったり、学生なのに皆お金を気にする感じがなかったり。
OP素晴らしかったしEDは毎回変わって何が来るか楽しみに。ただ後半は私が疎いのが悪いのですが、知らない曲が多かったのが惜しかったです。
キャラとしては妹の有希が今まで見たことない立ち位置の妹キャラかつ、悪役ムーブをこなす尖ったキャラで面白かった。
そんな感じで日常のラブコメ部分は良かったのですが、後半多くなるシリアス部分がいまいちはまれなかったなと。将来行われる生徒会長選挙での前哨戦が見所なのですが、まだ1年生だし現生徒会長との関係も悪くないのでやりたいことあれば現生徒会でやればいいと思うんですよね。2期が決まりましたが掘り下げられるといいですが。
・ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで
個人的満足度 70点 おススメ度 ☆3,5
学校では空気な高校生、三森灯河はクラスメイトとともに勇者として異世界に召喚された。 女神ヴィシスによってクラスメイトたちが次々にS級、A級と能力を見出される中、灯河は最低ランクであるE級と宣言され『廃棄』対象となってしまう。 生存率ゼロの遺跡に廃棄された灯河はハズレ枠と貶された【状態異常スキル】を駆使して遺跡脱出を試みる。 その日から、女神ヴィシスへの復讐の炎を宿した青年は人畜無害な人間をやめ、心の奥底に隠していた本性を明かしていく。
序盤はありふれた職業で世界最強とほぼ同じ、クラス転移追放的展開でしたがその後差別化してくれます。能力はチートで強いんですが、万能というわけではなく、それを主人公が頭脳を回転させて補うのが面白いです。口八丁手八丁というか、話術も駆使して良い意味で姑息、実に特徴的な主人公でした。あとはヒロインのセレスがめちゃくちゃセクシーで可愛いことに尽きます(笑)最近ロマサガ2リメイクの体験版をやって思いましたがやっぱ可愛いキャラいるとモチベになります。
女神ヴィシスやクラスメイト達の見せ場が少なく、同じく配信で人気だった異世界物パリィや新米オッサンに比べ中途半端で終わった印象。てっきり2期発表あると思ったのですが時間を置いて発表するパターンもあるはずで期待しています。
・魔王軍最強の魔術師は人間だった
個人的満足度 50点 おススメ度 ☆2.5
『魔王軍最強の魔術師』と呼ばれ、敵味方から畏怖される魔族、その名はアイク。 しかし、そんな彼には、実は魔族ロンベルクに育てられた人間であるという他の魔族にはいえない秘密があった。彼は人間であることを隠しながら魔族と人間の共生を目指していく。
クオリティは賢者の弟子や農民スキルの会社でかなり低いです。CGも荒いし。ただ軍記物との相性はそんなに悪くない感じ。転スラ1期で20万のオーク軍のはずがアニメでは数百人しか描かれなかったり、SAOのアリシ編後半も評価高くないし、多少予算かけようと大規模な戦争をアニメで描くのは相当難しい部類です。なら低予算で割り切って描くのはありだなと。
魔族と人間の共生というテーマがしっかりしており軍記物として全体的な流れはかなりまとまっていました。ただ話はもう少し考えて作ってほしかった。無条件に小麦より稲の方を推奨するシーンがあるのですが環境に左右されるはずで、一概に言えるものではないはず。軍記物の花形って視聴者の予想を超える戦略を描く点にあると思うのですが、あくまで予想の範囲内のものでしたし。
育ての親ロンベルクってダイの大冒険から取っているのか、ならアイクのモデルはヒュンケルなのかなと色々想像させられました。
・魔導具師ダリヤはうつむかない
個人的満足度 40点 おススメ度 ☆3
やりたいことがたくさんあったが過労で転生してしまったダリヤ・ロセッティ。彼女が暮らすこの世界には、人々の生活を便利にする「魔導具」がある。普段の生活はだらしないが魔導具師としては尊敬できる父のカルロ。ダリヤはカルロの作る魔導具に憧れ、自分も魔導具師になろうと決意する。
無職転生や盾の勇者や八男など長期展開で重厚な作品多いMFブックス出版ということで期待していたのですが、全然刺さらなかった・・(汗)序盤の婚約破棄は生々しいのはいいとして個人経験的に共感できない内容でした。その後も破棄相手のトビアスが前半妙に出番多い割に後半全く出なくなり、1クールとして話の流れにあまり一貫性を感じず。周りも単にダリヤを持ち上げるキャラが多くあまり好きになれるキャラがいなかった。本好きのベンノやツキミチのザラみたいな主人公と衝突しつつ成長させるキャラがいればまた違ったかもですが。とはいえネットの反応見ると賛否分かれて好きな人も多いようなので刺さる人には刺さるのでしょう。私は似た傾向のアニメなら本好きの下剋上の方が好きです。
・モブから始まる探索英雄譚
個人的満足度 70点 おススメ度 ☆2.5
ステータスも低くいわゆるモブキャラである高校生・高木海斗は、日本に現れたダンジョンで毎日スライムを狩り、クラスのマドンナである幼馴染に憧れながら小遣稼ぎをするふつうの探索者だった。そんな彼の前に、神話の存在を呼び出せるサーバントカードと呼ばれる激レアアイテムが!!覚悟を決めて召喚するとそこには戦乙女が。
クオリティは正直低くB級感強かったですがイセスマ2期みたいな感覚でかなり楽しめた作品。
主人公がモブキャラ級に弱い所から始まりますがすぐに強くなるわけでなく徐々に経験を積んで弱いながらも奮闘する所が好印象だったり、嫉妬し合うヒロイン達が可愛くハーレム物として優秀だったり、ヴァルキリーの2人に焦点を当てたEDとめちゃ可愛い原作絵のEDがどちらも良かったり、正直うざいと感じていた幼なじみが最後結実したり、良い部分がたくさん見つかりました。
萌え重視の作品ですし、キャラの作画は最終話等もっと頑張ってほしかったですけどね、でも背景やシステムUIの作画は普通に良かったです。
以上が小説家になろうに掲載された作品です。この後はそれ以外に最後まで見た11作品を五十音順に取り上げます。
・異世界失格
個人的満足度 65点 おススメ度 ☆3.5
とある文豪と、その愛人がこの世を去る直前、「例のトラック」が突っ込んでくる。 文豪が目を覚ますとそこは、異世界の教会。勇者の使命を背負わされてしまう文豪。 「...ふふ。恥の多い生涯だ」 文豪の冒険が幕を開ける。 きっと、どこかにいるはずの「さっちゃん」を見つけ出し、今度こそ、あの日の本懐——心中を遂げるために。
ラノベ原作ではなく漫画原作の異世界物。異世界おじさんの制作会社でクオリティはまずまず。主人公の先生のキャラがめちゃ立っていました。太宰治をインスパイヤしたキャラで声優が神谷浩史さんなのは昔楽しんださよなら絶望先生に通じるものがあります。
個人的には絶望先生や異世界おじさんみたいにもう少しギャグ全開なものを予想してたので思ったのとは違い、はまれなかった部分があります。先生の強烈なキャラと周囲の人間がギャップがありミスマッチに見えました。
しかし1・2話で完結する話が多く、1クールでも多数のエピソードを味わえ、無難な回もあったけど当たり回は相当楽しかったです。これはラノベではなく漫画原作ならではですね。世界を荒らす転生者を改心させ元の世界へ送り届ける的な話を感動的に描かれて、人によっては名作と思う人もいるのでは。ネットでは配信ランキングはあまり伸びなかったですが絶賛している人も多い印象でした。
・推しの子 第2期
個人的満足度 85点 おススメ度 ☆5
新たな舞台の幕が開く── 人気マンガ『東京ブレイド』の舞台稽古が始まった。 劇団ララライの役者達に囲まれ、大きく飛躍するかな。 かなの才能を認めながら、ライバル心を激しく燃やすあかね。 才能と熱意のある役者が集う中、アクアは演技すらも利用してアイの死の真相を追い続ける──。 そしてアイドルとして母の背中を追い続けるルビーは......。
最終話は10月なので23話までの感想。
いきなり舞台稽古から始める大胆な導入がされ、また題材の2.5次元舞台をアニメに落とし込む演出がなされていました。すごい演出なんだけど舞台がアニメにそのままなることで面白いかというと、1期の分かりやすい面白さとは種類が違ったかもしれない。基本アクア一人称の1期に対し群像劇的でルビーの出番も少ないしね。でも他のアニメにはない展開が見られたのでこれはこれで良かったです。
後半はルビーやMEMちょの出番が増え1期の面白さが帰ってきた感じ。ほんと細かい所まで描かれてめちゃ面白かった。
推しの子の面白さの1つが芸能界の闇を描く点にあると思いますが、今回も秀逸だったなと。今年に入りドラマ化の内容に納得いってなかった原作の先生が亡くなられるなど問題になっている原作者と脚本家の関係性に焦点を当てていた原作の先見性には脱帽しかありません。youtubeの推しらじ第2回の佐倉綾音さんゲスト回ではその辺言葉選びながら語られて興味深かったです。
私はそのドラマについては原作含め知らずあれこれ言う資格はないので、アニメ全体に目を向けて言わせてもらうと、ある程度アニメ通の人がアニメのEDでスタッフクレジットを見る際、キャスト以外だとよく脚本家に目が行きがちで、アニメのストーリーに矛盾があるとネット上でよく脚本家が槍玉に挙げられる場合があります。しかし推しの子で描かれたように、名前貸しても実は関わってないケースや、1人だけで作ったわけでなくスタッフ皆で考えたケースもあります。話に納得いかなくても脚本家、あるいは原作者が悪いというのは安易であり、感情論に流されず建設的な批判ができればなと、アニメをレビューする身としては考えさせられました。
推しの子は今後ドラマ化や今回の舞台編を舞台化するそうですが、2.5次元舞台は以前盾の勇者とリコリコ、配信だとぼざろを見て楽しかったこともあり推しの子も行ってみようと思います。新しい刺激を得られそうです。
・キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 Season2
個人的満足度 80点 おススメ度 省略
こちらは5話以降放送延期になったため4話までの評価。
作画にむらがあり、悪い部分はかなり悪かったですが逆にこだわりある部分も多かった。キャラの掛け合いなど話も面白く特に3話は見所多く神回でした。良い部分が多いということは時間足りないだけでスタッフは優秀な方が揃っているということで、丁寧に作れば神アニメになると思うので完成を期待しています。
・この世界は不完全すぎる (このふか)
個人的満足度 70点 おススメ度 ☆3.5
辺境の中の辺境にある小さな村で慎ましく暮らす少女ニコラ。 日課の薪拾いの最中に彼女の前に現れたのは、はるか山奥に住むはずの巨大なドラゴン。 まさに村が襲われようというその時、駆けつけたのは、極秘に組織された調査隊 “王の探求者キングス・シーカー “の 一員を名乗るハガという男。 繰り返される平穏な毎日の中で飽きることも知らなかったニコラは、ハガに憧れ、自ら外の世界へと踏み出すことを望む。 そして、彼女はこの世界の本当の姿を知ることになる。
転スラ・鑑定スキル・第七王子・このふか・ウィストリア。この5作品が講談社系異世界物ということでコラボしていましたが、その中でもこの作品は相当な異色作です。一応ネタバレなので詳細は伏せますが世界の秘密については1話である程度明かされます。ABEMAで無料で見れるのでまずは1話を見てもらいたい。
タイトル通り不完全な世界ということで、終始攻めていて歪な世界観やキャラが描かれているのが良かったです。冒頭出るドラゴンからして竜とは似ても似つかない歪なクリーチャーですし、2話以降出るキャラも一癖二癖あるキャラ。B級感はあるので合う合わないはありますが、シナリオもキャラも毎回相当尖がっていますし普通の異世界物に飽きている方にもおすすめできます。
あとはyoutubeでも見られる、主人公声優の石川界人さんが登場するポールトゥウィン株式会社のコラボCMが実写版みたいで面白かったです(笑)
・ダンジョンの中の人
個人的満足度 55点 おススメ度 ☆3
ダンジョンに消えた父を追い、単独で挑み続けてきたシーフの少女クレイ。探索の末、ついに前人未踏の地下9階に到達。そんな矢先にモンスターとの戦闘でダンジョンの壁が崩落! 崩れた壁の中から現れたのは――管理人!? ダンジョンで働くもの達が織り成す、迷宮お仕事ファンタジー。
ダンジョン運営物ということで、新米錬金術師みたいに毎話収支報告のようなリアルな運営物を期待していたんですが、思っていたものとは違う作品でした。緩いキャラデザで、キャラ数が少なく百合要素が高かったのでそういう作品が好きな人はより楽しめるなと。
時折可愛いはずのキャラが非情な行動をとる、えぐい要素は面白かったです。全体的にスローペースでダンジョンの裏側が緩く描かれるのですが個人的にはもう少し密度の濃いものが見たかった。
あと私だけでなくエックスで言っている人もいましたが、やたら眠くなる作品でした。覚えているだけでも12話中3回は寝落ちして見返すはめに(^^;
つまらないからではなく、一定のスローペースかつ、あまり思考する必要ない映像流すと人間て眠くなるのだと思います。昔戦国大戦というゲームの自分のプレイ動画を見た時も似たような感覚になりました。
・杖と剣のウィストリア
個人的満足度 75点(前半65点後半80点) おススメ度 ☆4
一人前の魔導士をめざして魔法学院に入学した少年ウィル。努力家の彼には魔導師として致命的な弱点があった。それは、“魔法がまったく使えない”こと。 同級生や教師から冷たい視線を浴び、時にはくじけそうになりながらも、強い気持ちで邁進していくウィル。杖は使えなくとも剣を執り、魔法至上主義の世界で戦い抜く。自分だけに与えられた力を信じて。そして、大切な人との約束を守るために
ダンまちの大森先生原作による漫画作品。アニメ化にあたり優秀なスタッフを揃えたとの触れ込みで、戦闘シーンのクオリティものすごかったです。
しかしストーリーの方ですが、正直序盤はとまどいました。メインヒロイン?ぽい女の子が録に説明されず主人公が再会を目指しているという説明がなされキャラに対する思い入れ抜きで始まるのでモチベが湧かず。主人公も落ちこぼれと虐げられてますが強い設定もあるのであまり同情する気にならず。でも中盤くらいからどんどん面白くなってきました。虐げられているのって別に主人公だけじゃないんですよね。サブキャラも何かしら抱えているものがあってそれらがぶつかりあうことに魅力を感じました。
昨年の七つの魔剣のようにハリーポッターの影響を受けた作品ですが、ハリーポッターの憎まれ役でマルフォイってキャラいましたがライバルポジ期待された割に本編ではいまいち活躍せず。でもベジータとかライバルポジが注目される日本では大人気で、役者の方もよく来日しています。そんなマルフォイが活躍するハリーポッターなのかなと思ってます。
・なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?
個人的満足度 50点 おススメ度 ☆2
「なんで誰も、本当の世界を覚えていないんだ …!」 地上の覇権を争う五種族の大戦が、人類の勝利に終わった時代。だがその世界は、少年カイの目の前で突如として「上書き」された。 パラレルワールドのような世界でカイが見たのは、歴史が改ざんされ、人類が大戦に敗れた光景── ここでは竜や悪魔が地上を支配し、さらにカイは全ての人間から忘れられた存在になっていた。 だが神秘の少女リンネと出会い、カイは英雄なき世界で、英雄の剣を継承し、君臨する強大な敵種族に戦いを挑む。
ストーリー序盤は面白いし興味深かったです。別の世界線の主人公が荒廃世界に立ち向かう物語で、映画のターミネーター味を感じました。(荒廃世界は4だし別の世界線はジェニシスみたいな)
その後各地を回って敵種族に戦いを挑んでいく展開が描かれますが、あまりに淡々としていたなと。少しずつ情報が解禁されて話に引き込まれていく感じでもないし、敵が入れ替わるので愛着も湧かないし、話を進めるためかヒロイン達の日常描写も少なくあまり可愛く感じなかった。同作者のキミ戦はその辺頑張っていたのですが。
キャラデザ荒い感じでその分序盤は戦闘描写で結構動いてくれましたがその後単に荒い感じになったのが残念でした。
良い所はあるのですがあまりに欠点が多かったのでおススメ度はワーストとします。総じて思うのは、低予算作品に不向きな題材なんじゃないかと。同制作会社の豚レバもクオリティ低かったですがキャラ数も戦闘も少なく心理描写重視だったのでまだ見れたし同作者の神飢えもゲームのギミックを毎回楽しめるのでクオリティ低めでもなんとかなった。一方この作品は世界観壮大で戦闘描写も多く、映画でやるとか話数を減らすとかで話はダイジェストにしてでも高クオリティにしてラグナクリムゾンみたいな熱さを持たせるべきだったのではと思いました。
・逃げ上手の若君
個人的満足度 80点 おススメ度 ☆4.5
時は西暦1333年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。 全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出するのだった…。 逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。 英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は
少年ジャンプということで、最近は個人的に刺さらない作品が多かったですが久々にはまれる作品に出会えました!めちゃくちゃ面白かったです。
歴史は好きですが例えば信長を描くにしても既に私の中で人物像が定まっているので、マイナーな時代と人物に焦点を当てたことで人物像をすんなり受け入れることができました。
あとは残虐描写をとことん攻めて、そんな敵側が残虐ではあるのだけどどこか芯を通して憎めないのが大変良かった。敵が生き残って嬉しかった作品は久しぶりでした(笑)
鎌倉・南北朝という今とは価値観が違う時代。その時代設定が規制に対する免罪符になってて活かせているなと。
ストーリーとしてはそこまで進まず2期も未決定ですが、今後は長い、しかし波乱の史実をいかにだれずに描けるかが鍵になると思います。頑張ってほしいです。
あとは昔漫画「花の慶次」で前田慶次が有名になって前田利家主役の大河で活躍したように、今後足利尊氏あたりが主役で北条時行が活躍する大河が出ても面白いんじゃないかと。もう南北朝時代って何十年も大河でやってないですが、足利尊氏って史実では相当勝ち負け繰り返しているので主人公向きだと思うんですよね。
・VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた
個人的満足度 55点 おススメ度 ☆3.5
国内トップクラスのVTuber運営会社「ライブオン」。 その三期生「心音淡雪」は、 星の数ほど存在するVTuberたちの中で、 どこか個性を出しきれないまま伸び悩む日々を送っていた。 そんなある日、いつも通りに配信を終えた淡雪は不注意から配信を切り忘れてしまいー普段の清楚キャラとは真逆の 酒好き・女好き・下ネタ好きな素の姿を全世界に晒してしまう。 大炎上かと思いきや......?
Vtuber(以下V)が題材、しかもなろうではないですがハーメルン・カクヨム発のラノベ原作ということで今までにない楽しさがあるんじゃないかと期待していました。
見た結果ですが、これはかなり人を選ぶアニメだなと。声優ラジオのウラオモテや推しの子のように、リアルと芸能の姿を演じ分けながらギャップに悩むようなVの話を期待していたのですが、リアルの姿もVの姿という謎設定、現実味とは無縁の世界なんですね。昔、アイドルは清純でトイレにも行かないと言われた時代があったそうですがV黎明期の原作ということでそんな需要も考えた結果そういう設定になったのかなと感じます。内輪ノリ多かったですが大手中心にVが心底好きな人はむしろ楽しめるなと。私はアニメ同時視聴されてる方や、最近だとラノベ感想会を行っている「すにちゃんねる」など楽しんでいるVの方はいるのですが、あくまでyoutuberとして楽しんでいるのであってV自体はあまり興味なかったのでそこまで刺さりませんでした。
クオリティはなかなかの高さで締め方も良かった。パロディネタが多いのでニコ動が完全復活していたらコメントで分からないネタ教えてもらえるのでより楽しめたかも、惜しかったです。
・負けヒロインが多すぎる!
個人的満足度 75点 おススメ度 ☆4.5
想い人の恋人の座を勝ち取れなかった女の子——「負けヒロイン」。食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜。元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬。人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花。ちょっと残念な負けヒロイン——マケインたちに絡まれる、新感覚・はちゃめちゃ敗走系青春ストーリーがここに幕を開ける!負けて輝け、マケインたち!
まず設定が良かったですね。ヒロインと主人公以外の恋愛ってタブー視されて描かれない作品がほとんどじゃないですか。娯楽に徹してひたすら理想的ヒロインを求める作品ならそれでもいいけどそうでない作品の方が多いわけで。もっと描いていいと思います。(さらにいうと主人公から心変わりするヒロインはビッチだの悪女だの言われますが視聴者の平均年齢も上がっているしそういうのを悪く描くのでなく自然に描かれる作品あってもいいかと)
キャラクターとしてはメインの八奈見がひたすら特徴的で面白キャラ。しかも中の人が前期で理想的ヒロインの典型ワンルームのとわちゃんを演じていたからギャップも面白かった。さらにいうと文芸部の運営をする青春物としても優秀でした。後半では負けた後、いわゆる元カレポジとの話も再度あって、当初はうざいな、きっぱり縁を切れないものか?と感じましたが考えてみれば学園って狭い世界ですし、簡単に切れるものじゃないですよね。学園物であることを活かしていると思いました。
クオリティはすさまじく、ネットの人気も高かったです。もし2期があるなら恋愛描写を深堀りできればさらに化ける気がします。
・女神のカフェテラス 第2期
個人的満足度 80点 おススメ度 ☆3.5
ケンカ別れした祖母が遺した喫茶店「Familia」を継いだ主人公・粕壁隼。 そこには「おばあちゃんの家族」を語る見知らぬ5人の女神(カワイイ女の子)が! 初めは衝突ばかりだったが、それぞれの過去や、家庭の事情を知った隼と 女神たちの尽力によって様々な問題を乗り越えてきた「Familia」。 しかし…隣にまさかのライバル店が!?
1期の満足度は70点で普通に面白かった作品ですが、2期でここまで面白くなるとは!
斜め上に攻めてぶっ飛んだ下ネタ話と、祖母から連なるシリアスな家族の話が交互に展開され、圧倒的な話の面白さで畳みかけてくれました。話題性としてはライバルポジションとして豪華声優による5人組が加わりましたが、これは複数のアニメ化を経験した原作者先生ならではなと。原作執筆の段階でアニメ化を睨み、ちょうど2クール目のタイミングでテコ入れできるようしたと解釈しています。
いわゆる「ツンデレ」って「最初はツンツンしているけれど、やがてデレる」が正しい意味だったのが「普段はツンツンだが、2人になるとデレる」って意味で使われることが多くなったと言われてます。1期はツンツンしたヒロインが多かったですが2期はめちゃデレて、これぞ正統ツンデレラブコメと言えるかもしれません(笑)
原作気になってこの前一気読みしました。この後の3期にあたる内容もめちゃ面白いので来てほしいし原作もどのヒロインが勝利するのかも注目しながら追っていこうと思います。
最後に夏アニメの総括について!
過去の私のエッセイの点数と比較して頂ければ分かると思いますが、完走した作品数こそ多かった割に全体的に点数低めで個人的にはやや不作なクールという印象です。
最近「アニメ制作市場が3000億円突破、赤字企業3割で二極化も」というネットの記事を読みましたがまさにその通りで、高クオリティの作品はめちゃくちゃ凄いのですが低クオリティでアニメ会社が苦労していると感じる作品が多かった。作画はそこまで気にしないたちですが、話の作り込みや音楽も含め総合的な作り込みはその世界に入り込めるかに直結するので頑張ってほしいです。
今期はパリオリンピックが時差あって深夜帯になり延期になったアニメも多かった印象。休止していたニコ動は多少アニメ見られるようになってきましたが完全復活とは言い難い。そんなハンデも感じた夏アニメでした。俺たたエンドが多かった割に2期の決定率が低めの気がしますが、これは直後に発表しないだけと思いたいです。
そんなアニメ業界の苦労を感じた夏でしたが、希望もあると思っていて、春アニメでクオリティ凄かったなろうアニメ、第七王子の制作会社へのインタビュー「第七王子のEDクレジットを見ると、なぜ日本アニメの未来がわかるのか」「日本アニメの輸出産業化には“品質の向上よりも安定”が必要だ」では技術の進歩でコストダウンを図る努力が語られています。
テレビアニメ外だと、転スラ・鑑定スキル・第七王子・このふか・ウィストリアの5作品と富士急ハイランドがコラボしたのでトークイベント含め富士急楽しんできました。昔、異世界かるてっとと富士急がコラボした時は行けなかったので異世界アニメ好きとしてリベンジできて良かった。次に異世界アニメがコラボする機会あるとしたら何とコラボするのでしょうね。
あとはリゼロフィルムコンサートを配信で視聴して3期熱を高めたり、上映中のオバロ映画も行ってきました。なろうアニメ史に残せるクオリティだと思います。
アニメ化というのは長期展開する一部の幸せな作品以外は、1クールという、一瞬で消えてしまう花火のようなものだと思ってて、拙いエッセイではありますが、その閃光のような一瞬の輝きを今後も書き残していければと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!大変長文になりましたが一部でも読んで頂けたなら大変嬉しいです。
よろしければ、気軽に評価頂けると幸いです。
(ご意見や好きなアニメの話など、よかったら感想欄にどうぞ。アニメの好みはそれぞれ違うので肯定的内容でなくても歓迎です)
異世界アニメ多めで、他クールのアニメ感想も書いています。タイトル上のリンク先「アニメ感想の部屋」からもどうぞ。
2024年春
https://ncode.syosetu.com/n9113jf/
↓秋アニメで気になっている作品
3期は特にアニメ映えする内容と思うので期待大 リゼロ3期
長編なろうアニメ完結一番乗りが1番近い作品と思う ありふれ3期
三国志的面白さがある作品がついに戦争に突入 鑑定スキル2期
高クオリティで2クール展開されたのにすぐに2クールで放送 シャンフロ2期
謎の声優総変更、怖いもの見たさで気になる 魔王様リトライ2期
ヒロイン多数の放浪旅、丁寧に作れば化ける気がする 精霊幻想記2期
ハーレムキービジュに対しタイトルがぼっちで矛盾してたりキャラ名からしてもう面白い ぼっち攻略
話術を使うということで話の面白い異世界物を期待 話術士
OP曲が良い上、ストーリーが綺麗なまほあこで面白そう アクロトリップ
魔法少女お仕事物という新しいジャンル マジルミエ
好きな作品多いベテラン総監督のオリアニ まほなれ
今年イベントでお会いした監督が力入れて作っているそうで期待 歴悪
ドラゴンボール初の深夜枠 DAIMA
他にもいくつかチェック予定です。
なろうの人気作の続編がめちゃくちゃ多いクールになりそうで、期待しています。