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「わかりました……。」


どうやら大丈夫なようなセリーナさんに言われて、再び窓の外に目を向ける。


よくよく考えてみれば、セリーナさんの体調がどうとかではなく、私の様子を見て心配してくれていたのだろうということはわかる。


ここがどこなのか、私はなぜここにいるのかとかは気になるし、聞きたいことはたくさんある。

どうやらセリーナさんは何か思い当たることがあるみたいだし。


だけど、屋敷に着いたら話してくれるっていうことだから、今は言われた通りに外の景色を見ておく方がいいのだろう。


そんな事を考えているうちに、門が目の前に迫っており、その横には通り抜ける人々を止めて何か話している様子の兵隊さんのような人の姿が見える。


兵隊さんが着ているのは金属の鎧だろうか?

RPGとかでしか見たことのない格好に、ついついじっと見てしまう。


「ラズウェイ家の方々ですね!どうぞお通りください!」


馬車に気が付いた兵隊さんが敬礼のような姿勢を取りつつ元気に声をかけてくれた。


どうやら、この馬車は他の人のようにいちいち止まったりせずに通過出来るらしい。


公爵家って言ってたし、この街の偉い人なんだろう。


門を抜けると、始めて見る街並みが視界に入って来た。


いや、似たようなものは見た事がある。

テレビや映画の中で。あるいは物語の中で。


そこに広がる景色は、まるで中世ヨーロッパのようだった。


ここまでと違い、街中の道は石畳が敷き詰められ、左右には街灯が並んでいる。


門の前以上に大勢の人が行き交い、活気のある街であることを窺わせる。


たくさんの商店らしきものが立ち並び、飲食店だろうか?

行列が出来ているところもあるようだ。


だが、そんな景色より私の目を引いたのは、行き交う人々の服装、そして髪の毛。


ファンタジー映画の中の人々のような服装に、様々な色の髪の毛。


それはまるで……。


「ここ、日本じゃないの?」


思わず漏れた私の呟きに、セリーナさんが辛そうに目を伏せたのは、外の景色に愕然としている私には見えなかった。

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