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3月13日月曜日 1

こはくがいないくなったのは昨日、こはくが現れることはなかった。

速くしないと、こはくの言っていた一週間が終わってしまう……そんなことを考えながら、僕は久しぶりに制服に着替えていた

「行ってきます」

仏壇の前で手を合わせ、玄関を出た時、外にこの一週間を象徴した存在がいた

「……こはく……」

「ごめんなさい…勇さん」

「え!?こはく体が……」

「そろそろ時間です……予定より少し早いですけど…」

と笑顔を向けてきた

「お母さん!…お父さん!」

「あはは……そう呼ばれるのはちょっと予想外でした」

「お母さん…いつも料理を作ってくれてありがとう…いつも言えなかったけど美味しかった、そしていつも嫌なことがあったら心配してくれてありがとう」

「…うん」

「お父さん…いつも仕事お疲れ様…、いつも話すのが下手な僕に話を合わせてくれて嬉しかった。……そして嫌なことがあっても最後には背中を押してくれるから、頑張れたんだ…ありがとう」

「…うん」

「二人はもうとっくにいなくなっちゃって、いろいろ心配かけたけど……もう…大丈…夫…だから…うっあぁ…うっ…だっだから…安心して…眠ってください」

「もう、本当に心配したんですよ……あの日私があの場所に落ちていなかったら、こんなこと起こらなかったんですから、感謝してください」

頭を撫でてくれた、が、その感触も一瞬だった、見ればもう手が光になっていた…

タイムリミットが近い…そう感じたので最後に、ありったけの感謝を伝えることにした

「小学校になったとき、すぐいじめられて泣きながら帰ったあの日…雨の中ダンボールに入ってるのを見て抱きかかえたときから、僕の親友であり家族でした

ずっと僕の側にいてくれて……一緒に成長できてとても

嬉しかった………ありがとう」

その言葉を伝えた瞬間こはくは消えてしまった

最後は笑っている気がした



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