3月11日土曜日 8
フードコートに着いた僕たちは、それぞれ注文を終えて食べ始めていた
僕はペッパーライス、みゃーこ先輩はハンバーグ、すみれはスパゲッティ、こはくはうどんを頼んでいた
それぞれが自分のペースで会話をしたり、食事を進めていたら、すみれが質問をしていた
「先輩と花咲さんは、幼馴染…なんですよね?」
「うん、そうだぞ」
「なら何故先輩は、花咲さんのことを先輩と呼んでいるんでしょうか?、幼馴染だったら先程の映画のように…えーと…姉さんと呼んだりするんじゃないでしょうか」
「そういえば私も勇さんが、花咲さんを先輩と呼んでる所しか見たことがありません」
「うーん…そういえば私も、みゃーこ先輩としか呼ばれたことしかない気がする、勇くんどうしてみゃーこ先輩って呼んでるの?」
口の中にあるものをしっかり飲み込みながら、昔のことを思い出す…
「えっと…みゃーこ先輩と初めて会うことになった…ほらあれだよ……夏休みの…」
「サマーキャンプ?」
「そうそれです、ほらあのサマーキャンプって毎年やってて…、先に入ってる人のことを先輩って呼んでたじゃないですか、それで先輩って呼ぶことになったんです」
「それじゃあ花咲さんの、"みゃーこ"の部分はどこからきたんです?」
「それは…確か、大人の人達が”みゃーこちゃん"って呼んでたから、僕もマネして使ってただけだね」
「なるほど…私でも知らない勇さんのことがあるんですねぇ〜」
……今の失言じゃね…なんかバレないといいけど
「それでは、サマーキャンプとは具体的にどういったものだったのでしょうか?」
うーん…もう十年くらい昔の話で深く覚えていない
「えっと、確か湖があった気がす…る…」
昔の自分がやらかしたことを、思い出して恥ずかしくなり顔が赤くなってしまった
「ん……勇さんの顔が赤くなってますよ…可愛いですね」
「うるさい」
「えっと、湖があるのは勇くんの記憶どうりでね……私達が住んでる町の端ッコの方にある湖だから、山も近かったよ」
みゃーこ先輩を説明してくれているが、黙ってご飯を食べることしかできなかった
「ん……勇さんの顔がまだ赤いです、そんな恥ずかしいことがあったんですか?」
煽るなぁぁぁぁァァァァ……楽しかった記憶だが
今話すのはやめてほしい
「花咲さんと先輩の出会いって、どんな感じだったんですか?、先輩の顔を見ていると、とっても気になってしまいます」
やめてほしいが、特に止める方法が浮かばなかったので、僕とみゃーこ先輩の昔話をすることになった